せっかく福島市に泊まったのだから、福島県内の山にも登りたかった。
だが今日は仙台市内に泊まる予定なので、日帰りできる適当な山が見
当たらなくて、宮城県の白石駅からバスで行ける低山に行く事にした。
余裕を見て利用するバスの50分前に白石駅に到着。それだけ時間が
あれば白石城位は観光できたが、何となく不安でバス停で待ち続けた。
それは或る意味的中したのかも。8時29分、七ヶ宿町営バスに乗車。
今まで乗ったバスの中でも際立ってハードボイルド。初めて乗る方は
運転手に行き先を言って下さい。という貼紙に気づいた時は遅かった。
途中の乗降客もないので、話しかける機会もないままダム公園を通過。
傾城森の入口でと頼むが、国道では停めれないという事で少し手前で
降ろして貰う。全線200円。ガイド本には自由乗降区間とあったが、
今は違うのかも。町民の為のバスなので利用させて貰うだけで有難い。
傾城森(440m)と山伏森(390m)という二つの岩山に遊歩道が設け
てある。蔵王も西吾妻もロープウエイを使って、後は緩やかな歩きだ
ったので、いきなりの土留め階段が急峻に思え、息が上がってしまう。
爽やかな落葉樹の森だが今日はやけに蒸し暑い。まず山伏森への分岐
が現れる。後で戻って来るので見送り傾城森へ進む。吊り橋の標高が
既に300mあるので、比高差は140m足らず。20分で着くはず。
ダム湖側へ下る道を分けると、鳥居をくぐって最後の急坂。10時半
に山頂に着く。吊り橋から23分掛っている。三角点は416.7m
だが、ガイド本には440m。案内板には446mとの記載があった。
実際は三角点がある位置が最高所に思えたので疑惑の標高だ。北側へ
進むと崖上の展望所があって七ヶ宿町の市街が良く見える。此処にも
鳥居があるので、低山だけど山体自体が信仰の対象となっているよう。
北東にひと際高い山が見えている。蔵王山系の一峰、御前岳だろうか。
だとすれば手前の蛤山の裏に、一昨日歩いた熊野岳が見えるはずだが
雲が低くて隠れているのかもしれない。連日の曇り空で冴えない旅行。
元の道を分岐まで戻って、今度は山伏森に向かう。低山だが岩が崩れ
岩塊流の様相を呈しているのは凄味がある。ところで山名に森と付く
が、高知県でも森という山が多い。両者に何か関係があるのだろうか。
傾城森は京都祇園の名妓という伝説だが、相手の山伏の方が赤い鳥居
というのも理由があるのかも。山頂の小さな鳥居も赤く塗られていた。
鳥居から5分と掛からず山頂に着く。樹林が多く展望は傾城森に劣る。
ただ東側にダムの堰止湖である七ヶ宿湖が僅かに見える。広い公園が
整備され道の駅もある。さて今日のハイクは一応終り。もう少し歩き
がいがあるかなと思っていたが、比高差140mならこんなものかな。
さて元の道を戻ろうとすると、傾城森が意外に高く見える。あんな山
登ったかなって家族がつぶやく。彼我の差は20m位だが、登った方
より急峻な側面を見ているせいか。国道から矢立を通って公園へ行く。
白石駅に戻る町営バスの時刻まで、2時間近くあるので道の駅で時間
を潰そう。まず土産物店で目を引いた郷土料理の「しそ巻き」を買う。
その他は果物類が安かったんだけど、ミニトマト一袋だけで我慢する。
嬉しい事に食堂のメニューに温麺(うーめん)があった。白石市内で
是非食べたかった名物だけど、JRの乗換時間は短いので諦めていた。
ところで心配がある。公園の周辺に町営バスの停留所が見当たらない。
役場の時刻表には、七ヶ宿ダム公園に停留所は有る。だが不安なので
さっき見かけた矢立バス停へ戻りバスを待つ。車内でもバス停の表示
やアナウンスはない。この日は仙台市の秋保温泉に宿を予約している。
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