摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

雙鹿石澗から大枕蓋(408m)・・・・・・西貢・・・2017年12月13日

旅行2日目。鑚石山(ダイアモンドヒル)駅発の92番バスに乗って、

まず西貢に行く。29Rのバスの時刻まで時間があったので、飲茶の

朝食を摂ることが出来た。29Rは親民街のマクドナルド前から出る。

8時半に西貢を出発、30分弱で西湾亭に到着する。西貢東郊野公園

の玄関口ともいえるバス亭だが、東屋があるだけで人家も売店も無い。

西湾村まではコンクリ舗装の道を下って行く。車道があっても良さそ

うな区間だけど、あえて歩道だけにしてあるようだ。水源保全のため

だろうかな。我々の後ろには、村人らしいお爺さんも歩いておられる。

30分で西湾村に到着する。此処には観光客相手の食堂が数軒有る。

通過するのは2度目だが、寂しい雰囲気で、休憩する気にもならない。

村のはずれには、公共トイレとキャンプ場がある。海岸では漂着物を

清掃している人達がいた。マクリホース・トレイルの標識に従い進む。

すぐに西湾の最奥に流れ込む河口に至る。目指す雙鹿石澗の入口だ

ろう。上の写真は河口にかかる橋の上から撮っている。道はどこかな。

橋を渡った所に、「危険につき先に進むな」という看板があり、その

背後に踏跡がある。ゴミの散乱した汚い所を抜け竹藪に入って行く。

左岸を歩いているが、もしかすると右岸にもっとしっかりした道が

あったのかもしれない。四畳潭以降の踏跡に比べて頼りなさすぎ。

適当な所で河原に出ると、岩壁をへつって行く。水は淀んでいる。

400m足らずの高さの山にしては、両岸の岩壁が発達している。

大雨の時には凄い流れになるだろう。ただし前方を見ても標高が

上がって行く気配もないので、山を歩いている気分にはならない。

大きな淵に到着した。これが四畳潭だろう。夏には水浴する人で

賑うというが、冬の今でも水質は悪い。この付近の山には水牛が

生息していて、大きな糞を見かける。一応水泳禁止の看板もある。

四畳潭を越えると平流となる。これが結構長くて退屈だ。傾斜も

一向に上がらない。変化のないまま終わるのではと心配になる。

この西貢東郊野公園は、シャープピーク以外は凡庸な山ばかり。

そこにこんな岩の多い渓谷があるとは、今まで想像もしなかった。

ようやく前方にネットで見た滝が現れた。千絲瀑という名の滝だ。

高さは40mもあるだろうか中々見応えがある。滝の下で小休止。

水量が少ないのが残念。意外に傾斜が緩く左岸の側壁を登れる。

順層の階段状で難しくないが、落口に立つと結構な高度感がある。

千絲瀑の上には堰堤があり興ざめ。左岸から巻き上り藪を抜ける。

再び谷に戻ると、整備された道が横切る。 鹿湖郊遊徑だろう。

此処で遡行を打ち切ることも考えたが、まだ11時だし進もうか。

遡行を続けると、淵の奥に直瀑がかかる。フェルトシューズなら

登ってみたいと思うが、スニーカーでは難しい。左岸を小さく巻く。

滝が続く。傾斜も上がり沢らしくなる。正直なところ、此処までは

眠かった。この滝は右岸の階段状の側壁を、簡単に越えて行く。

次はゴルジェ状の奥にかかる滝。両岸が立って巻けそうにない。

右岸を斜上して落ち口に至るが、これまでと異なり、やや逆層気味。

ハムが先行する。後続の家族は、一歩だけ緊張する所があったよう。

次の滝も側壁を巻いて行く。この辺りでは滝が現れる度に左岸から

尾根に逃げる踏跡がある。登って行けば鹿湖郊遊徑に出るはずだ。

この先で詰まるかもしれないが、何処かで左岸に逃げれるだろう。

ところで雙鹿石澗の「澗」の字は、谷の意味だろう。9月に旅行した

北海道の日本海側にも、「澗」という地名が河口付近によく有った。

香港と北海道で、同じ漢字を使っていても、不思議ではないけど、

谷や渓との文字の用法の違いは、どういう地形によるのだろうか。

此処は右岸の岩壁の上を巻いて行く。中々変化が出てきて楽しい。

ラスボス的な大滝。高さは30m近くありそうだ。中段で水流が

岩の裏を通っている。此処は左岸にしっかりした巻き道が有る。

樹林の中を登ると、側壁に出てから落ち口に至る。上部では解

放感があるし展望も広がって、巻き道といえども楽しい滝だった。

最後の大滝の上は平流となった。さすがに標高400mの山では、

これ以上変化は望めない。流れに沿ってしっかりした踏跡が続く。

左岸から鹿湖郊遊徑に登って行く踏跡はあるが、目指す大枕蓋は

右岸側にある。水流が切れるまで歩いて、ようやく踏跡が現れた。

主稜線までは背の低い照葉樹や笹の藪道。後で写真のデータを

見ると沢から15分しか掛ってない。歩いてる時は随分長く感じた。

峠状まで出るとハッキリした道がある。大枕蓋の山頂は近いはず。

南側に萬宜水庫を望む。海のように見えるが利水の為のダム湖

13時ちょうど大枕蓋の頂上に到着。名前の通り緩やかで丸い

山頂。西にシャープピークが頭だけ見えている。昼食休憩する。

山頂からは東西に道が有り、どちらを歩いても北潭路にでるが、

ややバス停へ近いと思われる鹿湖郊遊徑を経由する道を選ぶ。

コンクリ舗装された鹿湖郊遊徑。この道は西湾亭と北潭路を結ぶ。

香港の公設トレイルにありがちな、どのピークにも寄らない散策路。

14時20分、北潭路のバス停に出る。この近くにはキャンプ場が

沢山あり。乗客もキャンプ帰りの人が多い。西貢でバスを乗継ぎ

石山駅に戻る。階上のスーパーで夕食を買って尖沙咀に戻る。

「嘉鏵足跡」さん(2017/7/25)のブログを参考に致しました。多謝。