摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

屋良部岳(216m)・・・石垣島

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前嵩から下山して次は屋良部岳を目指す。大嵩西入口のバス停に戻る

が、適当なバスはないので崎枝交差点まで1km強の距離を歩く。そ

の間タクシーが拾えたら、6km先の北側の登山口へ回るという計画。

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もちろん流しのタクシーなんて走ってる訳ないが、川平湾に客を送った

帰りの車が通るかも。だが通過する車の8割はレンタカーで、タクシー

は1台も通らず、その場合林道を歩いて山頂直下まで行く計画だったが、

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でもやっぱり林道歩きは楽しくない。6kmなら歩けない距離でもない。

交差点で少しを休み、北側登山口へ向け歩き出す。すると崎枝集落手前

で、客を乗せたタクシーが来た。手を挙げると止まって「何処行くの?」

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「すぐ戻るから歩いてて。」後席は家族だったのかな。交差点まで行き

戻って来たよう。だが北側登山口は運転手さんも知らないという。とに

かく走ってもらうと、御神岬の分岐から1km程の路肩に看板があった。

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草刈りがされた直後だったのが幸運。草が繁茂してたら行き過ぎていた

ろう。崎枝集落の手前から1120円の運賃。運転手さんも初めて来て

「へえ、こんな所から。」と言われていた。他に目印となるものはない。

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運転手さんに色々話を聞いてみたかったが、看板を見落とさないように

気を張っていたので殆ど会話出来ず。野底マーペーには登られたことが

あるよう。崎枝には小中学校があるが遠足で山に登ることはないようだ。

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登山道は良く踏まれている。これまで登った石垣島の山とは林相が違う。

温帯照葉樹林といった感じで南洋らしさを感じない。北風が吹き込み気

温も20度位と涼しとい。此処ではヒルの心配はしなくても良いだろう。

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大して傾斜も上がらない道を淡々と歩いて行くと、リュウキュウ松の大

木が路傍にあった。根本の周囲は3mはあるだろうか。見上げると多く

の枝が中途で折れている。度重なる台風に耐えて育った存在感を感じる。

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ようやく傾斜が増すと巨岩が次々に現れる。さらに急傾斜をこなして

暗い照葉樹の森に入ったと思ったら、次の瞬間パッと視界が広がった。

6畳ほどの岩のテラスは、北側の展望が効いて御神岬の灯台が見える。

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ガイド本にテラス1と記述の有る所だ。平たい岩に座り込んで一休み。

バスの車窓から見ると何処がピークだろうと思うほどの、凡庸な丘陵

だったが登ってみれば、尖峰の上かのような展望が得られる不思議さ。

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東側には午前中に登った前嵩が手前に、桴海於茂登岳、ウムヌファ岳、

ひと際大きい於茂登岳。よく見ると前嵩の鞍部から野底マーペーが頭

だけチョコンと出ている。カーラ岳以外の今回歩いた山全部が見える。

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テラス1での眺望に満足した後、再び照葉樹の森に入ると、三角点が

ある。昔は櫓が組んであったり、標識の旗竿があったり周囲は伐採さ

れてたが、今はチップが埋め込んであるので藪の中でも構わないよう。

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三角点から南東側へ少しで巨岩に出会う。此処が実質的に山頂だろう。

この形は何に似てるかな。ガイド本にはテラス2と無機質な名が記さ

れているが本当かな。これほど個性的な巨岩に名前はないのだろうか。

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上に登るとクジラの背のよう。山々の展望は同じ、南側には海が広く

見える。とても風が強いので家族は座り込んでいる。上着を着ていな

いハムは寒い。麓から見た平凡な山に、こんな展望所があるとは驚き。

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北風を避けて岩場の南側に座り込む。今日2回目の昼食。離島ターミ

ナルの売店で買った名物。金城かまぼこ店がたぶん元祖。かまぼこの

中にジューシーが入っている。もう一つは類似品で黒米が入っている。

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金城かまぼこ店のジューシーは270円とお高いが、家族に言わせる

と断然美味しいそうだ。ハム的にはどっちも同じように思うんだけど。

サーターアンダーギーの残りがデザート。まあまあ石垣島らしい食事。

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南側に見えているのは竹富島。30年前に行ったが、1時間もいると

飽きてしまった。その右奥に黒島が見えるはずだが平たい島で今日は

見えない。黒島では当時はキャンプ指定地だった仲本海岸で3泊した。

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サンゴ礁が素晴らしく、リーフ外側のドロップオフでもシュノーケリ

ングしたり、まだ観光地化してなかったので楽しかった。南西側には

小浜島。その向こうに西表島が見える。南風見田ノ浜でキャンプした。

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そこに定住者が二人いた。離婚して旅に出たという青年と、自給自足

の生活をしている仙人の様な爺さん。でも駐在さんが注意しろと言い

に来た。濃密な一泊二日だった。十分に展望を楽しんだので下ろうか。

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僅か5分で林道に降り立つ。此処から崎枝交差点まで4km位のはず。

やっぱり林道往復はつまらなかったろう。家族の足の問題もあるので

我が家の節約ポリシーには反するが、結果タクシーが拾えて良かった。

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グネグネと蛇行する林道を40分も下るれば、崎枝集落が見えてきた。

まる北海道のような広い田園風景。さて屋良部岳で予定の山行は終り。

天候は今いちだたけど、雨が降らず毎日行動できたのでまあ良しかな。

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崎枝バス停で時刻を見ると20分も待てば川平行きがある。オマケに

観光して帰ろう。ただ川平で次のバスターミナル行きは14分後。そ

の次は2時間後になるので、駆け足で川平湾だけ見に行くことにした。

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もちろん30年前にも一度来ている。晴天でエメラルドブルーの海が

とても綺麗だったとかすかに覚えている。当時は湾の一面に真珠養殖

の筏があったはず。今は一基もなく、海の美しさが増しているだろう。 

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曇りでも十分綺麗だ。今朝見た離島ターミナルはまるで飛行場のよう。

離島に渡る大勢の観光客で賑わっていた。外国人の姿も多いが、高齢

者の団体の元気の良さに驚かされたりした。石垣島の観光業は絶好調。

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それも新しい空港が出来て、更にLCCが就航するようになったから、

島の人も気軽に大阪に買い物に行ったりできるだろう。そんなことを

思っていたら残り4分しかない。慌てて川平公園前のバス停に向かう。

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同じバスに乗って来た外国人観光客の中にも数組が、我々と同じように

14分間の観光を試みていた。たくましい。バス停から見る前嵩はなか

なか険しい姿だ。川平から登るコース無いのかな。あれば歩いてみたい。

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