摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

ゴロゴロ岳 ユルキ谷両岸の尾根を巡る

一か月以上山に行っていない。いわゆる優雅で怠惰な引きこもり生活

だった訳だが、さすがに自分でも拙いなと思っていた。今朝ブログを

開くとコメントが届いている。少なからず反省して、発心させられた。

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テルモスにホットコーヒーを淹れ、台所にあったドーナッツ1個持ち

家を出る。阪急バスに乗車し、霊園前バス停で下車する。彼岸なので

三々五々墓参客の姿がある。霊園最上部の20地区まで上がってきた。

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霊園上縁にはイノシシ除けのフェンスが張り巡らされている。目的の

尾根からは相当離れているが仕方ない。そもそも歩きたいのは霊園上

の山ではなく、東隣りの警察学校と芦屋大学との間にある尾根なのだ。

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どちらも一般の入場は出来ないので、相当な遠回りとなる。フェンス

を抜けると、満開のコバノミツバツツジが迎えてくれた。といっても

無数にある株の内の一株に過ぎない。盛期は二週間後ぐらいだろうか。

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霊園の東端まで斜降して、警察学校裏の深谷まで15分掛かっている。

この深谷の左岸尾根が目的地である。石造りの堰堤を渡って、対岸の

斜面を詰め上れば良いのだが、その前に更に東側の様子を見に行こう。

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深谷から一段上に幅の広い道跡があった。これ幸いと東側へ下ってい

くが、すぐ猛烈なシダ藪に遮られてしまう。適当な所から斜面を登っ

て尾根の東端まで出てみる。途中には踏跡らしきは見当たらなかった。

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眼下に見える建物は芦屋学園短期大学。見えてはいないが右下が芦屋

大学構内。とすれば何度も歩いた道。だが山裾は邸宅の敷地内のよう。

間にはフェンスもあるし、東側からのアプローチは無理だと思われる。

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六麓荘町内から上がって来る踏跡も見当たらないまま、少し上がれば

細尾根に乗る。不思議な事に尾根上には踏跡がある。皆さん何処から

登ってこられるんだろう。測量等であれば芦屋大学構内からだろうか。

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尾根上のツツジもほとんど咲いてないが、稀に気の早い株が満開とな

っていた。微風に乗って甘い香りが漂っている。とても静かな三連休

の初日だが、ラジオはコロナウイルスの深刻なニュースを伝えている。

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仁川連絡線三二鉄塔に到着。巡視路は尾根を横断し西へ向かっている。

鉄塔下に座り込みテルモスのコーヒーで小休止。気温は16度を超え

ているだろう。風もごく弱い。座っていると何となく眠気に誘われる。

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明瞭な細尾根が続く。多少の岩場もあるが通行に問題があるような所

はない。玉子型の巨岩が唯一の展望所。思っていたより早くに尾根は

緩やかな斜面に消えてしまう。ユルキ谷右岸支谷の源流部なんだろう。

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尾根を見失って何時の間にか浅い谷を歩いている。僅かに水流もある。

前回はこの辺りから西側に斜上して行った。今日は東側に向かってみ

ようと思った。特に目的があった訳ではない。何方へも容易に進める。

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東へ斜上していくと高圧鉄塔に突き当たった。最初は何処だろうか

分らなかったが、銘板を見て思わず笑みがこぼれた。新神戸線三九

鉄塔とは全くの予想外。ゴロゴロ岳では定番の昼食場所のすぐ近く。

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三九鉄塔から南西に下ると巨岩が積み重なる展望所。向こうに見える

のが、前回に同じ尾根を登って行き着いた新神戸線四〇鉄塔。今日は

随分と離れた場所まで上がってきたものだ。右手に見えるのが荒地山。

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三九鉄塔側に少し戻ると伐採地が出来ていた。鉄塔補修工事の資材を

ヘリコプターから吊り下ろす為のように思うが定かでない。六甲山系

を遠望でき多人数の休憩にも向く。転石の一つに座り昼食休憩にする。

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ドーナツ1個の昼食を済ませ巡視路を辿って、柿谷コースに一旦出る。

119番通報プレートのK-11。ここからNHK送信所手前までは

一般道を歩く。標題はユルキ谷両岸の尾根としたが、源流部の右岸は

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早くに尾根が消えてしまい扇状の斜面が広がっている。緩やかな道を

しばらくでNHK北阪神テレビ・FM中継放送所。その手前にある道

標K-12から斜面に入る。踏跡があるが谷へ下っていくので離れる。

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東へトラバース気味に下って行く。平坦地を経由して巨岩の積み重な

る尾根に行き着く。此処は一度歩いて記憶に残っていた。少し上って

行けば新神戸線三八鉄塔。それに苦楽園尾根の一般道に行き着く場所。

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下って行くと段々尾根が細くなって、それに従って踏跡も明瞭になる。

対岸に先程いた三九鉄塔、その奥に四〇鉄塔も遠望する。その間には

支谷がある。地図は持参していないが、家に帰ってから見て納得する。

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露岩が積み重なる所に着く。この先は切れているので登りはともかく

下りは、右手にある巻道を辿ったほうが良いだろう。ただ展望が良い

所なので立ち寄って行こう。ユルキ谷左岸尾根では唯一の展望箇所だ。

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眼下に芦屋・西宮の両市街が広がる。一直線に伸びる夙川沿いの並木。

肉眼では大阪市内のビル群の方が目を引く。さて少し戻り巻道で岩場

を通過した後は細尾根をどん々下って行く。最初の内は明瞭だったが。

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尾根が広くなった所で谷側へ引き込まれそうになる。どうもユルキ谷

から上がって来る踏跡があるようだ。何度か軌道修正をしつつ尾根の

東端を意識して下って行く。藪の濃い所、踏跡薄い所もあったりする。

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仁川連絡線三一鉄塔に着いた。この鉄塔からユルキ谷堰堤に向かって

幅広い巡視路が下っている。更に尾根伝いに下る踏跡もあるが、今日

は其方へは向かわずスイッチバックするよう反対方向の巡視路に入る。

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幅広いが急峻な道がツルベ谷に向かって下って行く。最近巡視路でよ

く見かけるクレモナロープも設置してある。但し歩き易い道ではない。

水流を二度渡り対岸に上がると、苦楽園尾根から六麓荘に下る一般道。

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火の用心標識があって、巡視路はさらに東側に続いているが、今日の

山行は此処まで。一般道を六麓荘の町内に向けて下って行く。小広い

伐採地を過ぎると邸宅街の裏に出る。霊園から5時間も掛かっている。

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緩やかな尾根歩きであったが、割と変化があり冗長とは感じなかった。

いつもなら歩いて帰るのだが、明日は第三土曜日で、リュックサック

マーケット。体力温存を口実に朝日橋バス停から阪急バスに乗車する。

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各谷の名は、芦屋市役所発行の平成27年度芦屋市ガイドマップより

引用した。地理院地図にある「剣谷」は地名であり谷の名称ではない。