3月27日に小さな墜落をして以来、左足が不調だった家族が、久し
ぶりに一緒に行くという。それで容易なコースのつもりで選んでみた。
だが結果まだ難しかったようで、以下は反省文のつもりで書いている。
JRさくら夙川駅から、さくらやまなみバスに乗車。西宮甲山高校前
で下車。県道16号線を歩いて行く。一方通行の車道が上下に走る複
雑な部分。途中からは車止めのある旧道に入り、のんびり歩いて行く。
左側にガードレールの切れ目があり、看板が二つ並ぶ所。ここが大藪
谷沿いのハイキング道入口。此処にはハイカー向けのゴミ箱が置いて
有ったが、なぜか無くなっている。看板の一つはそのゴミ箱の説明用。
車道から降りる所の段差が大きくて、家族が苦労していた。以前には
無かったことで、その時点で気づく必要があったろう。歩道は仁川を
渡り大藪谷に沿って行く。蚊の多い所なので蚊取り線香をぶら下げる。
小天狗山への分岐を過ぎると大蛇谷が流れ込む。此処で流れに入り東
へ回り込むと藪谷の出合。小規模だが十字峡のような地形。藪谷に入
ってすぐに石積み堰堤。傾斜が緩く岩の隙間もあるので容易に登れる。
だが家族は巻いてしまう。後から聞くと左足でバランスが取れないの
で登る気はしなかったそう。堰堤を越えるとゴーロが積み重なる平凡
な河原が続く。たぶん最後までこの調子で、滝等の見所は無さそうだ。
次にスリット式の堰堤がある。もしかしたら此処が藪谷のハイライト
かも。スリット内は歩き易い高さの階段状、側壁もゴツゴツした化粧
板なので手摺り代わりになる。全ての堰堤がこうだったら良いのにな。
水系は異なると云っても、この沢を詰めて行くと奥池の住宅街に出る。
それにしては水質は良い。花崗岩の真砂で濾過されてもいるし、そも
そも芦屋側の排水は流れ込んでいないのだろう。多少ゴミは見かける。
ここまで二つの堰堤はハイカー向けのアトラクションみたいだったが、
遡行を拒絶するような変わった形状の堰堤に突き当たる。水抜きの穴
が、目と口で水流がベロのようで、アッカンベーしてると家族が言う。
両岸とも傾斜は同じようだったので、左岸から巻き上る。ハイカーの
多い山域だが踏跡は見当たらない。堰堤の天端に出るが上流には降り
られず、更に一段上へ巻き上る。もしかすると右岸からだったのかも。
立木を手掛かりに再び河原に下る。堰堤から上流は石が小さくなった
気がする。その分不安定な石が多い。家族がバランスを崩しコケてし
まう。その際に突き指をしてしまった。痛むようだが指は動くという。
突き指にも程度があるが、この時はまだ過少に考えていた。何もない
と思っていた谷にも滑床があった。幅は狭いが50mほど続いている。
黒い藻が生えているので、さほど綺麗ではないが、少しはホッとする。
奥池からの一般道が横切る所。入渓してから此処まで1時間以上歩い
ている。標高僅か500mの山にしては長い谷というのが素直な感想。
それに一向に水量が減らない。小休止しているとハイカー二組が通る。
一般道の出合から上は、真砂の詰まった平流となる。蜘蛛の巣が多い。
今から思えば出合で遡行中止して、下るべきだった。暫らくは沢の中
を歩いていたが、段々と藪が濃くなり、倒木が行手を遮るようになる。
右岸に踏跡が現れたので、そちらに移る。流れに沿って進んでいくと
例の場所に出る。何だか秘密だそうで、検索には引っかからないよう
固有名詞は控えておく。西宮市のサイトでは詳細地図も見れるのだが。
出合で通過された一組が此処におられた。以前は此処の水は芦屋川に
流れていると思っていたが間違い。まあそのことを確かめるのが目的
の一つ。踏跡を辿って上流に向かうが、すぐ消えて再び沢の中を歩く。
やはり倒木や藪で歩きづらくなって、右岸沿いに斜面をへつって行く。
沢は複雑に蛇行を繰り返すので、何度か斜面をショートカットしたり
もする。もはや沢歩きの体でないのだが、一応最後まで詰めてみたい。
ようやく三俣らしき所が現れる。その中でも一番水流が多い所を選ん
で歩いて行くが、水量は一気に少なくなった。実はゴロゴロ岳の頂上
近くまで続いてるのではと、期待していたのだがそうでもなさそうだ。
もう地面が濡れている程度になった源流。苔の生えた所辺りが最初の
一滴と云えそうな場所。右手の尾根状の地形に上がってみたが、道は
なかった。更に斜面を200mほど進んで、飯森尾根の一般道に出る。
出たのは奥池の車道に近い所で、ゴロゴロ岳の頂上までは距離がある。
ハイキング道に向けて不動産屋の看板がある。どの辺りが売り物件な
のだろうか分らない。興味をもって問い合わせたハイカーはいるかな。
ゴロゴロ岳の頂上で小休止する。味気ない所だが、住宅街に近接して
いるせいか虫がいない。今日は隣の別荘で業者が入って、庭木の剪定
をされていた。この時は家族の手は痛みはあるが、腫れていなかった。
苦楽園尾根に入ると新神戸線三八鉄塔の周囲が小広く伐採されていた。
工事概要を示す看板があったので見ると、送電線張替え等工事とある。
苦楽園尾根から六麓荘に下らず、苦楽園三番町に下るのは初めての事。
西宮側のメインルートかと思っていたが、道は存外に悪く道標もない。
さて家に辿り着く頃には、家族の手は小指を中心に紫色に腫れあがっ
ている。翌日に整形外科を受診すると、小指の付け根を骨折していた。
大藪谷の路傍にあった看板の概念図。実際の地形とはやや異なってい
る。藪谷が大藪谷に流れ込む角度、直角だがもっと浅いはず。谷の名
に川の字が加えてあるが、それもどうだろうか。赤い線は車道のよう。
今日のBGM・・・家族からのリクエスト
岡崎体育 『なにをやってもあかんわ』 Music Video