摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

リハビリ山行 青谷東尾根から山寺尾根へ

6月9日になったギックリ腰は存外に軽傷だった。翌日こそ起き上がる

のも苦痛だったが、翌々日には歩く分には支障無くなった。一方家族は

不調が続いている。晴れの予報を聞いて、リハビリの口実で山に向かう。

f:id:aw2q:20190613202053j:plain

久しぶりにJR灘駅から、王子公園を抜けて行く。今日は普通の山道を

歩くことにする。晴れてはいるが湿気を感じさせる。西郷川沿いに進む。

青谷道に入る前に確かめたいことがある。地理院地図には青谷東尾根に

f:id:aw2q:20190613202121j:plain

破線路が記されている。その末端を確かめたいと思って、東寄りの路地

に入る。恐らくこの辺り。現擁壁は平成12年の施工だが、それ以前も

それなりに擁壁があったはずだし、登山路があったとは思えない急斜面。

f:id:aw2q:20190613202149j:plain

道が見つかるとは思っていなかったが、完全に否定されてしまった感が

ある。いつも通り、青谷道に入ってすぐスイッチバックするような道で

尾根に乗る。此処も何度も通っているが、滑落しそうで怖くて仕方ない。

f:id:aw2q:20190613202212j:plain

通称は青谷東尾根。数年前までは頻繁に歩いていたが、転居後は遠ざか

っていた。季節のせいか、歩く人が減ったのか、やや草深い感じがする。

短いし標高差も大してないが、登りがいの有る道。運動した気分になる。

f:id:aw2q:20190613202254j:plain

此の尾根には2基高圧鉄塔がある。一番目の神戸港線一六鉄塔から対岸

の三本鉄塔(本当は4本ある。)に正対する。この尾根唯一の展望所だ。

大阪方面の景色も良い。二番目の鉄塔は草木が茂り、現在は展望がない。

f:id:aw2q:20190613202330j:plain

大汗かいて地蔵前の広場に到着する。微妙にパラダイス化が進んでいる。

広場から北側に進んだ所から、摩耶東谷に下ろうとする。古い地図には

道が記されているが、今は踏跡もなく谷筋を下って行く気はなくなった。

f:id:aw2q:20190613202354j:plain

地形からみて、天上寺や宿坊、売店等の汚水は東谷に流された。つまり

下水道の役目を担っていたはず。往時の人も歩きたい道でなかったろう。

谷筋には下らずに、ケーブルに沿って東にトラバースする。道の中央に

f:id:aw2q:20190613202416j:plain

シマヘビ君がいて、どいてくれない。更に大正14年にケーブルが開業

後は、東谷の水質は急激に悪化したろう。浄化槽などもちろん無い時代。

一旦ロープウェイ虹の駅の下に出て、尾根筋の踏跡を追って下って行く。

f:id:aw2q:20190613202446j:plain

そんなことで弥生滝や行者滝の行場も衰退し、道も無くなってしまった

のではなかろうか。一人で淡々と歩いていると、根拠もないことを考え

てしまう。弥生滝にある蛇口は、本流の水が汚いので引水してたのかも。

f:id:aw2q:20190613202507j:plain

行者小屋上の岩場から山寺尾根を目指す。途中Sさんと出会い、色々と

お話を伺った。サンダル履きで二本の杖を突き、よくこんな所を下って

来られるものだ。餌を持参されているのを知ってか3匹の猫が付き従う。

f:id:aw2q:20190613202523j:plain

青谷登山口10時発で掬星台到着が15時。ヤマレコだと「とても遅い」

と表示されるかな。疲れて天国ベンチに行く気もしない。東展望台のベ

ンチが空いていた。此処で昼食にしようか。ハイカーも観光客も少ない。

f:id:aw2q:20190613202541j:plain

昼食は家族に頼んで、2回目のブリトーを作ってもらった。前回よりは

(本物でなく)アメリカの冷凍食品の味に近づいた。日本でもセブンイ

レブンにあるらしいが、豆は入ってないそうで、求めている物とは違う。

f:id:aw2q:20190614062510p:plain

同じ谷道でも老婆谷には、荷車が通れるほどの道跡が現在も残っている。

それを考えると東谷から天上寺への道は、杣道程度であったのかも知れ

ないな。国土地理院の地図でさえ今は無い道を、いつまでも記してある。 

f:id:aw2q:20190614080237j:plain

摩耶東谷に太線の道が記してある古い地図。だが今日歩いた青谷東尾根

も太線で記してある。行者尾根が太字で書いてあるのは興味深い。但し

石楠花山に新穂高と併記してあったり、誤植も多くて信用は出来ない図。