11月も下旬となって、寒さを感じる日も多くなった。この土曜日は
週間予報では曇りだったが前日になって晴れに変わった。来週は寒さ
が一段と増すというし山に行っておこう。家族は所用なので独り歩き。
16系統のバスは満員。阪急六甲バス停では多数の乗り残し。いつも
なら神大国際文化学研究科前のバス停で、多くの乗客が下車するのに、
今日は誰も下りない。六甲ケーブル下からドライブウェイ旧道を歩く。
紅葉の最盛期だ。バスの車内でも周遊切符を持っている人が多かった。
今日は六甲川から長峰山主稜線に、突き上げる支尾根を登ろうと思う。
6月3日に歩いた支沢の右岸尾根、そう言っても家族も分らなかった。
2月に登った山田堰堤上の岩稜尾根の、北側に延びる支尾根だ。6月
に沢筋を辿った時、右岸に見た明るい岩場が印象的だった。岩稜尾根
の最も険しい所で合流するのかと思っていたが、どうやら違うみたい。
山田堰堤上の岩稜尾根南面を望む。右側へ下るのが11月17日に長
峰大好きさんが登られたルートだろうか。今日向かうのは小さな谷を
挟んで北側の尾根。此処は早朝でないと、良い写真が撮れそうにない 。
西谷出合から一つ南側の沢の右岸尾根に取りつく。出だしは岩が露出
している。昨夜の雨で濡れていて滑りやすい。今日はリュックサック
マーケットで買った、トレッキングシューズの試し履きも兼ねている。
踏跡があるのかと思うほどよく踏まれている。だが幅の狭さから猪が
作った獣道と分る。通常猪は急斜面を直上するような歩き方はしない。
しかし細い尾根であるせいか、尾根通しに直線的に獣道がついている。
週間予報で最高気温が14度というのを鵜呑みにしたのが不味かった。
厚着してきたせいか汗まみれになる。暑さで何だかボーっとしている。
この日の最高気温は20度を超えていた。フラフラし乍ら高度を稼ぐ。
すぐ隣に2月に登った岩稜尾根がある。樹幹越しに僅かに見えている。
難所を越えて傾斜が落ちた辺り。此方の尾根からルートを探索したい
と思っていたが、どうやら樹林に覆われていて観察できなそうにない。
それでも大きな倒木が何本かある所で、東側の展望が開けた。彼我の
明るさが違い過ぎるので潰れた写真しか撮れない。というかカメラの
性能だろう。中古で1400円で買った時代遅れの機種ではこの程度。
正面に堡塁岩の西稜と中央稜が見えている。傾斜の緩い西稜もこうし
てみれば大きく立派。この角度で見るのは初めてかもしれない。左端
は六甲ケーブルの山頂駅だろう。いつしか空には雲一つ残っていない。
尾根のかなり上に来たところで露岩が現れる。それも長くは続かない。
2500分の1の地形図を見ても、途中で岩稜尾根に合流するはずだ。
だが見逃したのか、相変わらず細い尾根が続く。左には浅い谷がある。
主稜線に近い事を表わす笹薮帯に入っても、まだ細尾根が続いている。
このぐらいでは細尾根と云えないと思う人も多いだろうが、長峰山の
東側は急傾斜の斜面が多いので、この程度でも十分に尾根筋を感じる。
飛び出た所は伐採地の本当に上端。樹林帯との際だった。緩急の変化
もほとんどないまま、六甲川から一直線に突きあがる感覚は、あっけ
ないと云えばそれまでだが、長峰山東面からの効率的な登路ではある。
そんな分かったようなことを言っているが、気温と衣服の調整が出来
ておらず、ヘロヘロになってしまった。木ノ袋谷出合に下って掬星台
に登り返そうかと思ってたがもう無理。天狗塚に至る好きな小笹の道。
鈍く光った神戸沖の海。ときおりロープウェイのアナウンスが流れて
来るが、風も弱くて静かな長峰山頂上。伯母野山町の登山口が閉鎖さ
れて以来めっきり訪れる人が減った。土曜日に一人なんて無かった事。
今日の昼ごはんはパスコ(敷島製パン)のマフィンを使ったバーガー。
最近スーパーのパン売り場はヤマザキパンばかり。そんな中では異色
のヒット商品。何かを挟んで使うのが前提のパンとして定着しそうだ。
天狗塚下からの掬星台。疲れてしまったこともあるが、今朝のバスの
混雑を考えると、ロープウェイに乗りに行くのも億劫になってしまう。
このままハチノス谷西尾根を下ろうか。どうにも体力の低下が著しい。
六甲山系の紅葉は最盛期。来週末には標高の低い所や日陰でも見頃に
なるだろう。紅葉狩りなんて事には無縁だと思っていたが、同じ歩く
ならキレイな方が良い。京都にでも行ってみたいと思うようになった。
久しぶりに通過する六甲線一二鉄塔。寒いだろうとテルモスにいれて
来たのは熱湯。休憩時に飲んではいるが量は少ない。この日の夜に激
痛を伴って足がつったのは脱水症状だったのか。いや筋力不足なのか。