摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

ゴロゴロ岳・七曲り谷左俣

8月9日は、「近畿の山」昭和53年改訂版を、参考にして

ゴロゴロ岳の七曲り谷を歩いた。まず剣谷第四公園から

右俣を遡行して、観音山に至る登山道に上がってきた。

次は七曲り谷の中間尾根を下り、左俣を遡行しようと思う。

地理院地図には破線路が記されている。ゴロゴロ岳へ向う

途中に、それらしき三叉路があった。小さな池のある所だ。

一つ上の写真で左の道を進むと、良く踏まれた道が続いて

いた。尾根の中腹に鉄塔があるので巡視路かも。鉄塔まで

行かずに手前10mの所で左に下る以外は、迷うことも無い。

再び、剣谷第四公園の奥まで下ってきた。左俣に入渓する。

暑さは半端ないがバス代を掛けて来ているので、右俣だけ

で、帰る訳にいかず重い腰を上げる。費用対効果ってこと。

すぐに七曲谷堰堤に突き当たる。左岸から乗り越えるが、

上流側の側壁の最初の一段が、1m50cmほどもあった。

背の低い家族だったら、半ば飛び降りることになったろう。

七曲谷堰堤上は、乾いた堆積地。台風の通過後で増水して

いるはずという見込みは見事に外れた。真砂化した花崗岩

の土砂は、水はけが良いのだろう。昨日だったらどうだろう。

「近畿の山」には左俣に、F1からF8まで滝があると記されて

いる。七曲谷堰堤が出来る前の記事なので、幾つかの滝は

消滅してるはず。傾斜が出たかと思うと第2堰堤に突き当る。

七曲谷第2堰堤。此処も左岸から乗り越えるが、上流側の

段差が大きい。手掛りになる潅木もあるし、段差が大きい

のは一番上の段だけなので、通常は問題なく下れるだろう。

最初の滝が現れた。「近畿の山」では、「奥の方が溝状で

3mをまっすぐ落ちている。」と書かれているF3だろうか。

F1・F2は、堰堤工事で埋もれてしまったのかもしれない。

「三段を激流となって走るF4(6m)」とは、これなのかな。

6mはなさそうだが「右岸を登る」とあり。確かに右岸側壁

に残置ロープがあるが、斜度が緩く、水心を登って行ける。

「中程がせり上がり、5mの落差を持ったF5」というのが

この斜瀑かな。水に磨かれた岩がツルツルになっている。

右岸に残置ロープがあるが、水流沿いにスタンスが多い。

F5からF7と思われる区間には、1〜3m程の傾斜の緩い

滝は存在するが、同書が記す「二段になったF6(10m)」

は見当たらない。どうも滝の高さに関しては首を傾げたい。

「F7(8m)は日本画の素材になりそうな一風変わった滝。」

何処から計るのか、とても8mはなくて、核心部は2mほど。

残置ロープあるが、ホールドは豊富で中央から左に抜ける。

「二段で落下するF8(8m)下段は滝に沿って左岸を登る。」

とあるが、ヌメッとしていてホールドもないし登れそうにない。

同書の記述に従って、左岸の階段状の岩場を巻き上がった。

F8を過ぎると源流風景。照葉樹の単調な林間で、確かに

右俣に比べても魅力的でない。さて滝の高さは、上げ底

ったが、砂防堰堤が入口の2基だけだったのが救いかな。

適当に詰め上がると、中間尾根の下り口の池に出合う。

つまり本稿の一枚目の写真と同じ三叉路。ゴロゴロ岳

頂上へは南に進む。この辺り登山路というより散歩道。

ゴロゴロ岳頂上から六麓荘に下る。自宅にはこのコース

が一番近い。泥々に汚れた姿で、六麓荘町を下って行く。

一年前までそんな事は、予想だにせず。何だかシュール。

(出典:国土地理院地図)



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