摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

水牛山(606m)黄牛山(604m)・・・・・・新界・・・2016年11月6日

この日は日曜日。昨夜は中国本土の深圳に宿泊し、早朝に出境し、

羅湖からMTRで沙田で下車した。もっと時間が掛るかと思っていた

出入国だが、今回は非常にスムースだった。沙田に8時過ぎに到着。

沙田は新界地区の中心地。駅と直結する洗練されたショッピングセン

ター。その階下がバスターミナルとなっており、狭隘な土地が実に効率

よく利用されている。その2番ホームから、黄泥頭行き83Kバスが出る。

黄泥頭という地名から、どんな所かと思っていたら高層マンションの

林立するベッドタウンだった。団地内のレストランで朝食を済ませて、

再びバス停に戻ってきた。日曜なので登山服姿の方も多く見かける。

バス停から階段を上がると道標があり、左右に道が分かれている。

花心杭への道を進む。此処から山を一周し再びバス停に戻る予定。

まあ違う所に下っても狭い香港では、交通に困ることはないだろう。

コンクリ舗装の細い道を、のんびり歩いていく。前後にもハイカーが

歩いているので不安に思うことはない。右に山が見えるが水牛山は、

その奥だろうか。下って来るハイカーが、にこやかに挨拶してくれる。

花心杭の住宅街を抜けると、東屋で数名のハイカーが準備していた。

道標が指す梅子林は、峠を越えた隣村。山へは右折する必要がある。

次の分岐に私製の道標があった。香港では珍しいことだ。水牛山への

道であったことが確認でき安心する。今回は香港の方のブログを参考

にさせて頂いているが、略図と広東語では、充分に理解できていない。

香港らしく例によって墓場の中を登っていく。階段がやけに新しい。

このひと月位の内に作られたみたいだ。香港の山では良く有る事。

ウェブ等で情報を集めていても、行ってみると様子が異なるが多い。

階段道を登り切ると、真新しい東屋が立っていた。二組のハイカ

が休んでおられた。男性が何処まで行くのと問われるので、家族

が水牛山へ行くと言ったら、我々も後から行くよって言われたが・・。

東屋までコンクリ階段だが、その先は足元が見えないほどの藪。

どうも進もうか困惑されていたようだ。その後も追い付いて来られ

なかった。舗装路も多い香港のトレイルからするとワイルドかも?。

10メートルほど先を行く家族の姿が見えない。だが照葉樹を主と

した藪は背が低く、此の先歩く尾根や目標の主稜線も一望できる。

足元は良く踏まれた道なので不安はない。夏には歩きたくないな。

今日は雲が低く垂れこめ暗い。だが11月とはいえ晴れていれば

28度近くになる。雨さえ降らなければ、今日はハイキング日和だ。

バス停から1時間で水牛山に至る主稜線に出た。アップダウンが

激しいように見えるが、全体に小さな地形なので、さほどでもない。

標高が上るとススキが増えてくる。だが日本や韓国のススキに

比べ背も低く穂も小さい。その為か珍重されることもないようだ。

水牛山と黄牛山の頂上が見えた。著名なマクリホーストレールの

直ぐ横にありながら、紹介されることの少ない。以前から登りたか

ったが、登山コースを調べるのも難しく、ようやく登ることが出来た。

水牛山の頂上直下に岩場があり大勢のハイカーが休んでいる。

気持ち良さそうな所なので行ってみようか。西貢側も望みたい。

平たい岩が多く絶好の休憩場所。我々も座り込んで休憩する。

足元には、マクリホーストレールを行き交うハイカーが見える。

そうかトレイルから、ほんの少し足を延ばせば登れたんだな。

霞んではいるが馬鞍山や大金鐘。昂平にはパラグライダーが

飛んでいるのが見える。写真のように、二重山稜となっている

地図から付近の地形を把握するのが、難しかった原因である。

岩場で休憩していたグループは、ひとしきり写真撮影した後で、

西貢側に下って行く。その方が一般的かもしれないが、休日の

西貢辺りの混雑を考えると、元の黄泥頭に戻った方が良かろう。

水牛山の山頂には三角点もなく、写真も撮らずに通過している。

前方には黄牛山が間近に見える。左手遠くは飛鵝山であろうか。

黄牛山の頂上には三角点があった。山名碑がないことを不足

に思った人がいるらしく、台座にチョークで山名が記してある。

此処にも団体のハイカーが休んでいた。韓国人かと思うほど

華やかなウェアー。ザックも新しい。どうやら香港のアウトドア

ブームも本当のようだ。黄牛山からは西側の展望が良かった。

黄牛山から黄泥頭を目指して下って行く。途中、適当な岩が

あったので、深圳のコンビニで買った菓子パンで小休止する。

外側に肉のでんぶ。中身はクリームシチュー?。ちょっと微妙。

今朝、登って来た道より、こちらの方が道は良い。土留め階段が

ずっと施されている。この道を登って西貢へ下る人が多いのかも。

下って行くと、此処で車道に出た。明記花園という看板がある。

本土で花園(ガーデン)というと、高級マンションの代名詞だが、

こちらは植木屋さんの看板。ここからしばらく車道を進んで行く。

だが車道も迂遠なので、右手の民家の間の小道に入る。その方

がバス停に近いだろう。摩耶山の麓にも、こんな感じの所は多い。

予想通り元の分岐に到着。いつもこんなに上手くいくと良いのに。

バス停から83Kで沙田駅に戻り、MTRで乗換えなしで紅磡駅へ。

紅磡駅からは15分ほど歩いて、紅磡フェリー乗り場に向う。

対岸の北角まで約8分だが、フェリーは30分おきにしかない。