摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

北山公園を経て鷲林寺南町、七曲谷道

火曜から水曜の朝にかけ、雨が降った。だからどうって訳でもないが、

19日の木曜日は、早朝から晴れている。今日は歩数を稼いでみよう。

夙川の河原を歩いて銀水橋から北山公園に入る。ここまではいつも通り。

西側に向かい適当に踏跡を拾って登って行くと、爽快な展望所があった。

右に見えるのは、甲陽学院高等学校であろうか。左側は南港まで見える。

西宮市は自然歩道の整備には無関心。この道も案内図に載っていない。

狭いように見えて園内の地形は複雑で分かり難い。とにかく北に向かう

尾根道を登って行く。ミツバツツジは終わりかけ、ヤマツツジが咲き始め。

尾根を登り詰めると緑洋展望所。こんな施設があるとは思わなかった。

展望よりも日陰が嬉しい。冷たいお茶を飲んで小休止。展望所から先

の道は南側に下ってしまう。北側に戻り、北山緑化植物園に入園する。

入場無料なので親しみやすい。平日だが大勢の来客で賑っていた。

新緑が美しいし色んな花が咲き誇って、通過するだけでも楽しめる。

通行量の多い82号線を歩いて行くと、ため池の向こうに西宮協立

リハビリテーション病院。後から地図を見ると、遠回りしてたみたい。

北山公園を出てすぐ、病院の南側を回り込む道に入れば良かった。

地図も持ってないし、事前に調べてないのでこうなる。鷲林寺南町

のバス停に到着。阪急と阪神のバス停がある。なぜか「さくらや

なみバス」は止まらない。阪急夙川駅から来る場合は注意を要す。

鷲林寺南町にも目を見張るような豪邸が多い。町内最上部の剣谷第

四公園奥から山に入る。小さな流れを二つ渡って行く。これが目的の

七曲谷右俣だが、今日は遡行ではなく地形図の破線路を歩くつもり。

山仕事用のピンクや白のマーキングテープが、たくさん付いているし、

シダ藪も刈ってある。近々工事でも始まるのかも。七曲谷第三堰堤で

尾根道と分かれて、昨年8月9日に遡行した七曲谷右俣に入って行く。

遡行した時は、ひたすら水流沿いを歩いていたので気づかなかったが、

地理院地図を見ていると破線路が記してあった。その道跡を歩きたい。

そう思って来たのだが、最初から外してしまったみたいで分からないな。

それでも少し遡行すると右岸に段差が見え、上がってみると幅の広い

道跡があった。柔らかい土砂が積り、見た目より歩きづらい。しばらく

は歩いていたが、小さな滝場を巻く為に、谷筋からやや離れてしまう。

やはり水流に近い所を、歩かなくては楽しくない。大岩の積み重なる

所は此の谷の数少ないハイライト。ゴム底だが濡れた岩を越えて行く。

特に家族は初めて来たので、出来るだけ谷を遡行して行きたい様子。

右岸の道跡は徐々に細くなるが続いている。地理院地図に破線路が

記されたのは、いったい何年前の事だろう。今は道とは到底言えない。

細い道跡が、踏跡程度になって行く。明るい疎林の緩やかな源頭部。

飛び出した稜線には、背の高いミツバツツジが咲いていた。此処は

観音山からゴロゴロ岳への縦走路と、奥池へ向かう道との分岐点。

かつては四叉路であったということになる。相当の通行があったろう。

今日の目標は別にあるのだが、その前に昼食を摂りたい。少し北側

にある展望岩場が良いだろう。ミツバツツジ咲く明るい尾根道を進む。

昼食後に、剣谷湿原に向かう。西宮市域にある湿原で、入域が禁止

されている訳ではないが、行き方は明らかにしないのがお約束のよう。

周囲の一般道は何度も歩いているが、全く見えず、こんな所があった

のかと少々驚く。樹木が伐採されているのは、木が水を吸って湿原が

消失するのを防ぐ為らしい。残念ながら、湿原はまだ冬の様相だった。

夏には湿原特有の動植物が見られるという。ところで湿原の水は芦屋

側に流れているようだ。つまり芦屋川水系、それなのに剣谷湿原という

名前も違和感があるし、西宮市域だという理由も、何かあるんだろうな。

ゴロゴロ岳の山頂近くに新しい案内板が出来ていた。芦屋市の作った物

で、基本的に芦屋側の登山道しか紹介していない。西宮市が道標整備を

全く行っていない事と比べれば、登山客を取り込もうという意欲を感じる。

苦楽園尾根に入ると、六麓荘へ下山するよう誘導される。なにしろ

標柱に「ゴロゴロ岳・六麓荘コース」と記してあるので、苦楽園には

下りづらい。西宮市は何か対抗策を打ち出さないかな。期待したい。

韓国では登山客は重要な観光収入源なので、地方自治体の作る案

内図には、隣接する自治体の登山道が全く記されていない事が多い。

そういう理由ではないのだろうが、結果的に西宮市の無策が目立つ。

苦楽園尾根の六麓荘への分岐には、2基の新しい道標が設置して

あった。さて、マイナーな六麓荘コースにも歩く人が増えるだろうか。

豪邸の塀の間を通って、六麓荘町内に下山。家族が見回しているが、

新しい道標はなかった。私有地で立てる余地もないだろうが、登山口

としては分り難く、「ゴロゴロ岳・六麓荘コース」は下山専用コースかな。

この日の歩数は、31,618歩。標高は低いが距離はあったのだろう。

(参考)にしのみやインターネットテレビ「湿原の生き物 甲山・剣谷」