摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

大峯峒(302m)・・・・・・ランタオ島 (大嶼山)・・・2016年11月1日

今年は年の途中に退職したので、ふるさと納税も昨年の半額程。

それでも何とか、ピーチ航空の香港往復航空券に引換えできた。

いい加減、ピーチ航空も卒業したいと思うが、実質2000円の負

担で外国に行けるなら、乗らないのもシャクに触る。朝4時半に

家を出て、関空には7時前に到着した。午前8時20分発のMM

063便。これ以上早い便だと、関空で一夜明かさねばなるまい。

ランタオ島にある香港国際空港に到着したのは、時差もあって

11時45分。雲が多く視界も悪い。香港に来るのは4年ぶりだ。

市内への交通等調べていない。何度も来てるので分かるはず。

そしたら空港の中で迷子になった。MTR駅のある東涌に行き

たいのだが、市バス乗り場が分らない。係員に聞いて辿り着く。

持参の八達通が使えない。現金でS1の二階建てバスに乗車。

オクトパス(八達通)は香港の交通カード。残金がないのかと

思ったら、そうではなく使用したのが、4年も前で使えなくなっ

ていた。MTR東涌駅のサービスセンターで復活してもらった。

香港到着が早い時間なので、低い山の一つぐらい登れない

かと考えた。ここまでドタバタしたが、13時にMTRで一駅隣

の、欣澳駅(香港ディズニーランドへの乗り換え駅)に到着。

欣澳駅前にはバス停の外は何もない。背後に見える山に登り

たいが、高架の車道ばかりで、そもそも歩道が見当たらない。

駅前を20分ほどウロウロして、駐車場の奥に歩道を発見する。

奥には地下道も見えているので、これで大丈夫と思ったのも束

の間、地下道を抜けても鉄道に平行して走る車道に出ただけ。

山へ向かうには、車道から離れなければならない。はたして、

今も通行がある道かは分からないけど、歩道らしき所を進む。

この山行は、香港在住邦人のハイキンググループのブログを

参考にさせて頂いた。とても知的な方達の集りで拝見していて

中々楽しい。ただ会員相互の連絡や親睦の為のブログなので、

道案内はされていない。この区間は徒歩35分とだけの記載だ。

車道を何本も横断して、目的の山腹に到着したが、取りつき

が見当たらない。側道を飛行場側に歩いて行くと、上の写真

の左にそれらしき所があった。此処までのアプローチの仕方

は間違っているかもしれない。ただタクシーで来るにしても

場所を特定できない。道路沿いのフェンスに扉があり奥には

階段道が見えている。こういう道は香港の山の至る所にある。

その多くは、山から雨水を呼び込む引水道の管理用歩道だ。

道標がないので、この道で正しいかどうか確信できていない。

尾根に出れば道はあるだろう。山に入れただけでホッとする。

廃屋があった。竹篙湾村文娯康楽室という看板がある。前述

のブログで、欣澳駅から35分とされていた所だ。道路脇かと

思っていたが、廃屋ではタクシーに此の名前を言っても無理。

廃屋裏から照葉樹の藪道に入る。道は合っていることが分り、

不安はなくなった。藪は深いが良く踏まれた道が続いている。

その藪もすぐに背が低くなり視界が広がる。海を隔てて新界

の山が見える。左が青山(583m)。右が九徑山(507m)だ。

青山は飛行場からは、尖って見えるが、ここからはなだらか。

ピークではないが三角点があった。周囲は刈り払われて人の

気配は濃厚だ。何処か他所からの登り道があるかもしれない。

三角点に座りこんで、関空ダイソーで買ったパンを食べる。

三角点からも尾根筋が広く刈られている。これは防火道かも。

それにしても暑い。完全に服装を誤った。11月だから寒いか

と、ヒートテックのシャツを着ている。体感的には日本の夏だ。

三角点のあるピークについた。地図上の大山(291m)だろう。

東側に見える山は、花瓶頂という典雅な名の山。当初は花瓶

頂から縦走しようかと思っていたが、時間的に無理で諦めた。

遠くに見える山は、目的の大峯峒だろうか、その先の老虎頭

か同定できない。ただ空港から近いという理由で決めたコース

取りは失敗だった。南向きに歩くと陽射しが強く、写真は逆光。

大山からディズニーランドが見えるかと思ったが、遠くてよく

分からなかった。相変わらず防火道続く。全く日陰も無く消耗

してきた。3分おきに離陸したジェット機が頭上を飛んでいく。

途中に少々草深い所があって、股の下で何かが動く。大きな蛇。

頭部はコブラのように平たい。その蛇を跨いでいたのだ。大人し

く逃げていってくれたが肝を冷やした。急で写真は撮れなかった。

愉景湾(Discovery Bay)地区が見えてきた。主に各国の駐在員

が暮らす高級住宅街。大山から此の付近まで1時間。ひたすら

下を向いて歩いてきた。そういえば梨壁山は何処だったんだろう。

円頂の一角にある三角点に到着。どうやら此処が大峯峒の頂

だろうか。山名板もないし、最高所でもないので少々疑心暗鬼。

ただ行く先には深い鞍部がある。あの峠が二白坳で、手前が

榴花峒。その後ろの高い山が老虎頭(465m)なら辻褄があう。

なだらかな大峯峒だったが、山上の通信施設を過ぎると、道は

急に下り始める。ここから二白坳までの区間が今日のハイライト。

二白坳から榴花峒にかけても、防火道が続いている。老虎頭

には登ったことがあるが、もう一度歩いても良いなと思う。その

時は南から北へのコースにしよう。今日は疲れた早く下りたい。

波打つような尾根筋を下って行く。中々爽快な登山道だ。但し

暑さで疲れ果てた我々には辛い道。二白坳(峠)から東に下る。

愉景湾のマンション群が近づいて来た。やや古さも感じられるが、

各戸にはメイドさんが一人はいるので、どれほどの広さだろうか。

そんなマンションの裏手に下りついた。やはり道標はなかった。

同じようなマンションが続くので、この取りつきを特定するのも

難しい。逆コースの場合は迷うだろう。マンションの前はバス道。

フェリー乗り場まで歩いて行けないことはないが、バスの料金は

4.4HKDだ。60円程なので乗ろう。今日は本当に疲れている。

愉景湾地区は自家用車の通行は禁じられている。走っているの

は、バス等の営業車と個人用の電動カートだけ。この電気カート

の権利は、台数が制限されているので、120万HKDもするとか。

フェリー乗り場の前はショッピングモールになっている。ビールを

買い人心地いた。東南アジアのメイドさん連れの西洋人が多い。

香港の中でも特異な雰囲気の所。一息ついたら香港島に渡ろう。

愉景湾から香港島の中環までは、高速船が24時間結んでいる。

25分で40HKDと、香港の公共交通機関としては、やや高い方。

4年ぶりの香港は、新しく超高層ビルが立ち益々都会的になった。

一旦九龍に渡り、尖沙咀で両替したりしてるとスッカリ暗くなる。

朝から14時間くらい行動してる。この後も、紅磡のフェリー乗り

場を探して歩きまわったりすることになる。いつものパターンだ。



この山行は「慢慢行」さん(2014/2/2)を参考に行いました。多謝。