昨夜は丸亀市綾歌町のチェーンホテルに泊まった。クーポンが有った
ので一泊二食付きで5500円/人とまずまず。送迎バスでは遅くな
ると、ことでん栗熊駅まで歩くが40分以上掛かって一本乗り逃がす。
一時間二本のダイヤ。30分待ち高松築港行きに乗車。ヘッドマーク
は金毘羅宮のもの。金の古字かと思いきや、家に帰って調べると昭和
40年頃に人長平丸の四字を組合わせて作ったシンボルマークらしい。
片町駅で長尾線に乗換え白山駅で下車すると、東讃富士(白山)への
道標が有った。見やれば山はすぐそこ。計画には無いが寄って行こう。
標高も50mぐらいの小山に見えた。ちなみに白山の発音はシラヤマ。
駅から徒歩2分で白山神社の参道。此処はまだ車道で奥の駐車場から
大きなベンツ車が降りてきて驚く。参拝客はチラホラといった感じで
静かな境内。桜は満開から散り始めぐらいか、花弁が積もりつつある。
すぐまた石造りの立派な鳥居がある。石段を上がれば正に桜トンネル。
家族によると、右奥にある駐車場を囲む桜が素晴らしかったそうだが、
本来の予定に無い所なので、先を急いでしまったことが若干の心残り。
本殿の奥から延びる遊歩道を歩いて行こう。桜の木で縁取られた道は
気持ちが良い。今回も、山と渓谷社の分県登山ガイドを参考にしたが、
この山は紹介されていなかった。でも三木町のサイトでは一押しの山。
舗装された遊歩道の斜度が段々上がってきた。駅前から見た目以上に
標高がありそう。三々五々下山してくる人もいる。軽装で散歩という
感じの方が多かった。近所にこんな山が有ったら、毎日でも歩きたい。
ひとしきり登って六合目の札を見る。この時はずいぶん歩いたように
思っていたが後で確かめると、白山駅に降り立ってから15分しか経
っていない。見所が多いので時間の経過を長く感じたのかもしれない。
さらに5分程で頂上直下の丸木階段。山らしさを感じたのはこの部分
だけかも。右側はごつごつした岩場になっていて、こちらを歩いても
よいだろう。何合目なんて標識は富士山や羊蹄山みたいで何かビビる。
山頂は南北に細長い平坦地。山名標識によると標高は203mもある。
思ったより登りがいが有った訳だ。石造りの鳥居と小さなお社がある。
三木町のサイトによると龍王神社で、白山神社の奥の院ではないよう。
頂上北側に展望台が設けられていた。さぬき市から高松市にかけての
平野の眺めが良い。左手に険しい五剣山がひときわ目立つが、寺領で
登山は禁じられている。二羽のカラスが上昇気流に乗って優雅に舞う。
山頂からは約15分で白山神社の境内まで下って来た。名残惜しくて
振り返るがやっぱり低いな。仮に此処の標高が50mとしても比高差
150mあるようには見えない。石段には両手で掬えるほどの花びら。
白山神社から南へ、2kmほど歩いた所にあるうどん店。次の嶽山へ
行く途中にあって好都合。此処も広い駐車場があり正午前にもかかわ
らず、注文するにも行列が出来ていた。繁盛店なのは間違いないよう。
二人とも冷かけ240円を注文。既に茹でてあった麺を冷水に通して
供される。麺は太く噛み応えはあるが、角が落ちている感じだ。甘い
アゲや蒲鉾が乗っているが無い方が良い。追加した天かすは味が薄い。
食事を終えて歩きながら家族に、昨日の麺太郎が10点とすると何点
と聞くと、即座に6点と帰ってきた。ちょっときびしい。ハムはボリ
ュームがあった点を評価をして8点かな。目指す嶽山が近づいてきた。
香川用水沿いの嶽山登山口。分県登山ガイドは、ことでん学園通り駅
からコミュニティバス利用と案内されているが、白山駅から3km弱
なので歩く方が現実的。舗装路を歩いていくと350mで山道となる。
暗い照葉樹の森を進んで行くとツツジが咲いている。昨日から気付い
ていたが香川県の低山では、薄紫のミツバツツジと朱色のヤマツツジ
が同時に咲いている。摩耶山では一か月近くヤマツツジの花期は遅い。
照葉樹の森も長くは続かずザレた岩尾根となる。振り返ると真北に先
ほど登った白山が見える。晴れは晴れなんだけど視界はぼんやりして
いる。登山口から此処までは約15分。この山も標高は200mほど。
南側を目指しているので、写真は全て逆光になってしまう。目視では
前方の岩場に設けられた鎖がキラキラと光って良く見える。ここから
頂上までは一直線の道だ。ガイド本を読んで楽しみにしていた所だが。
何しろ標高が低いのであっと言う間に終わる。遠目に見るより斜度も
緩いし、ごつごつしていて歩き易い。鎖が無ければ面白いだろうけど、
山頂の神社への参道だから付けてあるので、ハイカー向けでなかろう。
頂上の一角に登り着くと、石造りの鳥居がある。通り抜けて振り返る。
観音寺の高屋神社と対抗して、此方も天空の鳥居だと言い張る向きが
あるが、標高低く鳥居の大きさも半分位。インパクトに欠けるだろう。
嶽山は南北の双耳峰。三角点は北峰にあるが祠は南峰の方が立派だし、
目視では標高も若干高いように見える。頂上に出てから風が相当強い。
体重軽い家族は、飛ばされそうになり乍らザレた岩尾根を進んでいる。
ガイド本では登路をピストンするように案内するが、それでは面白く
ないし、行きたいのは南東にある運動公園。現地に来れば判るだろう
と思っていたが、足元は切れ落ちているし樹木が多くて判然としない。
そこで南西の岩尾根を下ってみる事にした。帰ってから調べてみると
鳥居のある北峰から東側に下る道もあるようだ。現地では碌に踏跡を
探すこともせず、地形図を確認することもしていない。反省すべき点。
西側の景色が標高200mの低山とは思えないほど見事だ。針葉樹と
岩尾根の風景はアルペン的でもある。ため池さえも山上の湖水のよう
に見える。ただし猛烈に風がキツイので、ゆっくり眺めていられない。
今まで見た事のない岩質だがフリクションはとてもよい。家族は腰を
落としているが、ハムは普通に歩いて降りてきた。この付近から樹木
に最近の枝打ちの跡を見るようになった。僅かだが踏跡らしきもある。
鞍部手前から下って来た尾根を見上げる。上部より白く風化した所が
滑りやすく怖かった。尾根は西へ続くが鞍部からやみくもに南へ下る。
枝打ちの跡も踏跡なくなる。ここでもう少し考える必要があったろう。
下り着いたのは産廃処理場。申し訳ないと思いつつも時間もないので
通してもらった。南峰から南東に延びる尾根には、途中まで破線があ
るし、そちらを探すなりの方法があったのではないかと反省している。
目標は三木町総合運動公園だったが、桜が綺麗なので此方に誘われる。
実際には外周道路であって、公園から離れてしまう。それでも遊歩道
らしきを見つけ入ってみると、太古の森という園地に出る事が出来た。
メタセコイアを発見し命名した町内出身の三木博士を記念して作られ
た公園。それで恐竜のモニュメントがあるのかな。とりあえず乗って
みる家族。現在地が分かったので安心。西側へ進めば山大寺池がある。
ガイド本に浮橋を渡ると記してあったが、思ったより大掛かりなもの。
橋上にベンチまである。此処からの嶽山の写真を見て来たくなったが、
逆光では岩場が黒くつぶれ迫力がない。朝の内に来るべきだったろう。
まあ飯野山や白山のような円錐形と違い、それなりに荒々しい山容は
魅力的ではある。池畔の桜は散り始めて、水面には花弁が漂っている。
浮橋を渡れば総合運動公園。それほど大きな町ではないが立派な施設。
対岸の堤には芝桜が咲き始めている。昨日今日と香川県を歩いて感じ
るのは豊かさ。水が乏しくため池が多いと社会科で習ったが、今では
水利と気候に恵まれている。総じて家屋も立派だ。堤の向こうに白山。
山大寺池西側の車道を歩いていると、対岸に鳥居を見る。見上げれば
嶽山頂上の鳥居も小さく見える。北側には東登山口という道標もある。
本当は此方からが、山上の祠への参道入口じゃないかと思ってしまう。
山大寺池からはJR高徳線造田駅まで歩く。直線距離は6kmだけど
ジグザグにしか歩けない。駅はさぬき市内なので三木町のコミュニテ
ィバスは連絡しない。ことでん公分明駅から鴨部川沿いに歩いていく。
山大寺池から約2時間掛かって造田駅に到着する。途中でうどん店に
立ち寄ってもう一食したい所だが、この付近の店は15時には仕舞う。
コンビニで買った缶酎ハイと、家族はアイスキャンディーで打ち上げ。
高松駅からマリンライナーに乗車する。前回来た時は暗くて気づかな
かったが、櫛型ホームのテルミニ(終着)駅。阪急梅田駅や南海難波
駅は見慣れたが、何故か旅情を感じプチ興奮。22時過ぎに帰宅する。