摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

都賀谷第二堰堤からサウスロード下の岩場を目指す

今年の年末は、30日まで仕事だった。27日の日曜出勤から始って

28日は平常業務だったが、29日は新規開店の支店の応援に行き、

30日は慣れない債権回収業務まで仰せつかった。師走を体感した。

ぐったり疲れた年末だが、何かやり残したことがあるよう気がするな。

そうだ都賀谷堰堤から、サウスロード下の岩場へ直上できていない。

六甲川から遡行する元気等はない、今日も掬星台から回ってみよう。

杣谷峠から、山羊戸渡に入る。アップダウンの多い道で消耗する。

山羊戸渡で服装を改め、メットも被る。大袈裟に思われるだろうが、

メットは藪漕ぎ用。棘のある藪や、鋭い枝にも頭から突っ込むため。

入口から数十mで、北側の支尾根を下る。最初は薄い踏跡がある。

だが最近は猪の獣道が多くなり迷い易い。細尾根沿いに下って行く。

樹幹越しに目指す岩場が見る。山羊戸渡からはもっと顕著に見える。

この岩場は都賀谷源流の左岸にある。右岸の岩に比べ傾斜は緩い。

過去二回、基部に辿り着けづ、前回は上部から岩場の上に出ただけ。

古い架線場跡を過ぎると、後は濃密な藪を下って行くことになる。

かなりの急斜面で難渋するが、下流から遡行してくること思えば、

はるかに楽だといえる。下りつくのは都賀谷が北へ屈曲する所だ。

そこから下流へ、200mばかり下ると、都賀谷堰堤に突き当たる。

花崗岩の滑に薄い氷が張っていた。暖かいようで、それなりに冬。

前回に岩場の頂部から、此の堰堤の右岸側が見えた。ということは、

堰堤からも岩場の位置が確認できるという事。右岸側へ登ってみる。

この堰堤の左岸から、東へ斜上すれば、基部に突き当たるだろう。

樹林に囲まれて険しさは感じない。前回、上から見降ろした時にも、

何とかなりそうだと思い、今日の装備は、メットとシュリンゲ3本だけ。

堰堤の右岸側から降りて、左岸側へ登り直す。この一つ下の都賀谷

第3堰堤が大規模なので、やや小さく見えるが実際には大きな堰堤。

堰堤端から東へ寄り気味に、照葉樹の生える急斜面を登って行く。

右手に浅いルンゼがある。これを上った方が楽だったかも知れない。

そのルンゼに沿って少し登ると、大きな岩の基部に突き当たった。

此れが目指す岩場だろうと思われる。脆いというより、大きな塊が

剥離し崩れかけた岩場。木は沢山生えているので支点はとれそう。

後から考えれば、基部を右手に回り込んで、直上することも出来た

かも知れない。この時はルンゼを最後まで、詰めてみることにした。

ルンゼの最後は正面が崩れやすい崖地。左が登り易すそうなので、

立木を頼りに登り、その上の不安定な斜面を右手にトラバースする。

大きな一つの岩が風化し、ひび割れ岩塊の積み重なりと化している。

傾斜は緩いので何とか行けそう。こういう所は家族に先に行って貰う。

立木を頼りに岩を登って行く。見た通り浮いた岩も多く落石には注意。

技術的には難しく無いが、上で詰まることを考え安易なルートを選ぶ。

右手を見るとピナクルのような。いや剥離した岩が倒れ掛っている。

家族は小さな岩の突起を足場に、強引に岩を攀じて行った。その際、

足場にした岩の突起が大きく揺れたのだが、気づいていないようだ。

剥離した薄い岩が、岩の割れ目に突き刺さっているだけのようだ。

ハムには怖くて行けない。左手の太い松の木を手掛かりに登った。

その上は数メートルの階段状の岩場。上に見える舌を突き出した

ような岩は、もちろん浮いている。岩を落とさないことに注意する。

足下を見れば、そこそこの高度感。表六甲ドライブウェイも見える。

下から登って来る家族は、濃密な枝葉を抜けるのに苦労している。

此処から先は、岩登りというよりも、木登りという感じになってきた。

岩の割目に生えた木々だが、朽ちた木は少なくて、比較的しっかり

している。その分、枝葉が強勢で、下手をすると跳ね返されそうだ。

右上に見えるのが、この岩場の頂部だろう。もう数メートルしかない。

だが、その僅かな距離を、松の灌木が執拗に遮る。強引に越える。

ようやく岩場の頂部に到着。前回来た時よりも、何故だか狭く見える。

足元に都賀谷堰堤が見える。此処からは、松の生える急斜面としか

見えず、あのような岩場があるとは思えない。何とか登れて良かった。

南側には山羊戸渡の稜線。その向こうには長峰山の頂上が見える。

もしも山羊戸渡を歩く人がいれば、見えるだろうと思うが人影はない。

昼食は簡単に、エス・カガワバゲットと、KIRIのクリームチーズ

昼食を終え、北に向かって藪尾根を辿る。内容には不満が残るが、

とにかく、2015年にやり残したことを、一つ済ませることが出来た。