摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

上ホロカメットク山(1920m)・・・・・・2015年9月21日

富良野岳の頂上から、上ホロカメットク山分岐に戻って来た。

此処は平坦地で、展望が広がる良い休憩場所となっている。

稜雲閣の方からは、まだ大勢の登山者が、次々登って来る。

足の調子が悪ければ、富良野岳ピストンだけでも良いかと

思っていたが、まだまだ時間的には、十分余裕があるので、

上ホロカメットク山まで縦走することにした。午前9時45分。

高山植物の多い富良野岳は、女性に人気と聞いていたが、

実際のところ、単独や女性だけのグループが多く見られる。

北に向かって歩きだすと、すぐ元気な二人に追い抜かれる。

羊蹄山の後遺症で、足の筋肉痛がつらい。我々の速度は、

ゆっくりだけど休まないからか、また二人組に追いついた。

追い越しざま彼女達が、「シラタマ」と呼んでいた高山植物

その名の通り白い玉のような実が、一面無数に成っている。

進むべく北側の稜線は、西から雲が沸き上がり、視界を遮る。

写真は晴れた一瞬を狙って撮っているので、実際はもっと暗い。

後ろを振り返ると、富良野岳も雲の中に隠れてしまっている。

さらに進むと十勝岳のガスが晴れて、頂上が見えるように

なったが、数秒後には、こちらがガスに覆われ見えなくなる。

東側は晴れている。裾野にはキレイな紅葉もチラホラ見える。

此処までは、緩やかな稜線歩きだったが、ようやく前方に山と

呼べるような塊が見えてきた。これが上富良野岳と思いきや。

三峰山というピークだった。ちょっとガッカリして座り込んだ。

行動食と紅茶で小休止。まだ午前10時45分。分岐からは

1時間歩いただけだ。余裕はあるが眺望がないので退屈だ。

上ホロカメットク山側からも次々登ってこられる。9月連休の

中日で、道外からの登山者が多い。この山に関していえば、

道内の登山者は、熊鈴を鳴らしていない人が多いように思う。

東側に見える裾野は、いかにも熊が徘徊していそうな雰囲気。

だが、稜線上のこの人の多さでは、とても登って来そうもない。

先ほどの三峰山より大きな山塊が見えてきた。ゆっくり登ろう。

上富良野岳頂上の一角に到着。小さな三角形は十勝岳の先っぽ。

富良野岳がスッキリ見えないかと、しばらく立って待っていたが、

一向に晴れる様子がない。近くの人に、天気予報を聞いてみると

やはり午後から悪くなるという。上富良野岳頂上は荒れた所で

印象は良く無い。此処では休まずに上ホロカメットク山に進もう。

上富良野岳から上ホロカメットク山へは、鞍部を挟んで指呼の間。

深いキレットのように思えたが、実際は存外に近く20分弱で到着。

午前11時38分。上ホロカメットク山頂に到着。まずまずのタイム。

座り込んで行動食を取りながら、十勝岳のガスが晴れるのを待つ。

十勝岳から歩いて来た人に、所要時間を聞くと1時間位だったそう。

ならば十勝岳を回って、吹上温泉に降りても良いかと一瞬思うが、

午後から荒れるという、天気予報に怖気づき、元に戻ることにする。

一瞬、十勝岳は晴れ上がったが、下りに掛ると再びガスに覆われる。

また上富良野岳の頂上までもどると、十勝岳温泉への分岐がある。

下りの出だしは赤土の急斜面。何処が道なのか良く分から無い。

でも少し下れば緩やかになった。この辺りで、今夜、上ホロカ

メットク避難小屋で泊まるらしい、大荷物の人達とすれ違った。

我々に、もうそんな体力は無い。羨ましく思いながら挨拶する。

後ろから追い越して行ったのは、富良野岳の登り道で、我々を

走って追い越して行った三人組。今までどこで何してたんだろう。

常日頃、摩耶山でロープウェイに頼って、下山しているせいで、

下りになると、ドット疲れが出て足が遅くなる。まあ仕方ないか。

尾根道から、南側の浅い谷筋に入る。笹原の中に紅葉した灌木。

逆光の富良野岳。改めて立派な山容と思う。十勝連峰の中では

標高こそ、僅かに低いものの、その存在感は十勝岳よりも勝る。

植生の豊さも富良野岳の魅力。高山植物の咲く頃に来てみたい。

下って来た沢筋を振り返る。もう少しで富良野岳分岐に出合う。

てっきり今日からは、晴れの日が続くものと思い。天気予報を

確かめずに出た。山上で人に聞くと、午後から荒れ模様という。

今のところは、雲は多いものの、雨が降るとは思えないのだが。

富良野岳からの道と合流し、安政火口下の涸れ沢へ下っていく。

さらに下り振り返って見る。一番奥が上ホロカメットク山なの

かな。とすると隣の岩山が、上富良野岳ということになるが、

どうも確信が持てない。あんな険しい所を歩いたのだろうか。

我々が稜雲閣前へ下ってきたのは、13時50分。あと15分

早ければバスに乗れていた。こんなに早く下って来れるとは

思っていなかったので、バスの時刻は全く考えていなかった。

次のバスは4時間ほど先なので、予定どおり歩いて帰ろう。

車は何台も通るが、乗せてやろうという人はいない。まあ

下りなので、好きで歩いていると思われているんだろうな。

十勝岳線のゲートまで下ってきた。此処からは緩い上り。

あと2キロだが、さすがに登山後の車道歩きは辛かった。

稜雲閣から一時間半で、吹上温泉に帰ってきた。すぐに

白銀荘に入浴しに行く。ほどなく土砂降りの豪雨となる。

大雨警報も発令。雨が上がる午後7時まで休憩室にいた。