摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

馬耳山(686m)・・・・・・全羅北道・鎮安郡・・・2015年5月24日

馬耳山(マイサン)には、2010年4月29日に一度、登りに来ている。

だが、山頂への登山道は、植生復元のため、閉鎖中で登れなかった。

2014年10月に、その禁令が解かれたというので、今回立ち寄った。

早朝、宿から散歩に出る。町の中央の川沿いを南西に歩いていくと、

運動公園がある小高い丘が見えてくる。橋を渡り高みに登って行く。

その頂きに展望台がある。ドラマ「屋根部屋の皇太子」のロケ地

として有名らしい。そのドラマは見ていないが、馬耳山の絶好の

展望台ということなので、登山の前に早起きしてやって来た訳だ。

確かに馬耳山に正対した展望が得られる。近寄ると全体像が分り

にくいので、予め見ておく価値はあるだろう。右の雌馬耳峰の方が

標高が高く、登山道がある。左の雄馬耳峰には道が無く登れない。

8時20分発のバスに乗り、約10分で馬耳山北部駐車場に到着。

三連休の初日とあって、乗用車やバスが続々駐車場に入ってくる。

昨日の疲れで、緩やかな坂も歩くのがつらい。筋肉痛というよりも、

痙攣の後遺症という感じだ。まあ標高は低いので、ゆっくり登ろう。

北側からの登山道は、双耳峰の間の峠まで、ずっと木製階段が続く。

道の周囲はモミジが植樹されている。秋に来ればきっとキレイだろう。

天皇門という名の峠に到着した。途中で追い抜かれた団体の二組や、

南部駐車場から登ってきたハイカーで、狭い峠は大いに賑っている。

雌馬耳峰への登山口。5年前は閉鎖され、登山禁止の看板があった。

現在も鎮安郡のホームページの観光案内は、コース閉鎖のままだが、

たぶん大丈夫と、確かめもせずに来たが、解放されていてホッとした。

少し登った所から、峠を振り返ると、雄馬耳峰が被さるように迫る。

登山道は階段が続く。ほとんど土を踏まず、山というより観光地。

やっと階段が終わり、岩の上を歩くようになるが、両側の手摺りは、

過保護に過ぎる。というより登山道以外を歩かさないが為の柵だ。

雌馬耳峰の頂上に到着。標高686mだが駐車場からの標高差は、

400m足らずだろう。休み休み登って来ながら言うのもなんだけど、

登頂感などは全く感じない。意外に樹木が多くて、展望は良くない。

西側に進むと展望が開けた。前回は、眼下に見える周囲の山々を

周回しただけで終わったが、その方が登山らしかったかもしれない。

山頂には展望デッキがあって、東側に鎮安(チナン)の町が見える。

今朝、登った城山公園も見えているはずだが、遠くて特定できない。

山には眺めている方が、遥かに良い山というのがあるが、馬耳山は

その典型かもしれない。しばらく休んで汗が引いた所で下山にかかる。

下山途中に展望台から雄馬耳峰を望む。此方は道が無く登れない。

戻った峠から今度は、南部駐車場を目指して下る。全州市からは、

此方の方が近く観光客の数は多い。銀水寺を経由して塔寺に至る。

塔寺(タプサ)は、2度目なので素通りする。この寺の門前町の、

豚背肉の食堂が有名らしい。ちょうど昼前なので、寄ってみよう。