鹿児島旅行最終日、20時30分発の飛行機なので丸一日行動できる。
なるべく空港に近い所で霧島山群の一峰を選んでみる。鹿児島中央駅
8時9分発の普通列車に乗り、隼人に乗り換えて栗野駅9時55分着。
跨線橋からも栗野岳の穏やかな山容が望めた。中腹に白い煙が見える。
栗野岳温泉の地獄から立ち上る蒸気だろう。これから乗るバスはその
辺りまで行くので、ガイド本のコースタイムも2時間半と余裕が有る。
湧水町のコミュニティバスは10時35分発なので、まだ時間がある。
駅の反対側にある丸池湧水に行ってみる。ブクブクと池の底から水が
湧き出ている。飲んでみると真っさらな味で、鉱物質は全く感じない。
路線3東回りバスに乗車する。運賃は200円。乗客が我々だけなの
は寂しいが、休日は観光路線と称して便数も増えるので需要はあるん
だろう。栗野岳展望台バス停で下車する。此処の標高は既に740m。
バス停から南へ200m進めば、日本一の枕木階段という園地に着く。
左561段、右555段、枕木に限定すればライバルはいそうにない。
歩いてみればすぐに頂上に着く。展望台があるので景色は確かに良い。
今日は時間的に余裕があるので、のんびりムード。まだ大して歩いて
ないが20分も休んでいた。南側に霧島アートの森という名の美術館。
北側に栗野岳温泉もあるので、観光地としての要素はまず備えている。
枕木階段の上に登山口があるが、山頂までの距離を見ると力が抜ける。
登山道は緩やかに斜上していく。本来の登山口はバス停の北側にあり、
しばらくで、そこからの道と合流する。下山してくるハイカーが二組。
明るい落葉樹の尾根を辿ると、P-1(1029m)とういう看板が
ある。このPってなんだろう。此処には標高点があるのでピークかな。
これから歩く栗野岳の主稜線が見えている。あくまで穏やかな山容だ。
P-2看板がある辺りは、狭い範囲だがモミジの群生地になっている。
此処は尾根の合流点だけど、ピークって感じではない。もしかすると
ポイント(地点)という意味なのか。最後まで分からずじまいだった。
展望の無い緩やかな尾根を辿ると、分岐があるので右に進めば見晴台。
霧島山群から桜島や錦江湾までパノラマが広がる。薄が刈られ広場は
多人数の休憩も可能だ。ちょうど家族連れが帰って二組いらしただけ。
何と言っても韓国岳が最初に目に入って来る。右手の意外に大きな塊
が大浪池の外輪山だろう。更に右に地熱発電所が白い煙を上げている。
写真では開放感が伝わらないが、この山で一番素晴らしい所だと思う。
分岐に戻り第二峰(1094m)を目指す。コースタイム15分だが
見晴台との比高差は25mに過ぎない。もはや山歩きの感じがしない。
其のうえ灌木が密生し展望皆無。やっと斜度が出て土留め階段を上る。
すると小広い草地に飛び出す。標高が25m高くなった分だけ韓国岳
が大きくなった。桜島方向が見えず視界は見晴台に比べるとやや狭い。
切り株の上でバランスをとっているだけで、シェーのポーズではない。
再び照葉樹の密生する登山道を辿る。どうにか黄葉を探して写したが、
標高の割に魅力に欠ける植生が続く。第二峰以降は誰とも出会わない。
枕木階段下の駐車場に車を停めて、ピストンする人が多いのだろうか。
栗野岳温泉への分岐を左に見て、直進するとしばらくで頂上に着いた。
樹林に囲まれて展望皆無。確かに2度目以降は此処まで来ないだろう。
北側に道が続いているが、下山後の交通手段を確保しろと看板がある。
来た道を10m程も戻れば、韓国岳展望所と名付けられた地点がある。
だが見晴台や第二峰の眺望を見た後では、今更な感じがして冴えない。
直ぐに下山に掛る。先の分岐に戻り西へ向かって直線的に下って行く。
昨夜の宿でテレビを見ていたら、鹿児島県では大木が温暖化が進んで
標高の高い所にしか残っていないと報道していた。巨木が多数見られ
たが朽ちかけている。そんな影響なのかなと思いながらも淡々と下る。
車道まで下ると14時24分。帰りのバスまでに一時間以上あるので、
温泉に入って行こう。北に歩けばすぐ一軒宿の南洲館に着く。入浴料
350円。何も言われず桜の湯に案内されたが、他に二種の湯がある。
とても良いお湯だったが、熱いのでそんなに長くは入っていられない。
外に出て涼んでいると15時41分バスが来た。帰りは栗野駅でなく
終点のいきいきセンターくりの郷まで乗る。此処も町営の温泉施設だ。
此処に南国交通の空港バスが通過する。ただ一時間ばかりの待ち時間。
近くのドラッグストアでGoTo地域共通クーポンを消費して過ごす。
鹿児島空港に17時37分着。カードラウンジで焼酎の試飲ができる。