摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

梧桐山(943m)・・・・・・広東省・深圳・・・2016年11月5日

香港のホテルは、金・土曜の宿泊は平日の2倍以上に高騰する。

その為に、中国本土の深圳に逃げてきた。香港の平日宿泊代と

ほぼ同額で部屋の広さは3倍。それは良いが土曜日は何しよう。

深圳にも山はあるが、さして魅力的な山々ではない。だけど、

他にすることもないので、最も登り易い梧桐山に行こう。早朝、

建設路の問診部バス停より、211路バス(2元)に乗車する。

早朝に乗車したのは、土曜日なので山の混雑を避けるため。

始発だったが、数組のハイカーが乗車していた。終点の梧桐

山総站は思ったより繁華な所だ。ハイカー相手の食堂も多い。

粥・腸粉等で朝食を済ませ、大通りを歩いて行くと、北大門に

突き当たる。中国では、このような公園は有料なことが多いが、

梧桐山は珍しく無料。なので市民に親しまれ週末は混雑必至。

少し進んだ所で泰山澗登山道に入る。一旦尾根を乗り越して

沢沿いに登って行く道だ。落ち葉一つない石段や石畳が続く。

常に清掃員が掃き清めている。その辺りが中国らしいところ。

アトラクション的な吊り橋があったりと、雰囲気は山ではなく

公園的な感じ。路傍には諸所に物売りの人達がいる。意外に

客寄せに声を掛けたりしない。何か決りが有るのかもしれない。

北大門から一時間、大きな滝の横に出る。此処から滝沿いの

階段道となる。ここまで石畳の道は舗装路を歩くのに等しくて、

思ったより疲れた。それに朝食が悪かったのか、お腹が痛む。

手摺りは木の枝や根に、階段は切り株に摸したコンクリ製。

滝の横を登り乍ら、ちっとも自然を感じない。ひたすら登る

のみ。今は11月なのに蒸し暑くて、汗みずくになっている。

大滝を登り切った所には、元気よく我々を追い抜いていった

人達が休憩していた。標高900mの山だけど、空身や軽装

の人が多いが、水や食物は諸所で売っているので大丈夫。

更に石段道を登って行くと車道に出た。いつもならがっかり

する所だが、道が緩やかになり、風も吹き抜けるので人心地

つく。それにしても暑いな。夏には来れたもんじゃないと思う。

車道の終点は大きな広場。公園管理事務所やトイレや売店

がある。ここでしばらく日陰に入り、横になって体を冷やした。

腹具合がよくないし、暑さと疲れでフラフラになってしまった。

此処のトイレには扉があり紙もあった。そんな事は当たり前と

言われるかもしれないが、我々が頻繁に中国を旅行したのは、

20年以上前。トイレ脇の石門を抜けて、山頂に向け歩きだす。

主稜線に出るが急な石段は変わりない。平行して同じ幅の石段

が左にもある。混雑時に上り下りで、使い分けるのかもしれない。

この山は全山、照葉樹に覆われている。香港の山とは趣が異る。

ようやく展望が開けて、山らしくなったと言いたいが、足元の

石段道は変わらず、都市公園を歩いている感じは拭えない。

展望の開けた箇所は、そうも長続きせず再び樹林帯に入る。

そして道が緩やかになると、まるで縁日の様な光景に出会う。

物売りの屋台の先に見える岩頂が、梧桐山の頂上なんだろう。

想像通りというのか、苦労して登って来た割には、なんだかな。

山頂の巨岩には「鵬城第一峰」と刻まれている。深圳の別名が、

鵬城なので、深圳第一の山(標高は一番高い)という意味だろう。

山頂は人が多いので、反対側に下り樹林の中で昼食を摂った。

食事を終えて、再び山頂を超えて別ルートの下山口まで戻る。

山頂は更に人が増えている。ほとんどが10代、20代の若者。

付近の工場勤務の人達が、手軽なレジャーとして来てるよう。

下山は南の尾根を直線的に下って行く、碧桐道というルート。

空気が澄んでいれば、香港の山々が間近に望めるはずだが、

靄って何も見えない。スモッグというか空気汚染によるものか。

この登山道には100メートル毎に、里程標が設置されている。

展望があるのは最初の内だけ。後はひたすら照葉樹林の中を

石段で下る。下りにしろ里程標の数字が減るのだけが楽しみ。

このコースは香港在住の方がよく使われる。羅湖駅前からの

バスの便(205路)があるからだが、変化のない石段登りは

かなり苦しいだろうと思う。下りでもいい加減嫌になってくる。

抜けた所があり梧桐山を振り返る。鈍重な山容は立派といえば

立派だが凡庸といった方が適当だ。中国の山は登山というより

観光の目的。名山の登山路は、ほとんど舗装されてしまってる。

ようやく塩田区の公園に下る。里程標は0mから始まっていた。

大通りに出て羅湖方面のバス停を探すが、30分も探し回った。

バス停から登山口も分かり難く、逆コースを取らなくて良かった。

205路(3元)のバスに乗車し、市街地に戻った所で見覚えの

あるビルを見つけて下車する。ちなみに深圳の市内バスには

客が押す下車ベルはなくて、全てのバス停で停車しドアが開く。