摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

ゴロゴロ岳・七曲り谷右俣

先日、「近畿の山」昭和53年改訂版を読み直していたら、

ゴロゴロ岳の七曲り谷という小渓を、一頁さいて左右両俣

紹介されているのに気がついた。台風5号通過の2日後に

多少は増水しているかと期待して向かう。阪急夙川駅から

阪急バスに乗り鷲林寺南口で下車する。バス代は220円。

西へ住宅街を歩く。豪邸の石垣がゴルジェのように思える。

鷲林寺南町上部の剣谷(けんたに)第四公園。ゴロゴロ岳

の南東山麓は、広い範囲で剣谷という地名が付いている。

この公園の奥に進むと、七曲り谷の瀬音が左から聞こえる。

公園奥から数10m進むと小さな流れを2つ渡る。最初は

行き過ぎてしまったが、どうやらこれが右俣のようだ。余

りの細流に訝しく思いながらも、藪を分けて遡行してみる。

しばらくすると二つの流れが合わさり、多少は渓らしくなる。

本当は台風一過の昨日に来ようと思ったが、朝起きると暗

雲が空を覆っていたので、思いきれずに出遅れてしまった。

何の変化も無いまま、七曲谷第三堰堤に突き当たる。稜線

までの標高差は200mほど。大雨の後でもないと面白くも

ないはずと、時期を待っていたが予想以上に水量は少ない。

堰堤を越えても平流が続くばかり、もう中流と思う辺りで、

沢の傾斜が増して、巨岩が積み上がる。「近畿の山」にも

右俣は滝の記述はなくて、雰囲気が良いと語られるのみ。

だが3m弱の小滝が現れた。傾斜は緩いがヌメッとしてて、

取りつきようがない。右岸の踏跡を拾って小さく巻き上る。

滝の上には巨岩が積み上がり、その最上部は平たい大岩の

上を水が流れ落ちる。スタンスは多いので水心に沿って進む。

その上は、両岸の傾斜が一気に落ちて視界が広がる。1m半

程の斜滝があるものの、もうこの後は変化もなさそうに思えた。

予想に反して滝らしきが出てきた。傾斜の緩いナメ滝の上に、

巨岩が不安定に積み上がっている。体重を掛けるとガラガラ

と崩れるのではと思うが、水流を跨ぐようにして登って行った。

その上は源流風景となる。「近畿の山」では大峰の谷を思わ

せると記されているが、それほどではない。だが植生は割と

豊かだし、明るいので季節を選べば良い感じかもしれない。

地理院地図には堰堤から上流に、破線路が記されている。

中流域ではハッキリしないが、源流域は踏跡が主に右岸

についている。最後は少し笹藪を分けると、稜線道に出る。

ゴロゴロ岳と観音山の中間あたり。少し北へ進み展望の

良い岩場で休憩する。左が観音山。右手遠方のピークが

ガベノ城。家族が作った「おこわ」のオニギリで昼食休憩。

(出典:国土地理院地図)