摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

西風蕃山(373m)・・・宮城県仙台市

鳴子温泉からの送迎バスは正午に仙台駅に到着した。帰りの飛行機は

20時15分。半日ハイクなら行けなくもない。市街から近くて交通

至便という事で、青葉区の西風蕃山(ならいばんざん)を選んでみた。

f:id:aw2q:20191221105335j:plain

12時11分発の山形行き普通電車に乗車。陸前落合駅には34分着。

この駅から山形駅まで営業キロは50kmに過ぎず、運賃は990円。

三ノ宮から姫路と同じ。仙台と山形がこんなに近いとは知らなかった。

f:id:aw2q:20191221105403j:plain

駅からは南に841mの直線道路が延び、丘陵に向かって歩いて行く。

正面が蕃山(356m)右手やや高い西風蕃山には電波塔が二基立つ。

この時はまず西風蕃山に登り、反時計回りに歩き蕃山へと思っていた。

f:id:aw2q:20191221105435j:plain

国道48号線を渡り西へ向かい、吉岡屋という会社の脇から山に入る。

伊達家の西館(にしだて)跡を左に見て林道を進むが、堰堤工事中で

右側には進み難く、自然に左側の尾根に取りつくことになってしまう。

f:id:aw2q:20191221105507j:plain

地図を確かめると予定とは反対側を歩いている。まあどちらでも良い。

少し登れば周囲は落葉樹の疎林となる。照葉樹を一本を見ない林相は

明るく清々しい。摩耶山とは全く違うので歩いているだけでも楽しい。

f:id:aw2q:20191221105540j:plain

ただ残念なのは、2mおきに路傍の樹木が赤ペンキで汚されている事。

最初ハイカーの仕業かと思ったが、林野庁の間伐標識と重複している。

平成19年度の事業とある、環境に配慮した耐候性の無い標識が皮肉。

f:id:aw2q:20191221105625j:plain

東北電力の高圧鉄塔があり展望が広がる。我々が登ってきた方向には

西風蕃山コース至ると記されているが、どういう意味だろう。難解だ。

北西の方向に雪山が見えている。面白山(1264m)か同定できず。

f:id:aw2q:20191221105702j:plain

むしろ愛子(あやし)辺りの住宅街の方が目を引く。背後の丘陵地帯

にも住宅街が広がっている。因みに山の向うは山形県であるが、県境

まで仙台の市域で、見えている範囲は青葉区太白区という事になる。

f:id:aw2q:20191221105731j:plain

鉄塔を過ぎると不快な赤ペンキは無くなったが、林野庁の境界見出標

も同時に無くなった。以降はマーキングも殆どなく気持ちよく歩ける。

主稜線に出た所は蕃山の頂上から西へ60m。開山堂へ寄って行こう。

f:id:aw2q:20191221105804j:plain

開山堂とは寺を起こした僧を祀った所で、堂内には蕃山東麓の大梅寺

を起こした雲居国師(うんここくし)の像があるという。境内は清浄

に掃き清められ、現在も大切にされているようだ。此処が蕃山の頂上。

f:id:aw2q:20191221105849j:plain

南東の方向が狭いが開けている。名取川の河口や仙台空港辺りが見え

ているのではと思うが定かではない。ただ太平洋と大型船の白い姿が

見えているのは間違いない。テルモスのコーヒーと菓子で小休止する。

f:id:aw2q:20191221105924j:plain

風は無く日向では寒さも感じないが、そうゆっくりはしていられない。

元の分岐に戻り西風蕃山を目指す。栗生(くりう)に至るというのが、

我々が登ってきた方向。右側の黄色い看板は東北電力の高圧鉄塔標識。

f:id:aw2q:20191221110011j:plain

西風蕃山へは西側へ主稜線を辿る。とてもよく踏まれた広い道が続く。

平日とはいえ快晴の午後、ハイカーの一人とも出会わないのは不思議。

大したアップダウンも無いまま20分弱で西風蕃山の頂上に到着する。

f:id:aw2q:20191221110102j:plain

西風蕃山の頂上は広い平坦地の小高い所。三等三角点はあるが周囲が

平坦過ぎて展望と云えるものは無い。私製道標があるだけで、ここで

休憩しようと思う人は少ないだろう。大きな電波塔が南北に2基ある。

f:id:aw2q:20191221110145j:plain

頂上から少し下った所の道標。進行方向は西風蕃山をへて栗生に至る

と記されている。今頂上に居るのに「へて」とはどういう事だろうか。

いったん山岸へ下る道を進む。すぐに見晴らし台という所に辿り着く。

f:id:aw2q:20191221110215j:plain

北側に見えるのはスキー場のある泉ヶ岳(1175m)だろう。ただ

期待した仙台市街の眺望は、灌木に遮られ良くない。山岸へ下る道が

メインルートのようで良い道だ。だがJR駅から遠くなるのを嫌った。

f:id:aw2q:20191221110256j:plain

少し戻り栗生に下る道へ入る。この道が当初登ろうと予定していた道。

道標があるのだから大丈夫だろうと思ったが、道は広いものの落葉が

積もって、山岸に下る道に比べ、相当歩く人は少ないように思われる。

f:id:aw2q:20191221110332j:plain

この道は谷沿いに下るもので寒々しい。歩く人が少ないのも納得する。

コース選定を誤った。元に戻る時間も無いので下るよりない。大きな

朴ノ木の落ち葉の下に石が隠れて歩き難い。嫌いな植林帯も始まった。

f:id:aw2q:20191221110404j:plain

やがて廃道状態の林道となるが、雨水に穿かれ道の中央には溝があり、

歩き辛い事には変わりない。栗生へ400mの所まで植林帯は続いた。

この先に堰堤工事現場があるはずだが、此処まで通行止め掲示はない。

f:id:aw2q:20191221110531j:plain

工事現場に降りて来た。右は仙台市が設けたハイキングコース案内板。

それによると栗生中コースで蕃山に上り、栗生西コースで西風蕃山か

ら下って来た。上部の小堰堤は完成しているので対岸の舗装路へ渡る。

f:id:aw2q:20191221110608j:plain

陸前落合駅には15時6分に帰ってきた。概ね2時間半のハイキング。

15時30分の仙台行き普通列車は4分遅れで来た。この待ち時間が

非常に寒かった。歩いている間は感じなかったが東北はやっぱり寒い。

f:id:aw2q:20191221110639j:plain

16時に仙台駅到着。多少時間の余裕があるので、駅近くの高層ビル

AER(アエル)の展望テラスに寄ってみよう。もちろん入場は無料。

商店街のアーケードの先には青葉城址。三角の太白山蔵王も見える。

f:id:aw2q:20191221110716j:plain

夕食を済ませてから、青葉通りのイオンで土産物を買ったり、18時

には空港行きの列車に乗車した。空港までは30分弱なので余裕だと

思っていたが、カードラウンジに入っていたりしたらすぐに20時だ。

f:id:aw2q:20191221110756j:plain

離陸はスムーズだったが関空着は5分遅れ。先日、高知行きに乗った

ジェットスターよりも座席は超狭いし、仙台には神戸空港からスカイ

マークで行きたいな。南海・阪神電車を乗り継いで帰宅は翌日だった。

f:id:aw2q:20191221174514p:plain