摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

京都さくら散歩(哲学の道)

昨夜は寺町高辻の宿に宿泊した。緊急事態宣言明けで宿代が値を戻す中、

宿泊税200円X2込み一室2700円なら文句ない。ツインの部屋は

コンパクトだが効率的に纏まってた。窓から町家の複雑な屋根が見える。

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このホテルの構造が、必要なら賃貸住宅に変更できるようになっている。

経営が不動産業の会社ならではの発想だと感心する。ホテルが本業では

無暗に室料は下げられないが、固定費だけでも確保するという算段かな。

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早朝はまだ曇りだった。もっと早く行動すべきなんだろうが、宿を出た

のは9時過ぎ。寺町筋をブラブラ北上して、東側に歌舞練場が見えた所

でた高瀬川沿いに出る。柳の新録と桜花のコントラストがきれいだった。

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高瀬川沿いを南に戻って周回する。夜はライトアップされているようで、

昨夜来ていればと少々悔やむ。この付近は桜の季節でなくても、沿道の

飲食店が灯りが京都らしく雰囲気のある所。一回りし三条大橋へ向かう。

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京阪三条駅前の交差点から、スタイリッシュなフランス人カップルの後

を歩いて行く。観光客ぽっくはないので何処へ行かれるのかと思ったり。

西へ直進されたけど、我々は神宮道から平安神宮の鳥居前で疎水沿いへ。

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人の流れに乗って疎水に下る階段を降りれば、蹴上インクラインの起点。

右手にあるのが疎水記念館。正面には昔の発電施設、その上には動物園。

以降なるべく人は写さないようにしたけど、この時間にして結構な人出。

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南禅寺橋の下を潜って、インクラインのレール沿いに南西へ登って行く。

紅葉の時期に一度二度来ているが、桜が満開の日に再訪できたのは幸運。

桜の花自体は何処でも見れるが、歴史的な遺跡と一緒に見れるのは貴重。

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時刻は10時。まだ朝日が東から差し込む時間帯なので逆光気味になる。

此処だけを楽しむなら、上から下って来る方が正解かなんて思ってると、

三条通りで前を歩いていた、仏人(たぶん)カップルが下って来られた。

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恐らく我々より京都には詳しいんだろう。インクライン終点から北側の

園地に上がる。正面に見えるのは蹴上浄水場の施設だが、さらにその上

瀟洒な建造物が見えている。どうやら都ホテルの数寄屋風別館らしい。

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疎水の取水口からは眼下に水圧鉄管を望みつつ、細い通路を北側に進む。

何の案内表示もない所だが皆さんご存じなのか通行は多い。疎水分線に

沿って管理用歩道が続いている。このまま歩けば南禅寺水路閣に着く。

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水路閣の下で記念写真を撮っているカップルを、冷やかしに行った家族。

二人が指で作っているハートマークの形が悪いとか、位置がおかしいと

訳の分からぬ事を言う。韓国ドラマを沢山見てるので無駄な知識はある。

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ずっと京都のお寺を観光するならば、高い拝観料を払わねばならないと

思っていたが、意外にも無料で歩ける所が多いと知った。それ以来何度

も来ているのだが、まだ々全ての見所を歩きつくしているとは思えない。

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南禅寺の本堂脇から鹿ヶ谷通りに抜けると、永観堂というお寺があった。

庭園は有料だが境内を通り抜け出来る。紅葉の季節に訪れたい所だった。

哲学の道がスタートする若王子橋まで行き、ついでに若王子神社に寄る。

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その境内から見上げると、背後の山が鮮やかなピンク色に染まっている。

桜花苑なる案内板に従い石段を登ると、陽光桜が植樹された園地に出た。

ちょうど強い西風が吹いて、昨日の雨に濡れた花弁が盛んに散っていた。

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昨日、桂川で見たのと同じ陽光桜。ソメイヨシノよりも開花が早いので

散り始めている。数名の方が散策されているが、とても静かでよい場所。

この日に見たサクラでは一番印象深くて、しばしボーっと見上げていた。

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落下した花で地上もピンク色に染まっている。予め知っていて訪れた訳

でないだけ感動的だった。植樹されてから年数が経っていない若木だが、

今後の成長が楽しみとも言える。生きていれば十年後に再訪してみたい。

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観光客の多い哲学の道に戻って北進する。家族は遠い昔に何度も来たと

いうが、こんなだったかなと言う。ハムももっと細い道だと思っていた。

個々の桜の木は樹勢が弱いが、疎水の流れと相まって景観を作っている。

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なるべく写さないようにしているが、かなりの人出がある。コロナ禍の

平日でさえこの様子では、平年の休日はどんな様子だろう。周囲は閑静

な住宅街だが、銀閣寺が近くなると、沿道に観光客相手の店等も現れる。

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やや人波に疲れたので家族お勧めの法然院に立ち寄ってみる。このお寺

も境内は開放されていて自由に参観できる。桜はないが苔が美しく静粛。

昭和28年に浄土真宗を離れ単立の宗教法人とか。独特の雰囲気がある。

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銀閣寺通に出ると疎水は西へ曲がる。背後には大文字山の火床が見えて

いる。白川通今出川の交差点を渡り、吉田山の麓までで桜並木は終わる。

そこで京大の石積みの塀に沿って南下すれば、吉田神社の駐車場に着く。

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前回に吉田神社に来ておきながら、本殿に参拝していなかったので再訪。

結婚式の前撮りをしているカップルがいらしたが哲学の道でも見ている。

その他にも同じ人を諸所で見たりする。見所が重なっているからだろう。

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吉田神社からは京大正門前に行くが、関係者以外立ち入り禁止の看板が

あったので入構は諦める。その代わり東大路に面した京大生協の食堂で

昼食を摂る。途中でビールを買って鴨川で一休み。家族はアイスモナカ。

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さらに西へ進んで京都御所。鴨川の河原もそうだったが御苑内も飲食を

規制するような表示はない。もっとも宴会をしている人は一組もいない。

御苑内にも桜の木はあるが、広大すぎて印象が非常に薄くなってしまう。

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御所からは麩屋町通りを南下して河原町通りへ。途中で初めて錦市場

寄ったが、観光客相手に立ち食いをさせるような店ばかりになっており、

京の台所という姿には程遠い。阪急電車で夙川に戻れば又満開の桜並木 。