4月10日の日曜日は曇り空の下、杣谷から六甲線一四鉄塔の
すぐ近くまで登ってきた。この先の巡視路は単調でつまらない。
それよりも先週末に、迷ったコースを確かめに行くことにしよう。
休憩していた架線場跡から、登ってきた道を100メートルほど
戻ると左手に治山ダムが見える。この付近では谷はとても浅く
両尾根から行き来は自由。このダム付近も桜の木が多い所だ。
ダムの上流に降りて、堆積地を進むと、すぐに二俣に出合う。
何度も遡行しながら、この二俣には全く気づいていなかった。
確証はないが先週は、この沢上部に降りてしまったのだろう。
確かめるというのならば、先の右俣を登ってみるべきだろうが、
土曜日も疲れもあり、そこまで元気はない。旧知の本流を行く。
右手に緩やかな尾根が下って来る。一三鉄塔から此の尾根に
下ろうと思っていた。ところがその間に先の支流があった訳で、
地図も読んでいなければ、地形も全く読めていなという粗末さ。
谷が屈曲すると滑床が数十メートル続く。この谷のハイライト。
滑床は唐突に治山ダムに遮られる。これがかつて蜂の巣があっ
たダムで、今も形骸が残っている。先週に間違ったダムとは全く
周囲の雰囲気が全く異なる。自分の記憶の曖昧さが恥ずかしい。
蜂の巣の堰堤を越えると、もう一つ支流があった。長峰山頂から
杣谷峠に向かう時に、最初に出会う鞍部に至るのだろう。本流も
上の写真のように藪っぽいが、すぐに最後の堰堤に突き当たる。
蜂の巣の堰堤が、この沢の最後の堰堤というのも記憶違いだった。
最後の二俣。右俣の方が登り易そうだが、奥は崩れ易いルンゼ。
左俣の方が登り易いし、より低い位置で稜線に出ることが出来る。
最初はガレだが、固い岩床が出て来るようになる。この辺りから
右手を意識して登って行くと、ツバキの繁る最低鞍部に到着する。
落花した椿の花が萎れている。やはりもう少し早い時期に来る
べきだった。先週の失敗が悔やまれる。山頂まではもう一登り。