摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

新穂高・三枚岩4ルンゼに臨むが、あえなく敗退する

5月連休が明けてから、不順な天候が続き、ようやく晴れるという

ので、金曜日に山に行くことにした。4月27日に三枚岩3ルンゼを

辿れたことに気を良くして、4ルンゼにも行ってみようと思った次第。

今日もケーブル・ロープウェイを乗り継ぎ掬星台に上がり、水道管理

歩道を下っていく。道沿いに藤の花が沢山咲いていた。空気は乾燥

し爽やかだ。最低気温は12度、最高気温は24度前後になるという。

シェール道が生田川を渡る所で小休止。上流に見える小堰堤を越えた

所で、左岸から流れ込むのが三枚岩の4ルンゼ。5年前に周囲を一度

歩いているが、その地形は忘れたというか、全く理解出来ていなかった。

それを此の後に思い知る。小堰堤を越えてすぐ4ルンゼへの谷に入る。

ごく短い谷ではあるが、河床の岩が露出し水流がある。フェルトシュー

ズに履き替えたが、滝は巻いてしまうので、必要無かったかもしれない。

2米にも満たない小滝。傾斜は緩いが登れない。落ち口に積もった浮

岩を崩すのが怖く、思いきって行けない。左岸から巻き上がってしまう。

続いて3米程の小滝。此処も登れず右岸から巻く。1・2・3ルンゼに

比べて流域は短いのに、それなりに谷らしい様相。それも此処まで。

小滝の上はガレが詰まり伏流となる。この辺りで家族から遅れ気味

になった。どうも調子が良くない。普段からもっと運動するべきだろう。

先行する家族が「凄い!」と声を上げる。何事かと追いついてみると、

ハングした岩壁が前方を阻んだ。その岩壁は左右に延々続いている。

僅かな水流が落ちているので、谷芯は此処だろう。ハングしているし、

岩はとても脆い。滝というよりも、4ルンゼの岩壁の末端という感じだ。

まず西側へ巻いてみる。何処か岩場が切れているのではと思うが、左岸

の尾根まで岩場は続いていた。尾根に乗った後も急峻で谷に戻れない。

谷に下れないまま尾根を登って行くと、六甲線一九鉄塔が見えてしまう。

4ルンゼ側は急峻な上に樹林が多く見通せない。ザイルを出せば谷に

戻れるが、イマイチ気乗りしない。それより対岸の岩尾根が良さそうだ。

そこで登ってきた尾根から再び谷に下って、東側から巻いてみることに。

ハングした岩場は、東側も尾根まで続いていた。つまり谷一杯に広がっ

た岩場である。断層が露出しているのかな。奇観と言っても良いだろう。

荒々しい地形を表現するオブジェのように、不思議な形状の松が、落石

を受け止めている。岩が落ちたのが先か、松が変形したのが先なのか?。

4ルンゼの右岸尾根。つまり3ルンゼとの中間尾根に乗った。何となく

踏跡が有るような無いような。一度は歩いているはずだが覚えてない。

東側からは容易に、ハングした岩場の上に戻れた。僅かに水流がある。

先に登って行った家族が、「前方は土が詰まっている。」と云うし、樹林も

濃いので登る気が無くなる。だが、これは誤りで詰めてみるべきだった。

右岸尾根に戻って、階段状を容易に登って行く。4ルンゼを詰めてみよ

うという目的で来たのだから、この時点で迷走というか、敗退していた。

数十米も尾根を登ると、六甲線一九鉄塔と4ルンゼ上部の岩場が見えた。

ルンゼ中央に進んでみる。核心部は20米ほどかな。斜度は40度から

50度。岩が脆くなければ、昔のグレードで、3級マイナスあるかないか。

後ろから家族が、「登れそうじゃない?」とか言うが、ハムには登れない。

情けない気分で、再び尾根に戻り登って行く。鉄塔側からは、もっとスッ

キリした岩場のように見えたが、けっこう松の木がうるさい。傾斜は緩い。

一方ルンゼの上部は傾斜が更に上がる。家族も「難しいか。」と言いだす。

家族は最後の所で東側に回り込んで行った。ハムは最上部を西側へトラ

バースする。一部サイトで、天狗岩と呼ばれる岩の上に出る。だが4ルン

ゼ全体のスケールからすると、名前が付く程の個所ではないと思われる。

稜線にはミツバツツジに代わり、ヤマツツジモチツツジが咲いていた。

一般道を新穂高山頂まで歩き昼食休憩。新しいホテルの朝食メニュー

「ヴォロヴァン」が目玉というニュースを見る。ネットで調べると作り方は

至って簡単。パイシートを円形と輪に繰り抜いて、オーブンで焼けばパイ

の皿が出来る。今日はそれにツナとクリームチーズを和えた物を入れた。

新穂高から東へ下り奥摩耶ドライブウェイへ。先週に続き藤の花を

間近に見る。掬星台からロープウェイで下る。中間駅で16,912歩。

ケーブル山麓駅から桜トンネルへ下る。51本の内10本は幹内部が

痛んでおり伐採される。今日の山行を顧みると、他人ごとではないな。