数年前まで自分が温泉旅行に行くなんて思ってもみなかった。今回は
ピーチのセールで仙台行きが2000円だったから。二人で往復諸々
込み12780円の支払い。時期的に日帰りで気楽に登れる山もない。
なので温泉旅行と相成った。松島と鳴子温泉に各一泊。登れそうな山
は調べておいた。最終日は鳴子温泉の宿で朝早く目が覚めたのを幸い
暗いうちに宿を出る。温泉街から伸びる車道を歩いて胡桃ヶ岳登山口。
ライトに照らされた私製道標を頼りに、舗装路から山道に入って行く。
公的に整備された道ではないが、地理院地図に破線は有る。良く踏ま
れており路傍の笹刈りもされているので、相当の人が登っているよう。
6時40分。舗装路から15分も掛らずに頂上に到着した。宿からは
1時間弱。温泉街の標高が150m前後なので比高差300mの歩行。
すぐ近くに潟沼という火口湖があるのだが、期待した展望は無かった。
北の方角には江合川の流れ。JR陸羽東線が走っており、川渡温泉駅、
鳴子御殿湯駅に鳴子温泉駅。三つも温泉と名の付く駅が連なっていて、
一帯の湯量の多さを物語る。でも冬枯れでこの展望。夏場は皆無かな。
北西の方向には雪を被った山が見える。今年初めて見る雪山なんだが、
何ていう山なのか全く分からない。恐らく山形県との国境の山だろう。
藪に遮られている辺りに潟沼があるはずだ。展望台が有ったらと思う。
展望が無いならさっさと下ろう。宿の朝食はしっかりと頂きたいもの。
8時までに帰らないとそれも難しい。この山に関心を持ったのは山名
から。胡桃ヶ岳という有りそうで無い名。胡桃の木が多いのだろうか。
下山途中に樹林越しに潟沼が僅かに見えた。徒歩で一周20分らしい。
レストハウスがあり貸しボートもあるというので、一応は観光地かな。
でも訪れる人はいるのだろうか。湖水は世界でも有数の酸性度という。
登山口まで帰ってきた。一枚目の写真と同じ場所だ。真っ暗な中では、
この私製道標が無ければ、見過ごしていただろう。潟沼の展望が得ら
れないかと思い。沼の方向に進んでみるが、見えそうにないので戻る。
三差路から上ってきた鳴子温泉駅方向に下る。現在は通行止めの標識
がある。崖崩れがあったようで、復旧工事の途中らしい。久しく車の
通行が無いようで落葉が積もっていたりするが。徒歩なら問題はない。
温泉街の最上部まで下って来た。源泉が湯気をあげている。もっとも
源泉は鳴子温泉一帯で300以上あるらしい。泉質も8種類。我々の
宿は黄褐色と黒褐色だったが、乳白色や緑白色、炭酸泉もあるという。
7時30分に温泉街に戻ることが出来た。これなら朝食を食べた後
一風呂浴びて帰路につくことが出来そう。仙台までは宿の送迎バス。
10時に出発する。時間に制約があるが無料のバスなので仕方ない。