青春18きっぷも利用期限が迫ると値が下がる。ぎりぎりまで待って
ヤフオクで残4回を3600円で購入。出発の前日に受け取ってから
の宿の予約や、山行計画を作る。その結果どうしても甘い所が生じる。
坂出には10時半に着く予定だったが、踏切に立入りがあったとかで
姫路での乗り継ぎが出来ず、11時45分と大幅に遅くなった。坂出
高校の前を通って、国道438号線まで出ると飯野山が正面に聳える。
坂出で最も有名なうどん店「日乃出製麺所」。何しろ食堂営業は昼の
一時間だけだ。列車が遅れたので食べられるかもと来てみれば、何か
事故が有った様で臨時休業を告げられた。ついてない時はこんなもの。
登山の前にうどんを食べたい。飯野山に向かながらスマホで店を探す。
2軒目も臨時休業。坂出駅から都合45分も歩いて、やっと営業中の
店に到着する。小さいように見えるが、広大な駐車場を併設している。
冷かけ210円。注文を受けてから麺を茹で、氷水に2度通してから
出される。これが旨い。エッジが立った麺は生きているって感じ。出
汁はもちろん、天かすも美味しい。今まで食べたうどんの中で一番だ。
ちなみに此の店は綾歌郡宇多津町内。知らない間に市境を越えていた。
飯野山に向かうと再び坂出市域に戻る。歩き乍らずっと美味しかった
感想を二人で言い合っている。うどん県らしく一面に広がるのは麦畑。
幹線道路は飯野山の東側を迂回する。農道のような道から西原集落へ。
収穫が終わって花咲くブロッコリー畑から。山は桜が多いようでピン
ク色に染まっている。近づくにつれて低くなるのが、なんだか不思議。
蓮池沿いの道を直進すると、高松自動車道を潜って急傾斜の果樹園に。
桃の花が満開。ガイド本では幸神社が登山口となっているが、我々は
それより西側を歩いて来たようで、ここまで道標の類は見当たらない。
振り返れば坂出市街の向こうに海が見えている。坂出駅から一時間半
掛かっているが、迷ったり食事したりしてるので、普通なら一時間弱。
十分に徒歩圏で本州から来るなら、一番便利な登山口と思うのだけど。
コンクリ舗装の農道が途切れやっと山道らしくなる。後から考えると
此処が坂出市と丸亀市の市境だったよう。坂出の公設道標があっても
良さそうだが、土嚢に関する立て札は安養寺の物で、やや寂しい感じ。
しばらく緩やかな道を辿って、丸亀市飯野町からの道と出会うと突然
賑やかになる。登山道自体も二倍は太くしっかりしている。どうやら
坂出市は飯野山の観光誘致には力が入っていないよう。西宮市みたい。
三叉路から丸亀市街を望む。丸亀駅まで行って、コミュニティバスに
乗り飯野町まで来るよりも、坂出駅から歩いてくる方が簡単だし、市
街からも間近に見えた。でも、どちらかというと丸亀市の山なのかな。
登山道は円錐形の山を一周半するように巻いている。三合目から山頂
へ直登する道もあるが、開聞岳の様な周回路の方がきっと楽しいはず。
四・五・六・九合目には展望所が設けられて、自然と四囲を見渡せる。
六合目展望所にベンチがあったので、緑茶で小休止する。南側の眺め。
平野を挟んで大高見峰、猫山、城山の連嶺。姿は良いが城山以外展望
は皆無らしい。その奥は徳島との県境の大川山(1043m)だろう。
三合目で飯野町からの道と合してからはハイカーも多い。常に前後に
人の姿が見えている。服装からすると近所の人というより、自家用車
で来られた方が多いように思う。飯野町登山口には70台駐車できる。
九合目からの展望が素晴らしい。瀬戸内海を貫く瀬戸大橋。坂出沖の
プラントも風景の一部。ため池や大束川の流れも豊かさを感じさせる。
飯野山をケーキのごとく五分の一にカットした坂出市域。そこにいる。
九合目からもグルっと回って頂上到着。桜の大樹に囲まれた広場には
お堂や石碑がある。広すぎて展望は無いが、隅には大輪のシャクナゲ
が満開だったりと気持ち良い場所だ。毎日登山も行われているらしい。
登山道では大勢の人とすれ違ったのに、我々の到着と入れ代りに二組
が下山されてごく静か。案内板など人工物も多いけど、決してパラダ
イス的な無秩序さは感じさせない落ち着いた頂上。好ましい雰囲気だ。
頂上の南西少し下には「おじょもの足跡」という岩場と展望台がある。
正面に見えるのが、金毘羅宮のある琴平山から大麻山(616m)で、
右端には、一月に歩いた我拝師山(481m)が見えていて懐かしい。
下山は周回路の途中から丸亀市飯山町へ下る。15時15分のコミュ
ニティバスに乗車しないと次は2時間後。JRの遅れがなければ余裕
があったが、残り45分位。標高が低いし大丈夫とは思うけど急ごう。
問題はバス停の位置が分かってないこと。照葉樹の森の中を疑似木の
土留階段を駆け下る。途中にベンチが設置されているが展望は皆無だ。
足に問題の有る家族は遅れ気味。そんなにむやみに急ぐ事も出来ない。
麓の一王子神社横まで下ってきた。桜と桃と菜の花の競演。神社内も
桜が見事だったがひっそりと静か。スーパーやドラッグストアの看板
を目標に下って行く。歩いてけばバス停が見つかるはずと思っていた。
一王子神社からも随分歩いて15時前にバス停発見。でも目的の路線
では無かった。コミュニティバスは地域住民の為の物なので、旅行者
には分り難いことが多い。料金は3倍程だが偶々来た琴参バスに乗る。