摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

山羊戸渡から「槍穂」を縦走して水道管理歩道

2月14日の水曜日。予報では降水確率0%。気温も10度まで

上がるという。自宅に引き籠っていると一日100歩も歩かない。

持病を考えれば、週に2回は山に行くべき。さて何処にいこうか。

阪神御影駅から神戸市バス16系統に乗車し、六甲ケーブル駅で

下車する。市内に住んでいた頃の、回数カードがまだ残っていた。

表六甲ドライブウェイの旧道を歩き、山羊戸渡に向う。西谷出合の

手前で沢に下る道が出来ていた。下ってみると先行していた家族

が悲鳴を上げる。罠に掛ったイノシシが水没していた(合掌)。黄色

いスノーボートは、それを道まで引き上げる為に置いてあるようだ。

久しぶりに歩く山羊戸渡は随分と急峻に感じる。一時期は好んで

歩いていたが、赤や緑のペンキで汚され嫌になり遠ざかっていた。

そういった汚れも色褪せて、以前の落ち着きを取り戻しつつある。

短い尾根だが、グイグイ標高を稼いで行くのは、中々気持ち良い。

昨日は平地でも雪が降っていたので、きっと六甲山は白く化粧し

てると思っていたが、溶けてしまったか見る限り積雪は全く無い。

ミヤコザサが出てくると、登り応えのあった山羊戸渡も終わりに

近い。自然の家のグランドを抜け、奥摩耶ドライブウェイに出る。

六甲山観光牧場へ向けて、車道をしばらく歩き、コンクリ疑似木

の柵が途切れる所で西側の藪に入り、小高い所を目指して登る。

数十mも歩けば、六甲山牧場の眺めが良い所に出る。自然の家

ハイキングコースの最北部。ロープの張られた急坂を沢まで下る。

今は閉鎖されている冒険の里・シェール槍コースを進む。沢には、

幾つかワイルドな遊具が放置されている。昔の子供は強かった。

古いトラロープに誘導されて、西側斜面に続く道を登って行く。

すぐに大きな展望岩が有る。穂高湖は昨日の雪が残り真っ白。

穂高湖の畔から登ると、10分も掛らずにシェール槍の頂上に

着きあっけない。それに比べれば少しは山歩きしている気分。

風化した岩場の裾を北側から回り込んで行くと、頂上は近い。

シェール槍の頂上から穂高湖を望む。中学生だろうか氷上に

沢山の子供達がいる。溶けている所もあるが大丈夫なのかな。

槍の頂上からは西の新穂高を目指して、尾根筋を下って行く。

西側の小ピークに展望岩がある。此処までは立ち寄る人も

いるのか、細い踏跡がある。だが此の先には道らしきはない。

シェール道までは笹原を下るが、笹の下に岩が隠れているので

気が抜けない。もう何度も歩いているが毎回違う所を下っている。

そのままシェール道を横切り、生田川源流を対岸に渡る。小さな

沢を詰めて鞍部まで登れば、徳川道からの一般道に出るだろう。

藪に阻まれて難渋するかと思った箇所だが、存外に歩き易い。

土が凍って固さでは判断できないが、獣道か踏跡か続いてる。

シェール道から鞍部の一般道に出るまで約10分。そこから

新穂高の頂上までも10分足らずだった。頂上で昼食を摂る。

頂上からは西に向けて下る。途中の展望岩は左右に道があ

るが、南側に回り込むと、手足を使って岩を登れるので一興。

風がなくて冬の低い日差しにも、僅かながら暖かさを感じる。

徳川道に下り、シェール道分岐まで進む。救急通報プレート

「き2−2−5」の公設道標から、南の水道管理歩道に入る。

水道管の埋められた尾根は、その部分に木が生えず明るい。

だが、なんちゃって槍穂縦走を終えた身には、堪える登りだ。

桜谷と此の尾根の間には小沢があり、その支流が氷結してい

る。以前にも見掛けて、翌週に下ってみたが、すっかり溶けて

しまっていて、本当に氷瀑だったのかと怪しんだことがあった。

土嚢で路肩が補強された道を登って行く。昨年10月の台風は

此処にも多くの爪痕を残していた。幾本もの大木が倒れている。

上部で右側の源流が氷結しているので降りてみる桜谷中流

下る小沢だ。下流側も凍っているが、出合からはどんなだろう。

今年は十分寒いが積雪は少ないよう。それが残念に思われる。

雪遊びを楽しみにしてる子供達、海外からの観光客にとっても。

午後からは高曇りになった。だが存外に遠望は効いて、大台、

大峰の連嶺が白く見えている。掬星台からは山寺尾根を下る。