摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

恋人山(1068m)・・・・・・京畿道・加平郡・・・2015年10月30日

当初は、明智山(ミョンチサン)と恋人山(ヨインサン)は、それぞれ別の日に

登るつもりだった。だが地図をよく見ると、両山の間は、距離が短く縦走でき

そうだ。道さえ良ければ、バスも遅くまであるので日帰りでも問題ないだろう。

明智山の第三峰で昼食休憩して、南側に見える恋人山に向かう。まだ正午。

恋人山の頂上まで此処から4.7km。もちろん下山する距離も考えると

どうだろうか。この時は天気は良いし、道も悪く無さそうだしということで。

鞍部に向かって下っていく。南に向かって下るので、寒さは感じない。

しばらく下ると気が付いた。どうやら此の道は「防火道」だ。山火事の

延焼を防ぐ為に、尾根筋が広く伐採されている。関西では北摂に多い。

山火事の多い韓国では、もっとあっても良さそうだが、初めて見た。

本来なら草も刈ってなくてはいけないが、繁茂している所をみると、

もう防火道としての管理はされてないのかも。平野谷東尾根と同じ。

鞍部へ下ってきた。道標には、明智山・恋人山どちらの頂上へも、

3.3kmとなっている。明智山の頂上から此処まで3時間掛った。

午後1時だが、登りに同じだけ時間がかかり、更に下るとすると・・。

少々混乱してしまい、ガイド本の概念図を見ることも、忘れていた。

でも、柏屯里発の最終バスは、確か午後8時だったはず。どうにか

なるだろうと、恋人山に向けて登り返す。二人とも大分疲れてきた。

恋人山の北尾根も防火道だ。登山道に関しては、全く心配していない。

ただ明智山の第三峰から、鞍部に下るのに、丸一時間も掛ったのは

遅すぎる。距離やコースタイムに関しては、自信が無くなってしまった。

此処も草の根本に、薄い膜状の氷が出来ている。霜柱の様に地中の

水分が凍ったのか、湿気を含む大気が、渦巻いて凍ったように思える。

鞍部からの急登を終えると、主稜線は波打つように小ピークが連なる。

次のピークでは北側の展望が開け、歩いて来た明智山が大きく見えた。

何のことはない。先の場所から20mも進むと、恋人山頂上に到着した。

14時20分、鞍部から1時間20分。ガイド本のコースタイム通りだった。

ハート形の山頂碑には、「愛と希望が成し遂げられる処」と彫られている。

これなら明るい内に下れそうだ。一安心して行動食を食べ小休止する。

でも、柏屯里16時20分発のバスに乗りたい。次のバスは1時間半後。

もっと急いでたと思うのに、カメラの記録を見ると、20分も休んでいた。

幅広く踏みしめられた道を下る。よほど登山者が多いようだ。恐らく

恋人山(ヨインサン)という名前に魅かれて、登る人が多いのだろう。

だが登ってみれば魅力的な山ではない。一日費やさないで良かった。

東に向かう尾根を下ると遠回り。最初に現れた分岐から支尾根に入る。

支尾根とは言っても、最初は本当に此処が道か、と思うような急斜面。

滑りやすい落ち葉の上を、小走りに下って行く。二人共2度転倒する。

転倒と言うより尻餅かな。急斜面なので衝撃は少なく、また走りだす。

僅かに紅葉が残っている所もあるが、眺めてる余裕はない。遅くまで、

バスがあるとはいえ、この時期、夕方になると急に冷え込むし、何より

暗くなっった田舎のバス停で、バスを待つ心細さは、身に染みて嫌だ。

15時40分に林道に下り着いた。右手に見える広場は、登山者用の、

駐車場。休日には大型バスが並ぶのだろう。トイレも設置されている。

さてバス停までは、何分かかるのだろう。とにかく急ぎ足で下って行く。

バス停は思ったより遠かった。林道に出てから30分。前方の三叉路に

バス待ちの登山者らしき2人が立っている。16時10分バス停に到着。