摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

寒谷から摩耶東谷、青谷道から旧摩耶道を下る

このところ毎年、冬の始まりの時期は寒さが応える。なのでずっと

家で縮こまっていたが、ようやく寒さに慣れたのか、外出する気に

なった。ちょうど三ノ宮に用事があるので併せて、摩耶山に行こう。

今日の最高気温は10度だというが、風も弱く日差しがあって暖かい。

長峰坂を登って行くと、ジャケットの内ポケットに入れていたスマホ

画面が湿気で曇っている。年のせいで寒さに対して臆病になっている。

摩耶第三堰堤まで淡々と歩いて行く。トレラングループに追抜かれ、

自分のヨタヨタした歩きが恥ずかしくなる。歩くのが遅いというのは、

反射神経が衰えているんだろう。ボケの始まりなのかも知れないな。

堰堤上のルンゼから寒谷北尾根の道に入る。尾根に乗った所でバンド

を進んで、寒谷の河原には下らず最初の堰堤を越える。今日は何処に

行こうかと考えたが、とりあえず今まで歩いたことのないコースにしよう。

堰堤上の河原を進むと、小滝とも言えない段差がある。両岸が狭く暗い。

この付近が一番寒かった。岩を触ると指先がかじかみ、手袋を着用する。

最初の堰堤と次の堰堤の中間辺り、山寺尾根からガレが押し出ている。

細いようにも思ったが、歩いた事が無いのだから、此処を登ってみよう。

斜度も上がらず、100mも進まない所でガレは途切れ、川床の岩盤

が露出する。その上は倒木と岩場に阻まれ、右へ右へ追いやられる。

それにしても倒木が多く荒れている。登り易い所を選んで左に戻る。

倒木帯の上は大きく山抜けしていた。まだ土は固まっていない。今年

のことかな。再び右に戻って行くと、隣の浅い谷が見える尾根に乗る。

そちらの谷に入っても良かったが、それは次の機会にしよう。抜けた

部分の上に戻る。東に長峰山が見える。後は斜面を登って行くだけ。

稜線に出れば山寺尾根の一般道。それはそうだったが一瞬目を疑った。

此処にも大きな木が倒れている。前回山寺尾根を歩いたのは4か月前。

その後に大嵐の日があったのだろうか。考えてみるが思い当らない。

掬星台に寄る理由もなく。神戸市の通行止めの看板から下って行く。

上の写真、左手の道は東谷の行者滝に至るが、今日は直進してみる。

9月26日に歩いた深谷第三堰堤上の支谷の右岸尾根。此処も初めて。

左に谷を見ながら適当に下ってると、やけに傾斜が急になってきた。

このままでは支谷に下ってしまいそう。少し登り返し左手に移動する。

さして苦労せず緩やかな尾根に乗る事が出来た。この尾根が東谷

まで続いているはず。ロープウェイから見える直線的な尾根だろう。

下生えもなく傾斜も一定で歩き易い。道があっても良さそうだけど、

鉈目や鋸で切られた跡もない。足裏の感触でも踏跡は感じられず。

南の尾根上に摩耶観光ホテルの廃墟が見える。平成6年まで、

摩耶学生センターとして、ゼミ旅行などに利用されていたという。

昔の会社の同僚が、泊まった事があると言っていた。羨ましい。

最後まで歩き易い尾根が続いた。それでいて人の気配がない。

存在は知っていたが9月26日のコメント欄からヒントを頂くまで、

歩こうと思わなかった。摩耶山にはまだ知らない良い所がある。

下り着いたのは、ピッタリ二条の小滝の上。とても分かり易い場所。

ところで今日は三ノ宮に行く。東谷を下るのは迂遠だ。二条の小滝

の少し上流から、斜面を絡むように登って行き、南側の尾根に乗る。

数年前まではハッキリした道だったのに、今は雨で流されてしまい

途切れ々になっている。なぜこの道は上流に向かって下るのかな。

第四堰堤の建設時に、虹の駅からの通勤路だったのかもしれない。

尾根上には踏跡があり、登りつめればロープウエイ虹の駅に至る。

青谷道に抜けたいので、適当な所で西側の斜面に入る。確かこの

辺りに踏跡が続いていたと思ったんだが。また道を失ってしまった。

しばらく摩耶山に登らず、体力だけでなく感も鈍ってしまったよう。

ズルズルの斜面をヨタヨタ這い上って、ケーブルに沿う道に出た。

石段は登らず上の写真中央の道に入る。青谷道へのバイパス路。

青谷道を下った行場では、正月準備で紅白の幕を張っておられた。

旧摩耶道に入るとトレラン・グループ3組に抜かれる。今日一日で

イカーには2組しか会ってない。今や山ではトレランが主流かも。

旧摩耶道でも大きな倒木がある。コメント欄から教えて頂いたが

10月に通過した台風21号による被害だそう。すっかり忘れてた。

熊内八幡神社も正月準備が出来ている。今日は好天に恵まれた。