摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

寒谷北尾根を下り、山寺尾根に登り返す

4月30日の土曜日。晴れだというのに、さっぱり動く気がしない。

祝日の昨日も、一日家でゴロゴロしてた。ミツバツツジが終わって

しまい、山に行く目的を見いだせずにいた。午前中は内科を受診。

でも此の快晴は見逃せず。ミツバツツジがだめなら、ウンゼン

シロバナツツジを見に行こうと思い立つ。正午過ぎに家を出る。

連休中日なので、ケーブルもロープウェイも旅行者の姿は多い。

岩の丘の遊歩道から、オテルド摩耶のジャグジー脇に踏跡が

伸びている。この踏跡に入り東へ進む。ジャグジーの利用は

午後3時から。踏跡は敷地外だが、それまでには通過したい。

先週に咲いていたツツジは花を散らし、その樹さえ分らない。

尾根の上部では、ツツジの葉が道の上に被さり、藪道ぽくな

っている。先週の道と違うのではと、思うほど様子が異なる。

下って行くと東側の斜面に、ウンゼンシロバナツツジの群落

を見降ろす。小さな白い花が無数に咲いているが、葉も同時

に出ているので、それほど目立つ花ではない。見過ごし易い。

中腹以降は松の疎林となり、下生えも少なくなる。直線的に

下って行くので、どんどん高度が下がって、登りより短く感じ

てしまう。乾いた落葉が滑りやすくて、二人共滑って腰をつく。

中段の岩場で小休止。今日は気温が低く、星の駅では15度。

テルモスの温かいコーヒーを飲む。寒谷を挟み険しい南尾根。

尾根の下部は、脆く急傾斜の岩場で、未だに登ったことはない。

休憩を終えて核心部の岩場を下降していく。ガリーの中にも

ウンゼンシロバナツツジが根付いている。雲がたなびくような

樹形が好ましい。家族はこのガリーを、前向きで下って行った。

ハムは後ろ向きでないと怖い。すぐ下は急傾斜のスラブなので

落ちたら止まらない。中腹の岩場を過ぎればプラトー、その後は

階段状の岩を快適に下る。今年はアオダモの白い花が目立つ。

尾根の最下部で、寒谷へトラバースするバンドがある。此処に

入る。すぐに水流が見えるが、堰堤があるので下らず斜上する。

崩れやすい斜面を立木を頼りに登っていく。堰堤上からも段差

があるので、もう一段上を斜行して、堰堤上の河原に降り立つ。

堰堤の上には大きな転石が一つ。そこに南から涸れ沢が入る。

ハムは勝手に、寒谷第二ルンゼと呼んでいる。ゴーロの詰まる

ルンゼで、寒谷南尾根と山寺尾根の合流点付近に突き上げる。

大きな転石を縫って登っていく。落石を恐れてメットを被るが、

むしろ前に出した足で落石を誘発し、もう一方の足を潰しそう。

大きな岩でも乗るとグラッと揺れる。傾斜は思ったよりも緩い。

見上げると落葉樹の新緑が美しい。左右の斜面には大木が生え、

下生えにはツツジ等が多い。ウンゼンシロバナツツジは見た目は

可憐だが、密生した枝葉は藪となると、通行には極めて難渋する。

だが、どうも花を付けた株が少ない。どうも花期は終わったよう。

家に帰ってブログを読み返しすと、昨年は4月25日に来ている。

谷幅が狭まる喉の様な場所。大きな転石が詰まる。不安定だし

砂の詰まる落とし穴があったりと、この谷では一番歩き難い所。

咲いている株も少しはある。他所より花が大きくキレイに思う。

両斜面は、シロバナウンゼンツツジの藪で覆われているのだが。

来るのが少なくとも一週間は遅かった。ミツバツツジが終わって

からだと思っていたが、終わる前に来なければいけないようだ。

最後は濃密なツツジの藪と、崩れやすい土壁に阻まれ難渋する。

飛び出したのは寒谷南尾根だが、山寺尾根道までは数メートル。

山寺尾根にしては明るい尾根道。期待外れで脱力感に包まれる。

すぐに丸木階段につくが、登る気がしない。右手の脇道に入る。

この道は掬星台下の東側斜面を、子供の丘に向けトラバース

して行くのだが、そこまで行く気もせず、適当な所で道を外す。

灌木の生える斜面を登っていくが、位置と方向が全く分からず

半ば道に迷った気分になる。まあ高みに登って行けば着くはず。

最後は濃密な藪を分け登る。足元に空き缶が沢山落ちている。

ようやく明るい所に抜け出た。見上げると掬星台の東展望台。

振り返れば思いもかけず大阪方面の大展望。今日は4月30日、

摩耶山が最も輝く月が終る。今年は季節の変化に追いつけず、

不満の残る内容だった。もう後、何回この季節を過ごせるだろう。