摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

烏帽子岩からゴロゴロ岳に登り六麓荘に下る

昨日、図書館で「もっと!阪急ハイキング」というガイド本を借りた。

ゴロゴロ岳の頁を読み、何となく行ってみたくなる。何十年か前に

一度だけ登ったが、全く魅力はなかったように思う。でも仕方ない。

自宅から交通費を使わずに登れる山は限られる。それにしても、

まだ借りているガイド本を持って来なかったのは、どうしてだろう。

JR芦屋を経由して、芦屋川左岸の車道を、のろのろ歩いて行く。

水車谷バス停を過ぎ、自称・高級賃貸マンションを車道が巻き

上がりカーブNo.12の所が、柿谷コース入口。道標と案内板が

ある。でも何故だか柿谷という名に、拒絶反応を起こしてしまう。

谷ではなく尾根を登りたい。さらに車道を歩き、尾根の末端に

回り込む。車道から側壁を登る鉄ハシゴがある。此処から登っ

てみよう。実は柿谷コースも尾根だったのだが、気付いてない。

側壁上には、朽ちかけた丸木土留階段があった。どこまで続く

かと思いきや、すぐ上の落石防止柵までだった。この時はそう

思ったが、北側へ回り込めば、更に続いていたかもしれない。

それより頭上に見える大岩が気になった。見るからに烏帽子形。

棘の多い藪を分けていく。付近の岩は落石防止のネットに覆わ

れている。大岩に近づくにつれて、ネットの上を歩くようになる。

先に到着した家族が、景色が良いから、早く来いと言っている。

だが足元はワイヤー。藪には棘の木も多くて、中々近づけない。

六甲連山バイブルという本には、やはり烏帽子岩と記されいる。

予想通りに西側が開けて、荒地山の絶好の展望台となっている。

頂部は傾斜も緩くて、二人ならばゆっくり休憩できる。先日歩いた

道畦谷の南尾根や北尾根を見ながら、紅茶と菓子で小休止する。

休憩後、再び藪に突っ込み数十メートルで不思議な物が現れた。

奥池からの排水管かと思ったが、前述の本には旧発電所の導水

管との記述がある。とにかく藪からは、解放されたので助かった。

導水管に沿って進むと、北側から丸木の土留階段が登ってきた。

落石防止柵から北へ回り込めば、ここまで楽に来れたのかも・・。

ただし、烏帽子岩をパスすることになるので、それもつまらない。

さらに登るとパイプラインは、導水路に変わる。このまま奥池

まで続くのだろう。目的はゴロゴロ岳なので東側の踏跡に入る。

此処には芦屋市水道部の表示。なら浄水場の取水路だろうか。

また藪道かと少々うんざり。摩耶山に比べ藪の密生度が濃い。

だが、しばらくで高圧鉄塔が現れた。新神戸線の四三鉄塔だ。

四三鉄塔からは巡視路が東側へ伸びている。上っていくので

山頂に向かっていると思ってよいだろう。高圧線の下が伐採

されていて、芦有道路の芦屋ゲートや、六甲山頂上が見える。

巡視路にしては幅も広く良い道が続く、ただ緩やかに過ぎて、

一向に標高が上る気配もない。道標も無く退屈になって来た。

四三鉄塔から20分で、正規の登山道に合流した。これが柿

谷コースだろう。歩いて来た側が通行禁止とされているのは、

四三鉄塔までの所謂「行って来い」の巡視路の為と思われる。

先ほどの分岐から、何本の道標があったろうか。山頂までは

10本以上の道標があった。どれも、ゴロゴロ岳とだけ記され、

距離が書かれていない。傾斜は緩く、景色も無く単調な道程。

これは新神戸線四二鉄塔だったかな。前方次の鉄塔の横には、

電波塔らしき物が見える。あの辺りが山頂かな。それにしても

単調で長い道のり。お腹が空いてきたし、ダラダラ歩くのも嫌だ。

車道脇のハシゴから2時間かかって山頂に到着。実際の時間

以上に長く感じた。到着したゴロゴロ岳の山頂は、建築中の

別荘か何かの裏手にある。奥池の住宅街の上端になる訳だ。

ガイド本や地図では、565.3mと記されているが、不動産

会社が寄贈したという山名碑には、語呂を合わせ565.6m。

すぐ隣は私有地という居心地の悪さ、でも此処で昼食にする。

ゴロゴロ岳の山頂から六甲山方向の眺め。手前にフェンスが

あって、庭というか駐車場が主役。ガイド本では、ガベノ城か

観音山での休憩を勧めている。団体が来たので下山しよう。

元の道を少し戻り、緑色のフェンスの所で直進する。さっきは

右側から登ってきた。道標はないのだが、苦楽園尾根だろう。

山頂から15分も歩いて、ようやく道標が現れた。苦楽園へ

下るよりは、六麓荘に下る方が家に近い。ところが道標は

あるが道が分らず、苦楽園方向へ少し下り、又戻ってきた。

道標のある分岐は、南に展望が開け眺めが良い。足元には

芦屋大学六麓荘町内が見える。この景色に惑わされたか

下山路は右手にあった。木が被さって、やや分かり難い入口。

だが入ってみれば、存外に道は良い。道のほとんどは石段

が組まれている。道幅は狭いが、その昔は相当の通行があ

ったろう。古道の風格すら感じさせる。ハム的には好きな道。

もっとも家族は暗いし展望もないので、少し下った苦楽園

への道の方が良さそうだったという。いずれにしろ芦屋川

方面の冗長な道よりは良いだろう。右手は谷で水流がある。

豪壮な2軒の邸宅の裏手に下ってきた。塀と塀の間の細い

道を通り車道に出る。登山道への通行権はかろうじて確保

されているが、道標は設置されておらず逆コースは難しい。

電柱の無い六麓荘の町内を道なりに下って行く。日本でも

有数の高級住宅街だから、一度位は見ておいても良かろう。

岩園町から道が宮川沿いになると、JR芦屋駅も、ほど近い。