今年は桜の開花が平年より大幅に早いという。京都に花見に行こうと
3月末に宿を予約していたが、急遽一週間も日程を早めた。週間予報
では晴れだったが、初日は朝から小雨模様。午後からは上がるらしい。
阪急電車で西京極駅へやってきた。ほぼ雨は止んでいる。駅の西側に
ある運動公園には、桜の木が数本しかなかった。それでも職員の方が
宴会禁止の看板を取り付けておられた。雨後の今日は閑散としている。
桂川に架かる西大橋を渡っていると奇妙な表示を見る。これは或る意
味、飛び込みスポットってサインになってないのかな。覗いてみても
十分な深さが有るようには思えない。欄干の形状が飛び込み易いかな。
西京極をスタートしたのはチファジャ上桂店に伺う為。今日も鶏豚の
食べ放題コース1100円。鶏肉も上手く焼けばふっくらと美味しい。
家族は副菜の筍や根菜類の味付けが気に入っている。ご馳走様でした。
西大橋を再び戻って、桂川左岸の河原を歩いて行く。嵐山まで4km
なので腹ごなしの散歩にはちょうど良いだろう。90分間食べ続けて
おなか一杯。河原には桜の木は見えず、さして期待せずスタートする。
ところが川の中州に桜並木が見る。下流側からは道も通じてなさそう
だったが、踏み跡を辿って中州に上がる。自然にできた土砂の堆積地
かと思ったら、左岸から流れ込む支流と本流との間にある堤防だった。
下流側を振り返る。場所が場所だけに完璧に並木にはなってないけど、
アングルを選べばそれなりに見える。日光が差せばもっと綺麗だろう。
近所らしき人がチラホラ見に来れられている。穴場と言ってよいかも。
ソメイヨシノより早く咲くピンクの陽光桜がまだ残っていた。因みに
この桜と明日も会えるとは思っていなかった。上流側は広い河川敷に
つながっており、散策は上流からから入り往復するのが普通のようだ。
松尾橋からは左岸側には桜の木はない。しばらく進んだが右岸の方が
歩きやすそうだったのでまた松尾橋まで戻ってきた。堤に咲く黄色い
花は菜の花よりも繊細なよう。帰って調べると西洋カラシナだという。
右岸側は河原が公園として整備されているが、桜の木は堤の上にある。
交通量は少ないものの自動車も通る狭い道が続く。道沿いにトイレも
有ったりして散歩には適当な所だ。500m程が長さがあるだろうか。
狭かった堤防上の道から桜の古木が林立する広場に下ると嵐山の一角。
西大橋を15時に出発して、今は16時28分。随分かかっているが
普通なら1時間弱の行程だろう。曇っていた空もようやく晴れてきた。
嵐山公園中之島地区に入れば観光客の姿も多い。レンタル着物で散策
する楽しみ方は本当に定着したよう。着物姿の若い女性が多い。さて
やや意外だったのが外国人観光客の姿が多いこと。在住の方だろうか。
「ワォ!ビューティフル」なんて声も聞こえるが、どの位の程度か分
からない。その昔、ユースホステルで点き難いガスコンロを着火させ
ただけで、そう言われた事がある。光の加減もあり絶景とは言えない。
渡月橋から左岸を上流に向かって歩いて行く。対岸の山腹に桜が見事。
観光客を縫うようにして追い抜いて行った宅配便のトラックが駐車し
ている。京都では寺社の境内でも一番見かける車両。二番はタクシー。
河原から一段上がれば嵐山公園亀山地区。ここの園地が人は少なくて
今日二つ目の穴場的な所。色んな種類の桜が植わっているけど一斉に
咲いたよう。花見に好まれそうだが、飲食を規制する看板はなかった。
17時を過ぎたので日も陰ってきたそろそろ帰ろう。一旦は渡月橋へ
戻ったが、嵐電の駅を素通りして天竜寺の境内に入る。庭園が有名と
の事だが、立派な伽藍を見るだけでも価値はある。通行は自由なよう。
これは宝厳院前の湯豆腐屋さんの外庭。向かいには羅漢像が沢山並び、
背後には濃いピンクの枝垂れ桜が美しい。特に予定も決めず無料の所
をブラブラ歩いていても観光できてしまう。それが京都街歩きの魅力。
京都府出身にして京都嫌いを自称していたのに、どうしたことだろう。
嵐電の駅に入るが切符売り場も改札も無くてウロウロ。料金は均一で
降車時に支払うのだそう。終点四条大宮まで乗車し寺町通の宿に向う。