摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

荒地山・道畦谷中俣と右俣の中間尾根を登る

2月26日の月曜日。天気予報では晴れだが、昨夜降った雨の

せいなのか、湿気が多く大気はボーっとしている。土曜・日曜と

引き籠っていたので、少しは運動しなくてはと11時に家を出る。

芦屋川の開森橋に12時前に到着。おや、今まで芦屋川のことは

「あしやがわ」と発音してたが、「あしやかわ」が正しいのだろうか。

橋の銘板が「ひらがな」なのは、通学の子供達に教える為のよう。

道アゼ谷堰堤を越え、水流のない谷を登って行く。南尾根辺りで

お茶を濁そうかと思っていたが、此処へ来る途中の崩落箇所で、

一人黙々と石階段を設置されている方がいて、少々元気を貰う。

歩いたことのないコースを選ぼう。道アゼ谷第2堰堤を越えて、

中俣と右俣の出合の小滝。両者の中間尾根を登ってみようと

思う。用意は何もしていないので、難所があったら引き返そう。

右俣には県の作った治山ダム。中間尾根の取りつきは階段状

の岩場。だが、こんな歩き易い所は長く続かないだろう。問題が

あるとすれば険しい岩場よりも、濃密なシダ藪の通過と思われる。

治山ダムは2基ある。その天端までは古い作業道らしき道跡が

続いていた。此処から上は少々怪しくなる。棘のある木が多い。

だが何となく歩いて行ける。鋸目があちこちに見られ、切り開か

れている。シダ藪も薄い所が続いて、どうやら踏跡がありそうだ。

両岸を岩に挟まれた凹地を登って行くと、左手が明るくなった。

藪を分けて行くと、三角オニギリを積み上げた様な岩稜にでる。

木が刈られ、その根元に古いワイヤーが残されている。どうやら、

此処はダム工事に利用されていたよう。それで踏跡があったのか。

その踏跡も、急斜面に生えるシダ藪に消えてしまった。後は突っ

込んで行くしかないと覚悟する。枯れたシダの葉屑が舞い上る。

標高差にして数十米も進むと、中俣から上がってくる岩場がある。

南西に、中俣と左俣の中間尾根が見える。かなり険しく見えるが、

こちらも同じような傾斜だろう。ただし植生はずいぶん違うようだ。

綺麗な緑のシダのように見えるが、その下の葉は枯れているので、

もうもうと葉屑が舞い上がるのは変わらない。口に入って咳き込む。

家族と一緒に来ないで良かった。ハムでも首から上が出るくらい

なので、背の低い家族は、シダ藪に頭まで埋まってしまうだろう。

数十米おきに岩が点在する。そこでだけ一息つける。あたかも

シダの海を泳いで、岩礁に辿り着くかのよう。そして又飛び込む。

鷹尾山や新神戸線四四鉄塔が、かなり低く見えるようになった。

だが尾根の斜度は落ちないし、シダ藪もまだまだ続きそう。いや、

実際には大した距離ではないんだろうが、進む速度が極端に遅い。

ようやく尾根の傾斜が落ちると、岩場が多くなって樹木も増える。

シダ藪は消え、松の多い細尾根になった。もう山頂は近いはず。

もう何処が尾根だか分からない緩斜面だが、一段高い所を選んで

歩いて行く。左側の凹地は、以前歩いた中俣の源流部に違いない。

飛び出たのは、芦有道路の芦屋ゲート向かう一般道と、山頂から

下って来る踏跡との三叉路付近。右手の踏跡に入り山頂へ向かう。

時刻はちょうど15時。中間尾根の取りつきから2時間のアルバ

イトだった。水泳したの同じように全身が疲労している。コーヒー

とアンパンで昼食にするが、疲れすぎて食欲もない。早々に下る。

だらだら歩いていたら、知らぬ間に道畦谷南尾根の道に入っていた。

正確に言うと、道畦谷中俣と左俣の中間尾根。良い道がついている。

今日歩いたルートを望む。予想通りシダ藪は強烈だった。危険に

思われる所は無かったが、もっと良いコース取りはあっただろうか。