この宮古島行きのチケットを買ったのは2月。その後に2度の欠航と
予約変更の末10月の旅行となった。ところがコロナの影響も一段落
したか、希望の宿も取れなかったし、昨日の飛行機もほぼ満席だった。
やっぱり天気が良くない。昨夜は雨が降っていたし、今朝は風が強い。
まず八千代バスの平良バス停に向かう。ところが見つからない。通り
かかった高校生に聞いて発見。始発なので反対車線に停車場があった。
平良を8時発。16分の乗車(310円)島尻入口バス停で下車して、
島尻港に向かう。家族が大きな荷物を背負っているのは、泳げるなら
シュノーケリングしようと道具一式持っているから。でも無理だろう。
サトウキビ畑の向こうに大神島が見える。風がかなり強く霞んでいる。
泳げるかどうかより、連絡船が欠航にならないかの方が心配だったり。
摩耶山のロープウェイなら運休だろう。島尻港までは23分掛かった。
でも港に着けば普通の様子。このぐらいの風じゃ全然大丈夫って事か。
往復切符(670円)を買おうとしたら検温を求められる。同じ離島
でも北海道の礼文島や利尻島に比べると、コロナ対策は徹底している。
定員30名の旅客船で、10月から3月まで一日4往復。島の人口は
22人なので、元より観光航路。この便の乗客17名も全て観光客だ。
海は白波が立つが、それほどは揺れない。大神島までは15分の航海。
9時20分大神島に到着。船着き場には小さなポストがあり、入島料
一人100円を入れる。乗客のほとんどは集落方向に歩いて行かれた。
すぐ遠見台に行っても混んでそうだし、先にノッチ(奇岩)に行こう。
島の西岸沿いに道がノッチまで付いている。かつて一周道路を計画が
あったけど、工事中に事故や病人が相次いだので中止となったという。
島内のほとんどが聖域とされ、島民以外の立ち入りが禁じられている。
潮の干満を調べずに来たら、ちょうど満潮の時刻だった。潮に削られ
キノコ型になった奇岩だが、茎の部分が海水に隠れ今一つの奇岩ぶり。
少し残念だけど海の迫力は感じられて、奇観である事に間違いはない。
真意は明らかでないが、道路の先端がシュノーケリング・ポイントと
いうネット情報もあったが、波が荒くてとても海に入れる様子でない。
後で島の南側を見て回ったが、今日の天候で泳げそうな所はなかった。
道路と島の間がプールになっているが、海の波が荒いので濁っている。
珊瑚や魚を見る事は期待できないが、透明なら泳ぐのも悪くなさそう。
時刻は9時47分。そろそろ港に戻って本来の目的の遠見台に登ろう。
港に戻り少し西側に行くと遠見台に続く道がある。この道が大神島の
メインストリート。昔は小中学校。今は一軒の食堂とコミュニティセ
ンターがあり住宅が点在する。思っていたより急な坂道が続いている。
中腹に住宅が集まり、分岐もあるが道標が遠見台へいざなってくれる。
大神島の民家にはシーサーがなくて、スイジガイ(水字貝)が置いて
ある。本州でも水の文字が、家屋や倉に書かれているのと同じだろう。
昔の井戸(カー)の所に、遠見台に入るについての注意書きがあった。
遠見台の岩は神様の岩です。昇ってはいけません。は勿論のことだが、
祭祀の期間は立ち入りが禁止されます。というのが、悩みの種だった。
9月下旬に問合せると10月の予定はまだ決まっていないとのことで、
前日に聞くと恐らく大丈夫、という事だった。祭祀は直前にオバァが
決めるんだそうな。1980年に海底送水が開始されて出来たタンク。
バナナ畑があった。十数株もあったので観賞用ではなく食用だと思う。
実の下にブラ下がっているのが、花が咲き終わりで、もうすぐ落ちる。
初めて見るけど、このバナナの花も東南アジアでは食べているらしい。
バナナ畑からは木製階段が始まった。そこそこの傾斜がある。何だか
韓国の山を思い出す。周囲の植生はそれほどには南国っぽくないかも。
山頂には拝所である大岩があって、その先に展望台が設けられていた。
南向きは逆光となってしまうが、標高75mとはいえ四方を見晴らす
大展望。僅かに拝所の岩に樹木が茂っているが、ほぼ360度の視界。
16世紀の頃、薩摩藩の要請により設けられた先島諸島火番盛の一つ。
眼下に港湾施設と集落。左側に見えるのが多目的広場。岩が半円形に
並んでプールになっているようだけど、あそこで泳げないだろうかな。
遠見台(とぅんぱら)が第一の目的だったので、無事上れてよかった。
相変わらず風は強いが波は多少おさまってきたよう。このまま晴れろ。
北側にもピークがあり双耳峰の形状をしている。上の写真は北の方向。
西の方向には、西平安名崎の風力発電機や、池間島大橋が見えている。
上りでは気が付かなかったが木製階段から、西側の眺めがとても良い。
時刻は10時25分。帰りの船は11時か14時なんだけど、14時
だとバスの連絡が悪い。泳げないなら11時の船で帰ってしまおうか。
多目的広場まで行ってみたけど、この前の海も濁っていて泳げそうに
ない。此処からでも、山頂の展望台が見えている。因みに宮古島には
野原岳(105m)という山はあるが、道はなく登られていないよう。
島唯一の食堂。島には飲料の自販機もないので、此方でお茶を買った。
食事する人達や、ガイドツアー(一人2500円)から帰ってきた人
など、一緒に船に乗って来た観光客は、ほとんど此処に集まっていた。
数名を残して行きの船に乗った客は11時の便で帰る。波はずいぶん
穏やかになっている。少し離れてから見ると遠見台も立派な独立峰に
見えなくもない。島尻港までの間に郵便集配員の小舟に追い越される。
島尻港に到着。ずらりと駐車しているのは観光客のレンタカーばかり。
次の便の乗船待ちの人も多い。バスに乗ったのは我々二人だけ。来た
時とは違う西海岸沿いの道を通り、平良バス停(310円)へ戻った。
今日出会った動物。大神島の犬。島には猫が数匹いるが犬は一頭だけ。
船着き場でワンワンと鳴き、尾を振って観光客をお出迎え。その後は
電動カートに乗ってゴミ収集のお手伝い。疲れたのか日陰でお休み中。