近畿地方は6月10日に梅雨入りが発表され、13日には44mmと
まとまった雨が降った。中二日開けて16日。沢の水量も落ち着いて
ちょうど良い具合かと思われる。先週失敗した西谷へ又行ってみよう。
早朝は曇っていたが、16系統市バスで六甲ケーブル下に着く頃には
青空が見えてきた。弁天滝も二条になっていて水量は期待できそうだ。
ドライブウェイ沿いのアジサイ達は、花は開いているものの色が薄い。
いつも通り山田堰堤上で河原に下る。水量はまずまずだが濁っている。
13日の雨量では通常こんな事にはならない。上流で土砂崩れが起き
ているか、工事で法面を掘り返しているか。おそらく後者と思われる。
これだけ濁っていると小滝もその上流の滑床も、魅力的とは言えない。
一番楽な所を選んで、さっさと通過してしまおう。家族には今日もメ
ットを被ってもらうが、先週よりは慣れた足取りで歩けていると思う。
山羊戸渡のとりつきを右に見て西谷に入る。幸いに西谷の水は澄んで
いた。気分までも清々しくなる。さて今回は嫌いな治山ダムの写真も
全部掲載する。記憶に頼っていたが、しばらく来ないと忘れてしまう。
出合からすぐ一基目の治山ダムがある。家族はずいぶん手前から巻き
上がろうとしているが、普通はダム手前で左岸に取り付く。或いは山
羊戸渡の道を少し上って、天端へトラバースする人も多いようである。
最初の小滝は盛夏なら水心を登りたいが、まごまごしていると下半身
ずぶ濡れになる。新しく買ったスマホを濡らしたくないので、家族に
続いて左岸を巻く。沢靴のフリクションを確かめるには良い所だろう。
続いて優美な5m滝。家族は無理と嫌がるが、西谷で此処を巻くと沢
足袋を履いている意味がない。写真を撮るから登る格好だけしてと頼
む。滝下まで行くと容易なのが分かったのか、そのまま登って行った。
続いて現れる斜瀑の方がフェルト底のフリクションを多用する。岩の
色が黒い所は特に滑り易い。ごく短いが数少ない見所。というか沢歩
き気分が味わえる所。巻道は5m滝横から右岸を辿り斜瀑の上に出る。
水量があるので常なら滝とは思えない場所も、それなりに見えている。
上空はすっかり晴れているのだろう。深い谷底まで明るい日差しが差
し込んでいる。コントラストが大きすぎて写真が上手く撮れていない。
二基目の治山ダムに突き当たる。此処も左岸を巻き上がる。写真には
残していないが、ダムの上では相当区間の退屈な堆積地の河原歩きを
こなしている。今まで最後まで詰めようと思わなかった理由の一つだ。
二俣を過ぎて本流には6m滝がかかる。今日は家族に続いて苔の生え
た階段状を小さく巻く。二俣から右岸を大きく巻く踏跡もある。過去
に水心の直登を試みたこともあるが、外傾気味で我々には難しかった。
三基目の治山ダムも左岸を越える。10m程手前から踏跡が巻き上る。
滝の高さも距離数も全て適当。備忘録なので自分が感じた比高や距離
で十分だろう。そういういい加減さが、しばしば誤りを生み道を失う。
谷幅一杯の小滝。これを滝と呼ぶかどうかも異論はあるだろう。水量
があっても魅力的ではない。この滝を含めても西谷には四つ五つしか
滝はない。又どれも容易に巻ける。ゴム底靴で遡行する人も多いよう。
四基目の治山ダム。右岸から支沢が流れ込む。辿って行けば長峰山の
肩に着く。西谷の中では過去一番多く歩いている。此の沢にいったん
入って右岸の巻道にとりつく。最初の部分が崩れているので分り難い。
そして又二俣がある。先週は右俣に気づかず、そのまま左俣に入って
行った。考えうる原因としては、左俣にある五基目の治山ダムが先に
目に入り吸い寄せられてしまったか。よく見れば右俣の方が若干広い。
右俣にも五基目の治山ダムがある。手前に飯場小屋が有ったのだろう
平削地があり、一升瓶が打ち捨てられている。右岸の堰堤際に古いワ
イヤーが垂れている。グズグズの土砂に足を取られながら乗り越える。
続いて六基目の治山ダム。多分最後だと思う。それにしても多すぎる。
此処は左岸から越える。過去記事を検索すると、5年前に山羊戸渡の
稜線から此の付近に下り、それ以降は先週と同じコースを辿っている。
六基目の治山ダムを越えると河原の真ん中に土砂が積みあがっている
所があり、多分その辺に下り着いたかと思うが定かでない。山抜けし
ていて景色も変わっている。両岸が狭まると此の先は初めて歩く箇所。
明るい所があったので小休止する。水分を補給しておこう。此処も又
一昨年の台風21号の爪痕であろうか。此の先に苔むした階段状の小
滝がある。滝上は岩盤が露出した川床が続き、僅かながら水流もある。
また二俣があった。改めて写真を見ると直進する右俣が本流に見える。
しかし家族は左俣が良いという。一応右俣の様子を見に行くと、すぐ
ゴーロとなり樹木が行く手を塞いでいる。やや右俣の方が水量が多い。
一方の左俣は岩盤が露出し堆砂もない。とても気持ち良く歩けそうだ。
家族が此方に進みたいと言ったのも無理からぬ事である。すでに稜線
は近いのだろう。周囲の木々も背が低く明るい日差しに包まれている。
しばらくで傾斜が上がる。直上できると思ったが、何故か家族は谷筋
を離れて右の斜面へ斜上して行く。後を追うとウンゼンツツジの木が
あり、それを避ける為右上してしまったよう。その先が見えていない。
谷へ戻れないかと聞くが、無理だと返してくる。確かに木も生えてい
ないズルズルした急斜面だ。そのまま尾根筋を辿った方が良いだろう。
ハムは谷筋を詰める。やや傾斜は落ちるが岩が脆くなり気は抜けない。
右上にいる家族とコールし合いながら上がって行く。後で聞くと尾根
も不安定だったようなので、どちらの選択が安全だったか分からない。
最後は傾斜が緩んで土砂の斜面となる。すぐそこに稜線が見えていた。
稜線の道に出ても本流遡行達成を信じていた。つまり市立自然の家の
裏手に出たと。が先行した家族が立っている所は、杣谷峠への分岐点。
天狗塚から杣谷峠間に出たという点で、先週と何ら変わらない結末だ。
又来ればい良いじゃない。と家族は屈託がない。まあそれはその通り。
最後の登りが久しぶりに気持ち良くて、今日の失敗を補って余りある。
GPSを使って右俣に進んでいたら、好ルートを一つ知らないままだ。
杣谷峠からドライブウェイを歩いて掬星台へ行く。ロープウェイには
乗れないけれども、日陰のベンチで昼食にしたい。路傍のウツギの花。
火曜日だけどハイカーはそこそこいる。久しぶりに団体の人達を見る。
掬星台のベンチも概ね埋まっていた。休憩舎前の円形ベンチに座って
昼食にしよう。近所のスーパーでソーセージが安かったから、今日は
ホットドック。それだけでは何なのでチリ・ビーンズを家族が作った。
刑事コロンボの好物なので知って、我が家でも作るようになった。と
こんな事言って分かるのは何歳以上だろう。少し辛過ぎたのでチーズ
も溶かし込んだ。ビールに合うしまずまず。パンが美味しければ満点。
下山は上野道を使う。膝が痛いとか、片足でバランスがとれないとか
言うのに、高い所があれば登りたがる人。下山した後は、例のごとく
水道筋商店街で野菜を大量購入して帰る。今日の歩数は27030歩。