宮古島旅行の旅行最終日。台風の為に計画を変更したので、一番時間
が掛りそうな伊良部島・下地島行きが残ってしまった。空港は下地島
にあるのだが、自転車を返すために平良市街に戻って来る必要がある。
朝5時に起きたけど荷物を纏めたりして、出発は6時20分になって
しまう。ところでどうもハムの調子が悪い。フラフラしてこけそうに
なったりする。その時は意識もちゃんとしてたと思うけど記憶も薄い。
久貝の宿から北進し192号線で左折して伊良部大橋。このころから
視界の変調に気づいた。対向して車が2台見える。全く同じ車が並走
してるので、変だと思い片目をつむると1台になる。複視という症状。
左側の路側帯も二重に見えていた。度々片目にしないと車線中央に寄
って行きそうになる。家族によるとフラフラして走っていたが、まだ
車も少ないし速度も出てないので、まあ大丈夫かと思っていたという。
そんな訳で伊良部大橋から、佐良浜を経て島内一周道路までの記憶が
希薄だし、写真も余り撮っていない。なぜだかお墓の横で撮った一枚。
30年前には平良からフェリーで佐良浜に渡った。活気のある漁港で、
巨大なマグロが水揚げされていた。夜は佐良浜の灯りが平良から見る
と、不夜城のごとくに輝いていた記憶がある。今日は素通りして島内
一周道路に入る。やがて路上にBIKEと書かれたマークを見つける。
東側の藪に踏跡があるので進んでいくと、海の景色がパッと広がった。
断崖の上にある狭い場所。危険なのでガイドブックには載せられない
という。今はネットで見てくる人も多く、この時も他に一組いらした。
この場所は四等三角点「前里添」があるので、三角点と呼ばれている。
標高は72m。本当は干潮の時が一番綺麗にみえるらしいが、これで
も十分だ。ただ断崖絶壁の上だけに、ゆっくりする気分にはなれない。
さらに少し進むと路肩にハートのマーク。やはり海に向かう道がある。
此方がイグアナ岩と呼ばれる絶景の入口。家族の立っている場所がイ
グアナの頭のように空中に突き出ている。沖合に見えるのは難破船だ。
やっぱり落ち着いて景色を楽しむという所ではない。自転車から降り
て歩いたせいか複視の症状は消えた。でも何となくフラフラしている
ので家族のようにイグアナの頭に乗りに行く気はしない。先へ進もう。
島内一周道路を白鳥崎に向う。途中フナウサギバナタという展望所が
あったというが知らずに通り過ぎてしまう。いまだ注意力散漫なのか。
白鳥崎に東屋があったが、それほどに展望の良い場所ではなくスルー。
だがその先に遊歩道があったので入ってみる。車道を走るよりは海が
近いので気持ち良い。しばらく進むと遊歩道は途絶えて車道に戻った。
その後は伊良部島の西岸を南下する。右側に漁港を見たはずなんだが。
次の停車スポットは佐和田の浜。遠浅の海に岩が点在するという奇観。
此の浜は無料のキャンプ場となっており、トイレや水シャワーがある。
テントを張れるウッドデッキもあったりして、キャンプも快適そうだ。
そう言うと家族は「もうそんな年じゃない。」と否定的。道なりに進
めば伊良部島との瀬戸を渡って下地島へ入る。飛行場に突き当たった
ら今度は滑走路沿いに北へ進む。車は通行禁止だが徒歩か自転車は可。
下地島空港の北端にあたるこの場所は、「17END」と呼ばれている。
そもそも此の空港はパイロット養成の為の訓練飛行場。30年前には、
全日空の大型機が何度も離着陸するのを、渡口の浜から遠望している。
だが今日は訓練飛行は無いのか静か。大きなカメラも持つ人に聞くと
11時着の成田からの便を待ってるらしい。まだ1時間もある。西側
に回り込むと遠浅の海。此処も干潮の時のビーチとても美しいという。
更に南下し寄り道すると「通り池」。地下で海に通じているという池
が二つ。ダイビングスポットとして昔から有名な所で、知ってはいた
が、想像以上に大きな池だった。此処では幾組もの観光客がいらした。
格別絶景という訳ではないが、サンゴの岩場の上に設けられた遊歩道
を歩くのは気持ち良い。自転車に乗り続けていると少し歩きたくなる。
さて車道に戻って、飛行場の南側へ回り込んでいかなければならない。
その途中に綺麗な浜があった。カヤッファ(中の島浜)というらしい。
此処は波も静かで適度な深さもあり、シュノーケリングに向いてそう。
ビーチパラソルをレンタルする業者もいたりして、人気もあるようだ。
空港の南側まで回り込むと一面のサトウキビ畑。狭い島だけど大陸的
な風景の中を走る。そういえば今日は風もキツくない。台風は過ぎ去
ったよう。再び伊良部島に入ると渡口の浜。30年前に一晩幕営した。
シュノーケル向きの所でもなかったので暇を持て余した。近所の5歳
位の幼児3人が、1m程の高さの波で、浮いたり沈んだりして遊ぶの
を飽きずに眺めていると、海水浴に来ていた高校生達に西瓜を貰った。
真っ黒に日焼けした幼児3人も欲しそうにしてたけど、高校生達はあ
げようとはしなかった。何だか妙な事だけ、沖縄らしいって覚えてる。
川のように見えるけど対岸は下地島。此方は伊良部島。海峡なのかな。
伊良部大橋の橋詰めまで戻ってきた。来た時は気にならなかったけど
中央の盛り上がりが結構高い。橋の長さは3540m。前後の海中道
路などの部分を含めると6540m。でも一番高い所で27mだそう。
橋の下の日陰で少し休憩。荷台のある家族の自転車に、余分な荷物を
乗せていたせいか、家族はかなりお疲れ。まあ昨日の日焼けがとても
堪えているに違いない。今日は日焼け止めクリームを沢山塗っている。
伊良部大橋には歩道はなくて、1mの路側帯があるだけ。観光バスや、
インパウンドなレンタカーが多いと怖いなと危惧していたが、交通量
は少な目だし、地元ナンバーの車はゆっくり走ってるから怖くはない。
時間の余裕があるので、宮古島税務署近くの食堂へ昼食を摂りに行く。
暖簾も掛ってないし営業中って札も無いけど、次々に人が出入りする。
土間にテーブルが四つと、座敷に二卓だけ。静かでちょっと緊張する。
メニューは、宮古そば、かつどん、みそ汁、ソーキ汁の四つ。ハムは
かつどん(450円)家族はソーキ汁(500円)。やってきた丼は、
蓋代わりの丼が無ければ具が崩れそう。でも食べ切れない程じゃない。
いわゆるデカ盛りを売り物にする店じゃなくて、普通に量が多いだけ。
そこが良い。甘めの味付けで箸が進む。後から来た客は「みそ汁まだ
ある?」とだけ言う人が多い。何となくハードボイルドな感じの食堂。
昨日の昼食の仇をとった気分で大満足な食事だった。富浜モータース
さんへ自転車を返しに行く。足の回転が100%車輪に伝わるような
完璧な調整。チェンジも6段全てスムース。ありがとうございました。
それでも2時間半ほど時間がある。平良中心部から歩いて10分程の
パイナマガビーチへ。無料の水シャワーが目的だったが、どうせなら
とサイクルパンツのまま海で泳ぐ。ベタベタした感じの全くない海水。
実は30年前も此処で一泊したと記録してるのだが、記憶は全く残っ
てない。当時もキャンプ指定地ではなかったが、幕営出来たのはまだ
大らかな気分が残っていたからかな。次の日は砂山ビーチで寝ている。
下地島空港は早めに保安検査通過してしまうと良い。通過後のエリア
は、まるで高級リゾート(行ったことないから知らんけど)。機体の
小さいLCCなら、待合室が混み合う事もなく快適に乗機待ちできる。
快晴の宵闇に銀色の機体がカッコイイ。空には三日月。台風直撃かと
不安に思った宮古島旅行だけれど、終わってみれば全日程行動したし、
予定してた島々も一応は巡れた。ツイているのか、そうでもないのか。