石垣島旅行4日目。明日は10時50分発の飛行機に乗るので、今日
が行動できる最終日。天気予報は曇りで紺碧の海に期待できない。し
かしながら展望的には一番期待できる、川平湾近くの山が残っている。
ホテルからバスターミナルへは空港線を使い。離島ターミナルで買物
したあと、8時55分発9系統川平リゾート線に乗車し、大嵩西入口
バス停で下車する。県道79号線を川平方向に数百米も進むと登山口。
今回の旅行は分県登山ガイド沖縄県の山を参考に行った。石垣島の山
の概念は分るが、実際に歩いてみると記述には問題が多々ある。此処
にはグリーンパークという施設がある事になってるがもう跡形もない。
小柄なリュウキュウイノシシ除けのフェンスを抜ける。家族が冗談で
グリーンパークってジェラシックパークみたいに、恐竜を育てていた
んじゃないって言うが、南洋の雰囲気が充満していて、満更でもない。
ガイド本には完全な一本道とあるが分岐が現れる。電信柱に右を差す
矢印。因みに左を登ると急斜面を、主稜線の電波塔に直上するらしい。
右手に下ると沢沿いの道となる。道自体は於茂登岳とよく似た感じだ。
今にも小型恐竜が出てきそうな雰囲気。グリーンパークで検索してみ
ると、島の反対側の農業法人が出てきたので移転したのかも。ともか
く、かなり以前のことだろう。バスの運転手さんは何も知らなかった。
道はコンクリが流し込まれた簡易舗装。ガイド本は常に改定が必要だ。
それを怠る「山と渓谷社」の編集姿勢も残念。著者も本島在住なのか
熟知されてるとは思えない。桴海於茂登岳でも曖昧な記述が多かった。
主稜線に出ると山頂への道は東側だが、いったん南側へ進む。電波塔
の有る場所も見ておきたい。何しろ標高263mなので、時間も脚力
もたっぷりとある。視界のない樹林の中、ほぼ平坦な道が続いている。
まずはNHKの電波塔に到着。周囲は樹林に囲まれており展望はない。
更に西へ道が続いている。ガイド本には記されてないが行ってみよう。
やや寒く感じている。今日の最高気温は22度で昨日よりも4度低い。
西側へ少し進むと民放の中継局があった。周囲にはコンクリが打たれて
北側方向の視界がある。石垣島在住の方のブログで、此処を山頂と勘違
いされて引返された記事を見たが、そう思われるのも無理はないだろう。
電線が邪魔だが川平湾から北部の山まで見ることが出来る。大勢で休憩
するなら、本当の山頂より此処が適当。低い雲が垂れ込めて海の色も冴
えない。週間天気予報ではこの日が一番良かったが、不安定な島の気候。
昨日登った野底マーペーが印象的な姿で見えている。この場所の情報も
有益。だが分県登山ガイドに、民放中継局付近の様子は記されていない。
一番問題があると思うのは、川平方面はバスの本数も多く、利用価値が
有るのに案内せずに、タクシー・レンタカーを勧めると一言で終わらせ
ているところ。それを読んで来るのを諦めた人が居たなら残念なことだ。
元来た道を分岐まで戻って、主稜線を東側へ進む。良く踏まれている道。
登るにつれて傾斜は増すが、滑りやすい所にはロープも設置されている。
やがて例によってリュウキュウチクが繁茂する藪道となる。道はしっか
りしているが数メートルも離れると、先を行く家族の姿が見えなくなる。
笹藪の行き止まりに四等三角点があった。此処が頂上だという証しぐら
いの存在感。周囲は二・三人なら座り込める広さ。左右に丸い石があり、
それに乗ると笹薮越しに展望が得られる。まず北側の川平湾が目に入る。
やや空気が濁っている感じだ。曇天のせいだけではないように思われる。
白いコンクリートの家並みにオレンジ色の屋根が垢抜けている。手前の
岩峰が気になる存在。頂上からの眺めはさぞかし、登ってみたいと思う。
北側に川平石崎。手前の湾が底地ビーチ。石垣島は海流の早い所が多く、
泳げる所は存外限られている。その中でも美しいビーチ。それにしても
急斜面の上に立っている。一歩踏み出すと麓まで笹の上を滑り落ちそう。
西側は川平湾越しに、於茂登岳や桴海於茂登岳が望める。米原にかけて
アウトリーフに出来る白波が続く。川平湾は大きな池のようだが、こん
なに海水が綺麗なのは、潮の流れが速く海水が入替わってるからだろう。
先程いたテレビ中継局も見えている。僅かに此方が高いように思われる。
左手はぶざま岳だろう。現在は使われていない古い林道が、崎枝交差点
から伸びているそうだが、山頂は展望がないらしく、食指が動かない山。
まだ早いが一回目の昼食。離島ターミナルで買ったジューシーおにぎり
とサーターアンダギー。おにぎりは味が濃くて閉口する。アンダギーは
小ぶりなものが6個で300円。生地が詰まっているので重量感はある。
下りは元の道を戻る。沢沿いのシダ植物は、ナンヨウリュウビンタイと
いうらしい。本当に恐竜でも出てきそうな雰囲気を醸し出している。於
茂登岳で見たヒカゲヘゴはないようで、それぞれ棲み分けがあるのかも。