摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

ワアヒラ・リッジトレイルからオリンポス山(757m)・・・2017年11月7日

オアフ島旅行9日目。今日は朝からスッキリ晴れていた。こんなに

良い天気は初めてだ。少し時間の掛りそうなコースに行ってみよう。

ワイキキから見上げると、住宅街が山の高い所まで広がっている。

ワイマナロ・ベイキャンプ場から57番バスに乗り、ホノルル動物園

東側で30分近く待ち14番バスに乗り換える。14番は二つの山手

の住宅街を結ぶ。我々が向かったのはセントルイスハイツという所。

ところが、バスは終点まで行かなかった。舗装工事をしているので、

その手前で下された。登山口は、行けば分かるだろうと思ってたが、

高い方にどんどん歩くと行き止りになる。犬に吠えられ下ってきた。

一つ手前で西へ曲がらねばならなかった。工事してる人がやっぱり

間違えてたかという感じで、笑い乍ら教えてくれた。立派な家が多い。

住宅街の西端に看板があった。州立森林公園かな。駐車場・トイレ

東屋・水道などの設備が整っているが、キャンプは禁止。9時30分。

公園の奥にトレイルヘッドがある。不思議な感じの大木が並んでる。

成長するにつれ枝が自然に落ちるようだ。なんていう樹なんだろう。

バスでかなり標高の高い所まで上って来たので、トレイルに入って

も余り登らない。どちらかというと下りの方が多い様な気さえする。

ワアヒラ・リッジトレイルは樹木の多い尾根道。思ったより展望は

良くない。僅かにホノルル市街が見えた。この頃はまだ晴れてた。

サーっと霧雨が降り、また陽が差す。西側にキレイな虹が掛かった。

昨日までより明らかに気温が低い。東から冷たい風が吹き抜ける。

大して登った気がしないまま、公園入口から1時間程でトレイルの

最高所に来た。これでは登山道というよりも、遊歩道みたいだな。

家族が、「End Of Trail」の看板に怒りの鉄拳をいれる。だが公式

のトレイルではないだろうが、良く踏まれた道が続いてる。進もう。

ちなみにトレイルは、左に下って行き、マノア・ロードに出るそうだ。

分岐から少し登ると、南西の方向に展望が開ける。此処までは

休憩できる所も無かったので、此処で休んで遅い朝食にしよう。

リンゴの品種はフジだったが、日本の物より小振りで甘味は少

ない。山で食べるには食べ易い。シナモンロールは好物の一つ。

この付近は、ツバキに似た照葉樹の林が続く。その木には

赤い実が沢山なっていて、道に熟した実が沢山落ちている。

食べてみると美味しい。味は林檎とか、アプリコットみたい。

種は多いがジャムにしてみたい。摩耶山にあったらと思う。

先の看板からすると、州政府は管理してないだろうが、草刈り

されてる。先には土留階段や残置ロープもある。クリオウオウ・

トレイルで見掛けた人達のように、整備する方がいるのだろう。

見晴らしの良い平地にでた。此処には青年がいて、「雨だから

もう下るよ。」と言って、降りていった。そうか晴れないのかな?。

展望は中々良い。ダイアモンドヘッドは晴れてるが、ダウンタ

ウンには雨が降っている。今日までは、サーッと雨が降っても

しばらくすると、からりと晴れるということが多かったのだが・・・。

稜線は相変わらずガスに覆われ、霧雨が断続的に降っている。

見慣れない植物が多くある。朽ちた木に綿のような寄生植物。

展望こそないが、そんな珍しい草木を眺めながら歩いて行く。

地図は持っておらず、何処まで道が続くのか分かっていない。

この時は、主稜線まで登れば、谷を挟んで対岸に見える尾根

を下れるのではないかと思っていた。結局その予想は外れた。

尾根上には3か所の平地がある。後でユーチューブの動画や

ブログでみると、これらの平地をハイキングの目的地とされて

いる人が多い。晴れてれば展望も良いので、分らぬでもない。

だが目の前にまだ尾根が続くのに、折り返す気にはなれない。

案内図とかはもちろん、山中には道標の一つもないので、今、

自分が何処にいるかも分かってない。高度計でも持ってれば。

滑りやすい急斜面がある。ステップが切ってあったり、残置

ロープがあるので難しくはない。ただ泥まみれになっていく。

降り続く霧雨に、家族は嫌になっていたようだ。だが時刻は

まだ12時半だし、前方に見えるピークまでは行ってみよう。

苔むした老木が、幾本も立つピークに達した。帰国してから

ユーチューブで「NOT So Good Hikers」さんの動画を見ると

此処を頂上として紹介されていた。この時はそれも知らない。

道は少し先まで下って行き。一畳ほどの空地で終わっている。

いや踏跡がまだ先に下っているが、これまでの道とは明らか

に異なる。頂上に達したかどうかは分からないが、もう下ろう。

山を登るなら頂上を目指すものと思っていたが、ハワイでは

そういう認識はないようだ。山頂に山名板や標高を示す物が

あった試しがない。そういや測量に必要な三角点もなかった。

登りでは気づかなかったが、尾根の両側は急斜面の草付き。

天気さえ良ければ爽快な所だと思う。どんな景色なのかな。

泥の急斜面は、ステップやロープが設置してあるから下れる

が、何もなかったら、相当苦労したろう。深い溝になっていて、

腰の位置が低い家族は、側壁にすれ泥だらけになってしまう。

ワアヒラ・リッジトレイル分岐に下ってきた。マノア・ロードに

下ろうかと思ったが、泥だらけのままバスに乗れない。元の

公園で洗い流す必要がある。結局ピストンという行程を選ぶ。

標高の低い所でも、かなり雨が降っていたようだ。赤ん坊を

抱いた若い夫婦が、裸足で登って来られたのは少々驚いた。

靴の泥は洗い流したが、服はゴミ箱行き。トイレで着替える。

下車したバス停まで下って行く。しばらく待って14番のバスに

乗車。ところが本来の路線を通らず、隣の山手住宅街シェラ・

ルーラインに行く便だという。路線図には破線で記されていた。

かなり手前で下され、適当に歩いてたら、動物園ではなくて

ワイキキのホテル街まで来てしまった。この時点で17時近い。

23番のバス停に辿り着いたが、一向に来ない。1時間近く

待ってようやく来た。時刻表によるとシーライフパーク発の

57番バスは、19時20分が最終。これは気を付けないと。

ワイマナロに帰ってきたのは19時過ぎだ。ケネケスで夕食を

取りたいと思ってたが閉店していた。少し先のマクドナルドで

妥協せざる得なかった。注文しにくいのは日本もハワイも同じ、

カウンターには高いセット物のメニューしかない。どうにか

ハンバーガー(1.3ドル)と、コーヒー(1ドル)を購入する。

郊外店でソフトドリンクが、どのサイズも1ドルなのが救い。