摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

杣谷の支沢から六甲線一三鉄塔に登る

ずいぶん長く晴天が続いている。気温も連日20度を超えている。

少しぐらいなら濡れても大丈夫だろう、小沢を歩いてみたいと思う。

今年は早いと思われる、ミツバツツジの開花状況もチェックしたい。

六甲道から篠原北町の住宅街へ向う。季節には一度は歩きたい道。

両側から張り出た庭木が見事。遠くに掬星台の電波塔が見えている。

家族は暑いらしくTシャツ一枚になっている。4月下旬並みの気温とか。

長峰坂から杣谷道に入る。以前は杣谷堰堤上にあった白い桜を楽しみ

にしていたものだが、改修工事の折に切られてしまった。山寺尾根入口

の桜も、摩耶第5堰堤工事の際、架線を通すため西側が切られ歪な姿。

摩耶堰堤下の滑床で小休止する。ずっと快晴が続いているというのに

水量がそこそこある。今日の目的は短い沢なので、フェルトシューズは

要らないかと思ったが、念の為持って来たのは良かったかもしれない。

杣谷道を歩いて第3堰堤下の斜滝。廃バイクのある所。此処に長峰

から小さな沢が流れ込む。以前に、コメント欄から教えて頂いたことが

ある。だが何度も通っているのに、全くその存在に気付いていなかった。

前回3月13日に斜滝の巻道を通った時に、対岸に流れがあるのに

気がついた。今日よりも水量が多くて、緩い滝のように見えていた。

今日はそれほどの水量ではないが、沢用の足拵えに変え入渓する。

杣谷道から見るより、実際入ってみると傾斜は緩い。もう少しは

手応えがあるかと思っていたのだが。詰めれば六甲線一三鉄塔

に至る。ごく短い沢であるはずだが、はたして見所はあるだろうか。

二段になった小滝が現れた。難しく無さそうだが、岩が脆いよう。

ごっそり岩塊が抜けそうな気がする。僅かに水流があって冷たい。

続く上段の小滝は容易に越えられる。この二つの小滝で、核心部

が終了した事は何となく判る。後は伏流したガレが続くだけだろう。

グサグサの土砂と枯葉が詰まった谷は、とても歩き難い。一歩一歩

体力を消耗していく。藪を分けるような事が無いのが唯一の救いだ。

幾つか二俣はあったが、どちらに進もうと違いはない。適当に選び

登って行くと岩塊が散在する所。もうそろそろ一三鉄塔に着くだろう。

ぐったり疲れて一三鉄塔に到着。見上げる長峰山西面は、まだ彩りが

ない。ポツンと一本だけ白いのは、タムシバだろう。座り込んで小休止。

もう少し経てば、山桜やツツジ、新緑でパッチワークの様になるのだが。

一三鉄塔から長峰頂上への巡視路沿いは、ミツバツツジの密生地。

今のところ、ツボミ膨らむといった風情。日当たりの良いハチノス谷

東尾根や西尾根の下部は見頃だろう。ただ今日は掬星台に抜ける。

中段のプラトーに立つ老大木。好きな樹の一つで、台風にも負けず

立っていてくれて嬉しい。この後はまた急峻で歩き難い道を頂上へ。

ヘロヘロになって長峰山頂上の天狗塚に到着した。春霞で展望は

優れない。持って来たビールを飲みたいが、掬星台まで我慢しよう。

タムシバとかコブシは群生しないので、遠目にはキレイなんだが、

写真にしにくい。杣谷峠への道沿いにはドウダンツツジも満開だ。

峠からはドライブウェイをブラブラと歩いて行く。摩耶別山北面にも

白い花を咲かせたタムシバが幾本かある。桜はまだ咲きそうにない。

掬星台では紅梅が満開になっていた。やはり平地より半月は季節の

進み具合が遅いようだ。平日だが団体ハイカーや観光客もチラホラ。

昼ご飯は家族が朝に急いで作ったオニギリ。山で飲むのに良かろうと

頂という名のビールもどき。黒猫が来てチョコンと座っておねだり態勢

でも、すぐに何もくれないと察したのか、寝転んだあげく腹まで見せる。

何が言いたいのかな。野良猫にしては不用心なスタイルだと思うけど。

今年度は再び5000円で友の会に入った。ロープウェイで下山する。

会員証のデザインが新しくなって、MASACAというのはパロディ?。

別にICカードではないが、ケーブルのイラストがスッキリしてて良い。

同じケーブルで下山した、香港人の女性に2系統のバス停を聞かれる。

少々遠回りだが、桜トンネル経由で観音寺バス停へ案内する。桜もまだ

残っており喜んでおられた。我々はそのまま歩いてJR摩耶駅に向かう。