摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

渦森台から天狗岩南尾根を上り坊主山に下る

目覚めると快晴だし、風も弱かった。明日は家族に所用があるので、

今日は何処か歩きに行こう。以前から気になってるバス路線がある。

我が家から徒歩圏内の、JR甲南山手駅始発。神戸市バス31系統

手前の渦森台4丁目で降りた方がよかったが、終点の渦森台下車。

渦森台の人はJR住吉駅を利用するだろうに、二駅離れた甲南山手

駅との間を往復している理由が分からない。でも我々には好都合だ。

住宅街を東に歩き、西山谷に下って寒天橋を渡る。西山谷は二度

遡行しているが、これから向う天狗岩南尾根は歩いた記憶がない。

出だしは急な登りで、すぐ展望が開ける。西側に渦森台の住宅街。

右が油コブシ(625m)で、中央の小さな塊が坊主山(376m)か。

渦森台の標高は、300mを超えている。バスで随分標高を稼いだ。

公設道標があった。西山谷から上る別の道もあるよう。禄に地図も

見ていなかっただけ。知らなかったが、地理院地図に記されている。

新神戸線五四鉄塔に登り着いた。冷たいオレンジジュースで小休止。

10年ほど前に渦森台から、対岸の寒天山道を歩いたことがあるが、

ペンキ等のマーキングで汚されて、ひどく荒れた雰囲気の道だった。

それ以来、坊主山の東側に入っていない。今回も不安に思っていた。

だが杞憂だった。直線的に登って行く道は、油コブシの道のように

幅広くもなく、寒天山道のように荒れてもいない。ちょうど良い感じ。

摩耶山に比べれは落葉樹が多くて、明るい雰囲気なのも好ましい。

小屋跡だろうか、ベンチのある小平地があった。覚えておこう。

昨夜も少し降ったようで、日蔭に雪が残っている。先行者は二人。

左右の展望が開けてくる。大して登った感じはしないが、登山口

の標高が、300mを越えているとなると、もう天狗岩は近いはず。

渦森台から1時間半。最後に笹原の斜面を登ると、天狗岩だった。

最初に目に飛び込んできたのは、凌雲台から山頂にかけての稜線。

西側には長峰山や摩耶山。三宮あたりは掬星台よりも良く見える。

展望の広さは掬星台より勝る。もしかすると夜景もこちらの方が

キレイかもしれない。長い間、摩耶山しか登っていなかったので、

天狗岩がこれほど好展望とは露知らず、少々感動してしまった。

天狗岩から少し北に進めば車道に出る。瀟洒な保養所があったか

と思えば、廃墟化しつつある六甲山オリエンタルホテルがあったり。

六甲ケーブル山上駅方向へ進む。退屈な車道歩きも雪景色なら。

天覧台には寄らず油コブシへの道に入る。此処も久しぶりに歩く。

別荘脇からの急な階段は普段から歩き難い。新雪だからまだしも

凍結したらアイゼンが欲しい所だ。どうにか転ばずに下って行けた。

油コブシから一段下ると笹原が刈られて、展望が良くなっていた。

さらに下ると森林管理歩道を指す道標がある。坊主山には此方が

近いので入ろうとするが、入口付近は伐採され道が見当たらない。

過去の記憶を探り、どうにか踏跡を見つけるが、通る人もいない

ようで廃道化している。笹も繁り放題、管理歩道とはもう言えない。

足元の土が固い所を確かめながら歩いていくが、猪がそこら中を

掘り返しているので、それも容易ではない。峠の手前で道を失う。

最後は杉林の中を強引に下って、坊主山との鞍部に降り立った。

途中の展望岩から西側を望む。この景色を絶景という人もいるが、

鶴甲団地がまるで墓石の列のように見えて、好きな景色ではない。

相変わらず坊主山の道は、巡視路とは思えないほど良い道。但し

登山口付近が伐採されてたり、宅地開発されたり変わりつつある。

新神戸変電所の西側を下り、御影山手の住宅街を歩いて行く。

此処からは2時間半歩いて、家に帰着したのは夕方6時だった。



今日のBGM・・・・・Paris / The Chainsmokers

If we go down then
  we go down
  together