摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

北側から世継山の西峰に登る

今日は三連休の初日だが、まだ広島行きの疲れが残っている。

山自体は標高が低く、そうでも無かったのだが、片道6〜7時間

の乗車時間が辛かった。もう、青春18切符で旅する年ではない。

それでも快晴で、家にいるのも勿体ない。12時過ぎに家を出る。

中途半端な時間帯だが、団体が多い。初歩きなのかもしれない。

貯水池では、沢山の鴨が嘴を背に入れて「浮き寝」をしている。

いつもは櫻茶屋の北側で取りつくのだが、前回、楽に下った所を

登ってみようと思う。全縦路を外れて、ハーブ園東側の道に入る。

小さな木橋を渡り、稜線が見えてきた辺りで、右手の藪に入る。

世継山には、何故かアオキが密生している。葉も枝も柔らかい。

アオキの藪を抜けると,急斜面が立ちはだかる。土ではなく砂の

斜面だ。下るのは楽だったが、登ろうとしても足下が定まらない。

こんな砂山の上にゴルフ場を作れば、土砂崩れが起きて当然だ。

何段かの擁壁を越え西へ斜上して行く。朽ちた木や根の浅い

木が多く、手掛かりにするのも頼りない。登りには向いてない。

神戸東線二十鉄塔が見える所まで出てきた。此処から巡視路

がある。標高の高い所から斜上するから、楽だろうと思ったが、

かなりのアルバイトだったし、砂の斜面や朽ちた木々は不快だ。

巡視路も、その上の歩道も荒れ気味だ。左手にハーブ園を見る。

世継山の西峰に到着。東側のハーブ園には、フェンスで遮られ

行き来はできない。ただ頂上は笹が刈られていてベンチもある。

冬枯れの今の季節は、樹幹越しだが眺望も多少はある。中でも

西側が抜けている。須磨垂水沖が、西日に照らされ輝いている。

逆光で写真は撮り難いが、肉眼だとこれくらいは見えている。

食事を終えて帰途に着く。大人しく、いつものルートで下ろう。

巡視路を辿り、神戸東線二十鉄塔からは、排水管に沿って下る。

急斜面だけど、藪が薄いので楽に下れる。此処もアオキが多い。

この下で排水管から離れ、右手の細尾根に入る。そのまま下ると

桜茶屋裏の崖に出てしまうので、北側の斜面に方向転換して行く。

全縦路に下り着いた。櫻茶屋から北側へ、200m程の所である。

帰宅後、世継山ゴルフ場を施工した青木建設(ブルドーザ工事)の

法務担当の方の文章を読んだ。昭和42年の土砂崩れは自然災害

と一蹴してある。暗い気分になった。此処には慰霊碑の一つもない。


今日のBGM