摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

明智山(1267m)・・・・・・京畿道・加平郡・・・2015年10月30日

まだ暗い加平バスターミナルから、午前6時15分ヨンス洞行きに乗車。

昨夜は鄙びた宿の狭い部屋にに、30000Wで泊まった。加平は田舎

なので宿は少ないが、冬ソナの舞台となった南怡島があるので観光地。

6時44分、明智山入口のバス停で下車。空にはまだ月が残っている。

数軒の食堂と広い駐車場がある。韓国の山の入口としては、ごく普通。

昨夜は寒冷前線が通過したのか、強風が吹き冷雨が降った。今朝も

冷え込んで霜が降りている。まだ10月なのに、神戸なら冬の気候だ。

河原に沿って舗装された道を歩いて行く。昨夜の雨で心配したのだが、

今日は快晴のようだ。その分、放射冷却で、冷え込んでいるのだろう。

地図には、何とも記入がなかったが、お寺らしき建物と大仏がある。

これは仏像なんだろうけど・・・。モミジやイチョウがキレイだった。

寺からは未舗装路になる。川沿いの道を淡々と歩く。この山域は

ソウルから近いのに、今まで登っていない。割と平凡な山が多く、

登りたいとは思はなかった。だから変化には全く期待していない。

稜線の上にまだ月が残っている。昨夜の雨で、空気中の塵などが

洗い流されたに違いない。月の表面の影さえも、見えているようだ。

朝日が昇り日に照らされる。多少は体感温度も上がりホッとする。

今まで歩いて来た沢沿いの道の方が、頂上には近いし道も良いが、

それでは単調にすぎる。やや遠回りだが、東尾根から回ってみよう。

だが涸れ沢沿いの道は、岩と落ち葉でどこが道だか、よく分らない。

気がついた時には道を外していた。10mほど離れた所に石段道。

紅葉は僅かに残っている。最盛期を狙ったつもりの旅程は外れた。

さらに登って、道が谷から斜面に移ると、すっかり冬枯れの様相だ。

道端に奇妙なものを見る。草の根元に氷が出来ている。どうしてかな。

全ての草に出来ている訳でない。風の強い所とかに出来るのだろうか。

稜線に出るまでは南斜面を斜上する、無風快晴といっても良いぐらい。

午前8時40分、東尾根の三叉路に出た。此処からは尾根道を進んで行く。

昨夜の雨は、山上では雪だったようだ。雪の上を渡ってくる北風が冷たい。

土留の階段に見えているが、柵の内側に土が盛られていないので、柵の

上を歩かねばならない。こんな歩き難い道に、鹿らしき動物の足跡がある。

山頂らしき凹地についた。右手のピークに登ってみるが、何の標識も無い。

少し低い左のピークに山名碑があった。時刻は10時15分、山頂到着。

此の山頂が明智山第1峰と呼ばれて、南側には2峰・3峰があるようだ。

東側には華岳山が見えている。標高1400mあるだけあって山容は立派。

南側には、これから歩く明智山2峰・3峰の連なり。斜面が雪で白い。

コンビニで買ったキムパブを、テルモスの白湯で食べる。美味しくない。

山頂では30分ほど休憩していた。南の2峰・3峰に向かって縦走する。

日に照らされても、雪は解ける気配がない。サラサラで靴も濡れない。

草についた雪が輝いている。2峰から歩いて来た登山者二組とすれ違う。

「あれが山頂ですか?」と聞かれるが、二人とも上手く答えられない。

韓国とはいえ、標高1200mの低山で10月に雪を見るとは予想外だ。

明智山第2峰。展望も良くはないし、あえて2峰と名付ける必要も無い。

2峰からダラダラとした尾根を南に辿ると、明智山第3峰の標識がある。

ピークというよりは、尾根上の岩場に過ぎないが、展望はすこぶる良い。