摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

利尻・礼文の旅 三日目・・・桃岩展望台コース

この日は礼文島に渡る。だが12時15分発の一日一便しかないので、

ゆっくり撤収しキャンプ場を出る。途中セイコーマートのイートイン

で朝食を食べたりもする。漁協のストアでは秋刀魚の糠漬けを買った。

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フェリーターミナルでも1時間待った。まだ新しく広々とした建物で

観光案内所や食堂なども入っている。船の大きさの割に乗客は少なく、

コロナ対策で2等指定席が開放されていて、随分ゆったりした船旅だ。

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礼文島までは45分の航海。手前に見えるのが一昨日歩いたペシ岬の

断崖。鴛泊市街の背後には、ポン山が見えている。周回路があるので

日程に余裕があれば歩きたいな。肝心要の利尻山は残念ながら雲の中。

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13時、礼文島香深に着岸。礼文島に来るのはハムは2度目で、家族

は3度目。家族は最初に来た時、有名食堂にウニ丼を食べに入ったら、

開口一番「ウチのは缶詰やで~」と告げられたという思い出話をする。

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フェリーターミナルのロッカーに荷物を預けて、桃岩展望台コースを

歩きに行く。16時50分のバスに乗りたいので、知床まで歩き通さ

ず適当な所まで戻って来るつもり。住宅街の急な坂道を上がって行く。

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11日に降った豪雨で、トレッキングコースの一部が閉鎖されている。

桃岩への道は車両通行止め、徒歩のみ通行可となっていた。ちょうど

ご夫婦のハイカーが下って来られた。知床から歩いて来られたそうだ。

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「まだ花は残ってますよ。」と言って頂き歩き始める。路肩が一か所

陥没している。退屈な車道歩きをこなしていると、我々を先導するか

の如く歩いて行く鳥がいる。どうやらオオセグロカモメの幼鳥らしい。

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小雨がパラついたりして空は段々暗くなる。青いシートが掛けられて

いる所は土砂崩れ現場だろうか。左端に見えているラインは歩道だが

現在は通行止となっている。此処から見る桃岩がそれらしいなと思う。

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車道から桃岩展望台への近道に入る。右手の稜線に一組の人影を見る。

高山植物の調査をされている方達だった。背の高いのはエゾニュウか

エゾノヨロイグサだろうか。既に枯れているけど風景を支配している。

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展望台から見る桃岩はあまり桃に似ていない。鴛泊のセイコーマート

で買ったトマトを食べて休憩。これが美味しくて後日もう一度買った。

14時15分、後45分歩き戻って来よう。元地灯台まで行けるかな。

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全般に枯れた花が多い。前回来た時は6月末だったので最盛期だった。

記憶はわずかに残っている。その頃に比べても歩道は広がらず、植生

はよく守られていると思う。多くの観光客が訪れると思うが道は細い。

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桃岩展望台から南西に進んでいくと、咲いている花が集まっている所

がある。紫色の花はツリガネニンジンだろうか。その他エゾリンドウ

とか、リシリブシとかいう、よく似た花が多いので同定は出来てない。

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利尻山は雲に覆われたまま、が見えているだけでも良し。翌日はガス

って何も見えなかったと、隣のテントの人がボヤいていた。トレイル

は標高230m前後の稜線に緩やかに続いて、遮るもののない大展望。

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ハムが気に入ったのはイブキトラノオ。白い花穂が風に揺れる様子が

良い。写真には撮りにくい。時間が気になるので風が止むのも待って

はいられず先を急ぐ。さて此処から先はいったん鞍部まで下って行く。

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その鞍部が礼文島固有種のレブンキンバイの群生地という。6~7月

には黄色い花畑になるというが、今は全て終わっていて暗緑色の草原

だった。ハムは先を急ぐが、家族は残って足元を何やら観察している。

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14時50分、ユースホステルの桃岩荘を見下ろす通称つばめ山まで

来た。ちょうど観光客を連れた男性が来られて、風景を詳しく説明さ

れる。横で聞いていたらハムとも話して下さる。来島して50年とか。

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この先は花も少ないので、香深から来たなら引き返した方が良いとも

言って頂く。時間的にも限界なので元地灯台に行くのは諦めて帰ろう。

遅れてきた家族がキンバイの谷で、ウスユキソウを幾株も見たと言う。

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家族はスイスで、これがエーデルワイスだと言われ、から想像して

いた印象との違いに驚いた経験があって、他所でもこの花を良く見つ

ける。本来は6~7月が花期、群生地は別の所なので見れたのは幸運。

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帰りは同じ道なので急ぎ足で下る。この日出会ったハイカーは調査の

人達を含めても7名。車道歩きも車が通らないので苦にならなかった。

16時半にはフェリーターミナルに到着。荷物を回収してバスを待つ。

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自由乗降区間なので、緑ヶ丘キャンプ場に一番近い辻で降ろして貰う。

キャンプ場受付で「ここは初めて?」と聞かれたので、30年前に一

度と答えたら、「だったら覚えてるでしょう。」とあっさり返される。

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基本的に変わってないらしい。奥に細長い地形と炊事棟の様子、半ば

定住し此処からバイトに通う人達の事しか覚えていない。家に帰って

から写真帳を見ると、4番のウッドデッキに同じテントを張っていた。

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