8月17日、この日は生駒山を越えて奈良県に入った。近鉄奈良駅に
到着したのは11時過ぎ。駅に降りたとたん数組の観光客を見かける。
思った以上に観光都市。奈良公園に来るのは小学校の修学旅行以来だ。
駅前の広場にあるのは行基像だそうで、色々いわく因縁があるらしい。
背後にあるローソンに入ってみると品揃えが、阪神地域のそれと違う。
どうも利益率の高い商品しか置いてないよう。それも観光地だからか。
奈良県庁に向かう。6階の食堂で昼食を摂りたい。観光客も利用可能。
でも12時を過ぎると職員で一杯になる。その時間帯は外したかった。
日替わり(カツ)定食が550円。興福寺の五重塔を眺め乍ら頂ける。
食後は県庁屋上テラスへ行こう。高い建物のない奈良市内を360度
見渡せる。東大寺・若草山・興福寺が近い。ちなみに東隣にあるのが、
話題の奈良公園バスターミナル。閑散としていて休憩するによいかも。
夕方から若草山に登る予定だが、宿のチェックインは15時からだし、
それまでは暑いけど奈良公園を散策しよう。鹿も日陰で休む程の気温。
なぜ鹿達は売物の煎餅に手を出さないのか。しばらく観察してみよう。
売店と鹿は「Win-Win」な関係。鹿がいないと煎餅は売れないし、又
売店の近くにいてこそ煎餅にありつける。どうも売り子は煎餅以外の
餌を与えて鹿を集めている様子。ねだる鹿には棒で叩いて叱っている。
つまり全ての鹿が躾けられている訳でなく、特定の契約関係にある鹿
が売店の周囲にいるんじゃないかな。これは数分間の観察した感想に
すぎない。間違っていたら教えて下さい。東大寺の大仏殿を見に行く。
壮麗な大仏殿を見て思い出したのが、北京の故宮(紫禁城)。構図が
似ている。故宮は実際に行ってみるとさほど大きくない。現存するの
は約72h。東大寺を含めた奈良公園は660h(ヘクタール)ある。
その大きさを実感したのはこの後。いったんJR奈良駅前の宿に入り
休憩して17時前に再出発。ところが春日大社の二の鳥居まで来たの
が18時近くになった。予定よりも大幅に遅い時間になってしまった。
南側の春日山遊歩道を歩くつもりだったが、夕日に間に合わないだろ
うと北側をピストンに予定変更。いわゆる若草山はゲートがあり9時
から17時までの開園なので、裏から回って山頂を目指すという計画。
車道が山頂まで通じ駐車場もあって、車なら夜景観覧も容易に出来る。
徒歩でも簡単な方法があったけど、この時はまだ気づいていなかった。
遊歩道という名前だけど、ずっと幅広い林道がつづいてやや味気ない。
春日山原始林として保護されているので期待して来たが、大木が散見
される程度で、特に植生に興味を魅かれる点はない。というのは幅広
い林道を歩いているせいかも。距離の長い南側の遊歩道も同様だろう。
18時28分、山頂近くの春日奥山道路に出る。春日大社から40分
だったが体感的にはもっと長く感じた。交番所は奈良公園の保安職員
詰めている所で3か所ある。それほど大事にされている公園という事。
自販機やトイレのある駐車場からは街灯が点いていた。奈良公園内は
何処でもそうだが、終日清掃の人が見まわっていて、ゴミが落ちてい
ない。鹿の糞も当日分ぐらいしかないようだけど回収されてるのかな。
18時35分、若草山の三重目に到着。どうにか落日に間に合ったが、
みるみる沈んでいき数分後には山陰に消えた。背後に小高い所がある
ので本当の頂上は其方になろうが、奈良市内の景色は此処の方が良い。
流石に涼しい風が吹き抜ける。日中は木陰にいた鹿も夕涼みしている。
いつも摩耶山から望む生駒山系を反対側から見ている訳で、なんだか
変な感じがすると家族は言う。雲が無ければ摩耶山も見えるのかな?。
山頂まで上がると360度の展望。とくに北側の京都方面の眺め良い。
三重目の展望同定板には、廃園となった奈良ドリームランドの名前が
刻まれていた。手前の光の列はJR関西本線に沿った国道163号線。
17時過ぎまで粘っていたが空はまだ明るい。ところで後で知ったの
だが、若草山には退出専用のゲートがあり、17時までに入場してい
れば園内で夜景を見る事は可能。日暮れの早い季節ならその方が楽だ。
真っ暗な遊歩道をライト頼りに下り、JR奈良駅まで戻ってきたのは
21時過ぎだった。旧駅舎は奈良市の観光案内所となっている。左に
見えるのが今夜の宿。2名一室GoToトラベル適用で3000円弱。