この日は早朝、鶴咀山に登るため、地下鉄筲箕灣駅へやって来た。
香港島南西部へのバスの起点である。何かと立ち寄る機会が多い。
地下鉄の駅前は、高架下のロータリーが、バスターミナルになって
いる。駅とショッピングセンターが、直結している事の多い香港では
やや特異な風景。その分、市場や商店が駅近くにある庶民的な街。
まだ朝食を摂ってない。例のごとく、お爺さんかお婆さん、或いは
新聞を持ったオジサンを探す。いたいたエスカレーターでどんどん
ビルの2階へ吸い込まれていく。そこに飲茶レストランがあるはず。
高級そうな店構えだが、朝なら臆せず入っていける。飲茶の店と
しては、広い方ではないが、調度も新しくモダンな雰囲気のお店。
もちろん注文は早茶用のメニューから。二つ選んで21.8元なら
まずまずのお値段。でも、点心の盛り合せ、粥、飯の3点のセット
「精神早餐」を注文することにした。49.8元だが二人分ありそう。
鳳爪排骨飯。鳳爪というから鶏足かと思ったら手羽だった。排骨は
想像通りだ。愛想なんて全く期待できないのが、香港の飲茶だけど、
此方のお店は、皆さんにこやかで感じが良かった。リラックスできる。
精品点心○盒。これも予想通りだが、醤油をくれと言ったら、意外
そうな顔をされた。上品な蒸し餃子に醤油をつけるのは野暮かな。
最後に皮蛋痩肉粥がきた。さっき醤油をくれといったせいか、何も
言わないのに、コショウをどっさり掛けてくれた。いやかけ過ぎだよ。
饅頭は上品な甘味。カボチャ餡だろう。格段に味が良かった訳では
ないが、4人掛けの卓子で相席にもならず、ゆっくり飲茶を楽しんだ。
茶代、サービス料込で、74.5元。そう安くはないけど、満足できた。
窓際の席なので、トラムや二階建てバスが行き交う香港らしい風景
も楽しめた。北角の宿に荷物を預けてる。帰りはトラムに乗りたいな。
(2016年11月7日 1HKD=14円)