一夜明けた8月18日。どこか他所へ行けばよいのだが思いつかない。
それに正面から歩かなければ、若草山に登ったと言えないような気が
する。暑くなる前に歩きたいが、ゲートは9時にならないと開かない。
昨日の疲れか宿でグズグズしていた。それに加え途中で奈良県物産の
売店で、卵かけご飯の朝食を摂ったりしていたので、春日大社の参道
まで来たのは10時になっていた。それにしても広く長い参道だこと。
不信心なハムだが一応は参拝しておこう。既に観光客が数組いらした。
東大寺や興福寺が旧跡然とした雰囲気に対して、春日大社は中々商売
熱心な感じがする。最初に目に飛び込んだ文字は結婚式の申込み所だ。
参道の長さに比べると、社殿は比較的小規模なようにも思う。境内を
北に抜けていけば若草山に至る。この辺りでは観光客の姿はまだ無い
が廃業してしまった店も少ない。古くてもそれなりに商売されている。
京都に比べ地味だが、観光客への依存度は奈良市の方が遥かに高いと
思われる。新型コロナウィルスによる緊急事態宣言下でも奈良県知事
が、県外からの観光客に自粛要請しなかったのはそんな理由だろうか。
南ゲートで入園料150円を払い入場する。日本の山で入山料を徴す
所はまだ少ないが、韓国の山で登山口の仏教寺院には散々払っている。
300円までなら気分的にも耐性がある。それにしても誰一人いない。
一重目まで石段が続く。若草山は三段になっていて、一重目で南北の
ゲートからの道が合する。鹿は背の届く範囲は全て食べる。此の草木
は何か鹿が嫌う成分を持っているのだろう。日陰が無くて強烈に暑い。
たっぷり汗をかいて一重目に到着。普通の観光なら此処までで十分だ。
今日は二人で3リットルの水分を持ってきたが。早や1リットル近く
消費している。好展望だが昨夕見た風景なので、さしたる感動もない。
若草山は丸い草山だと思い込んでいたが、一重目からは尾根がうねる。
何だかスキー場の尾根コースのよう。雪が10センチでも積もったら
滑走できそうだが怒られるだろうな。二重目は印象が薄く行き過ぎる。
11時50分、三重目に到着。しばらく休んでいたら春日大社の横で
すれ違った高齢者グループが駐車場から歩いて来られた。原始林の遊
歩道を登って来られたのだろうが早い。というか我々が遅速に過ぎる。
三重目のベンチでうとうとしていた。気が付くと30分も経っている。
そろそろ帰ろう。一重目まで同じ道を戻る。三重目下に料金所があり
入場券を見せ再入場。北ゲートは13時からの一時間閉鎖するという。
一重目で南ゲートからの道と分かれる。眼下に大仏殿が大きく見える。
右下が二月堂だろうか。この先は樹林の道となって、しばらくは展望
が効かない。これだけの暑さだと北ゲートからの方が登りやすいかも。
樹林を抜けると北ゲートは近い。イメージ的にはこんな芝地に遠足の
子供達や鹿が沢山いると思っていたが、この暑さでは誰一人もいない。
東大寺や興福寺の境内には、観光客の姿はあるので単に季節的要因か。
12時44分に北ゲートから退出する。以上で奈良観光旅行は終りだ。
近鉄奈良駅のホームで尼崎行きの電光掲示を見る。相互乗り入れして
いるから当然なんだけど、なんだか変な感じ。土産物も買わずに帰る。