摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

アルパインガイド39 近畿の山・・・・・仲西政一郎編

暑い上に湿気が多い毎日が続く。山へ入る気もせず、ふと本棚

の古い本に目を通す。コピー機が普及してからはガイドブックは

図書館にある物で済ませているので、蔵書は大昔の物しかない。

40年前、神戸に出てきた時に買った本。当時、関西圏では最も

よく読まれていた本だと思う。他のガイド本より読み易く、地図も

分り易かった。自分も近畿の山は、この本を専ら参考にしていた。

昭和53年改訂版だが、初版はたぶん昭和32年頃。当時すでに

古さは感じていた。3年ほど使った後は、白山書房「関西の谷」や

草川啓三著「近江の山」等に傾倒していき、本書は読まなくなった。

改めて目を通すと、沢歩きの項が多いのに気がつく。摩耶山

地蔵谷を遡行対象として紹介してある。もちろん当時も一般道は

あったのだが、中流の滝の巻道、直登についても記されている。


ハムが地蔵谷を遡行しようと思ったのは、単に交通費を使わずに

谷歩きしたいという理由で、何かを参考にした訳ではなかったが、

既に本書では取り上げられていた。この項は全く記憶になく驚いた。

いや西山谷は本書を参考に歩いたと思う。少し記憶が戻ってきた。


その他にも六甲山では、五助谷・西滝が谷・水晶谷・黒岩谷・オコ

モリ谷・田辺谷・ハブ谷・大月地獄谷・滝谷等々が紹介されている。


大峯・大台の初級の沢も載っている。40年間、一般道のハイキング

をガイドする本だと思い込んでいたが、その懐の深さに恐れいった。


堰堤の建設等で現在は、本書を参考に沢歩きをするのには、無理

があると思うが、幾つか歩いてみても良いかと思う沢も再発見した。