摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

宮崎県の旅5日目 丹助岳から比叡山へ・・・2017年5月13日

昨日は大雨だったので、比叡山登山口に向かう予定を変更して、

日之影町の丹助岳にある小屋に宿泊した。今朝は雨が止んだの

で丹助岳と矢筈岳に登山し、比叡山の登山口まで歩くことにした。

矢筈岳の東峰比叡山は、直線距離ならば、僅か数百メートルの

距離であるが、綱の瀬川の渓谷に阻まれて、8kmほど迂回する。

この路程が変化に富み、印象深かったので別項に記録しておこう。

矢筈岳登山を終えて、舗装された林道を丹助岳の鞍部まで進むと、

行縢を指す九州自然歩道の道標があった。どんな道なのか不案内

だったので、新しい道標や丸木階段を見て、ひと安心したのだが・・。

丸木階段が終わると道が無くなった。どうも伐木に隠れていたら

しい。靴を濡らして沢を10mも下ると、心細い道がまた現れた。

だが歩く人は少ないらしく、日当たりの良い所には草木が生え始

めている。そういえば行縢山でも九州自然歩道は廃道状態だった。

でも道標は最近に整備し直されているよう。とにかく下って行く。

さきほどの沢沿いに下っているのだが、当然下るにつれ水量が多く

なり、渡渉地点で行き詰った。昨日の雨で増水し、飛び石は水の下。

結局、膝上まで水にはまって渡渉する。九州自然歩道はワイルドだ。

更に下流に渡渉点があると、引き返さねばならぬかもと案じてたが、

綱の瀬川に流れ込む手前で、鉄橋があり林道に出ることが出来た。

右に綱の瀬川の深い渓谷を見つつ、上流に向かって歩いていく。

山側に石垣が組んである。この時は屋敷跡なのかと思っていた。

公園の様に整備された場所が現れた。前の小屋はトイレだった。

最近に作られたようで綺麗。道標には休憩場とだけ記されている。

とても眺望の良い場所で、先ほどまでいた矢筈岳の東峰と、これ

から向かう比叡山が、綱の瀬川を挟んで対峙する様が良く見える。

休憩場を後にすると、20年位前は利用されていたような廃屋が

あったりと、何かいわくのありげな道だ。夜間には歩きたくない。

岩を穿った隧道も現れる。100均のLEDライトでは暗すぎる。

帰ってから調べると、この道は矢筈岳トロッコ道ウォーキングコース

として日之影町が整備したものだった。但し現地に案内図等はない。

ようやく日之影町中川地区と、延岡市下鹿川地区を結ぶ橋に到着。

この橋の存在が、Yahooやgoogle地図では不分明だったので、正直

ホッとした。此処から比叡山まで歩くのだが、道はもう大丈夫なはず。

下鹿川の集落を抜けて、県道214号線を今度は綱の瀬川の下流

向かって下る。でも何故だか道は登っている。三角錐の山は丹助岳。

綱の瀬川の深い渓谷を避けつつ、山の中腹に道が上がって行く。

カーブを曲がる度に展望も変わる。今度は矢筈岳の東峰と西峰。

片内の集落に入る手前で、比叡山が見えてきた。もう少しだ。

車道を歩くのは嫌いだが、次々と変化する景色に見とれている。

背中のザックが軽くさえあれば、楽しい行程かもしれないと思う。

また丹助岳が見えてきた。名前に似合わず秀麗な姿だ。というと、

丹助さんに失礼だが。○○富士なんてあだ名がないのも好ましい。

次のカーブを曲がると今度は、比叡山の大岩壁が立ちはだかる。

まだ岩壁の裾の方だけしか見えてないが、先に行った家族の姿が

小さくて見えないほど。肉眼で見た迫力の半分も撮れてはいない。

綱の瀬川との比高差は100mもあるのだろうか。対岸の岩壁に

道が見えている。かつて林業用の軌道があったとは信じられない。

岩を穿ったトンネルを抜けると、比叡山北側登山口があり、また

トンネルがある。この上が千畳敷という展望所のよう。この先に

駐車場とトイレがある。ザックを置いて千畳敷に上がってみよう。

県道から5分程登ると展望所に出た。千畳あるとは思えないが、

広く平たい岩場で、なるほど展望は凄く良い。傾山も見えるかな。

見上げると右が比叡山1峰。左が2峰。クライミングのルート

主に1峰にあるそう。遠い昔に多少の憧れをもった岩壁。既に

18時過ぎだ。駐車場の近くで幕営して、明日一般道から登ろう。