10月10日になると、アケビを食べれるって、確か四国出身の人に
家族が聞いたらしい。20年前くらいは、なるほどそうだと思ったが、
最近はもう少し早くなったように思う。昨年は10月2日に来ている。
温暖化現象からすると逆行しているようにも思うが、我々が感じてい
る気温の変化とは別に、暦以上の速度で実際の季節は進んでいるよう。
今日も10月にしては暑いが、小さな秋を探しに生田川に行ってみる。
久しぶりに見る布引の雄滝。中段が二条になっているのは珍しいかも。
観光用に放水なので、この滝の量を見ても上流の水量は推し量れない。
平日だが三々五々ハイカーの姿がある。皆さんどんなお仕事なのかな。
貯水池はほぼ満水。鵜の雛が単独で泳いでいる。鴨のように親が守ら
ないらしい。小さいのにずいぶん長い時間潜水できるので、外敵から
襲われ難いのだろう。天狗尾根とりつきのアケビは影も形も無かった。
生田川の河原に入ってみるが、やはり盛期は10日以上前だったろう。
開ききった実が多い。それでも株の数が多いので、幾つか採取できた。
黒岩尾根を歩くつもりだったが、石楠花山の様子も見ておきたくなる。
黒岩尾根分岐を見送りトゥエンティクロスに進むと、森林整備事務所
設置の「この先、大変キケン」のフェンスに「通行可能」という丁寧
な工作の私製標識が掛っていた。その意図は分からぬでもないのだが。
昨年の台風による山抜け現場が危険なのは変わりない。高尾堰堤下の
以前の徒渉地点の様子。倒木を越えるのが結構手間なので水量が少な
ければ、もう少し下流で、早めに右岸に渡っておいた方が良いだろう。
もう一年以上経つので崩落現場には道が出来ている。森林整備事務所
も、それを見込んで通行禁止にしなかったのだろうか。ただ雨水によ
る浸食は更に深くなっており、いつ落石が生じてもおかしくない状態。
崩落地を越え、あじさい広場のベンチで小休止する。小さなアケビが
三つと、丸こい二つはムベだろう。どちらかというとムベの方が種が
大きくて食べやすい。口に含むとほんのり砂糖水の様な甘さが広がる。
高尾山堰堤上は砂が大量に堆積して、豪雨の度に道が消失していたが、
神戸中央山の会の尽力によって歩道の固定化が図られている。それは
有難いことではあるが、神戸市による組織だった補修も必要かと思う。
森林植物園東門へも仮歩道のまま、各所で橋や桟道の老朽化が目立つ。
踏み抜きそうな所もある。10月だというのに、初夏のような緑に包
まれる。特に笹が青々として瑞々しい。いつ来ても気持ちよく歩ける。
黄連谷の分岐で石楠花山に向かう。というのも山頂近くにアケビの株
があるので、やはり遅いだろうが様子を見ておきたい。暫らく歩いて
いない山域なので、マンネリ化した山行に変化をつけたい趣旨もある。
黄連谷の道は、谷道かと思いきや入ってすぐに尾根に転じる。植林帯
で頻繁に人の手が入っているよう。道は歩き易い状態に保たれている。
道は西六甲ドライブウェイを渡り登って行く。山頂直下だけ少し急だ。
本当の山頂はもう少し北側なのだが、樹林に囲まれた所なので実質的
に、この展望台が石楠花山の山頂と言ってよかろう。一度三角点まで
行ったことはあるが、見るべきものもなく徒労に終わった記憶がある。
今日の昼ごはんは定番の稲荷ずし。デザートは柿。ドリンクは金麦の
秋限定バージョン。食事中に急に家族が慌てだす。財布を確かめ「忘
れた!」と言う。摩耶ビューラインの会員証を持って来てないらしい。
展望台というなら360度の展望を期待したいが、南西に90度ほど
開けているに過ぎない。前回はもっと木が多く、視界が狭かったので
伐採されたのかもしれない。霞でぼやけているが淡路島が見えている。
展望台下は林道の回転場所だったのだが、なぜかお花畑になっていた。
手前は野菊(ヨメナ?)、奥には珍しくセイタカアワダチソウが満開。
昭和の頃にはよく見た草だが、平成に入って下界では絶滅傾向にある。
家族が気に入ったのはこの花。写真ではピンクに写っているが深紅の
粒状が穂のようになっている。見るべき植生もないかと思っていたが、
いろんな秋の花が咲いている。コウヤボウキも白い花を咲かせていた。
天狗岩にも一応寄っておこう。山頂稜線から西へ少し下った所にある。
淡路島が見えている。住宅街が間近に見えて標高ほどの高度感はない。
まだ開発中なのか、裸地が各所にあって落ち着いた感じがしない風景。
旧知のアケビの株を見に行ってみると、やはり一週間は遅かった感じ。
生田川の河原と石楠花山の山頂。生えている環境は全然違う。アケビ
って特に場所を選ばないのかな。ムベは急峻な尾根に見ることが多い。
石楠花山の林道をそのまま進み西六甲ドライブウェイへ。六甲山牧場
を経由して杣谷峠へ向かう。いつもはガラガラで走っている山上バス
が観光客で埋まっている。平日だけど行楽シーズンってことだろうか。
友の会のパスが無ければ掬星台に向かっても仕方ない。杣谷峠からは
ドライブウェイを外れて杣谷道をトボトボ下る。六甲道のスーパーで
カボチャと鱈の片身を買って帰ると、歩数は45000を超えていた。
今日のBGM Little Talks:Of Monsters And Men
Of Monsters And Men - Little Talks (Official Lyric Video)
We used to play outside when we were young. And full of life and full of love
Of Monsters and Men - Little Talks (Live on KEXP)