摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

天台山(715m)・・・・・・忠清北道・永同郡・・・2015年5月25日

昨日は、茂朱(ムジュ)のバスターミナルから、永同の市内バスで、

永同駅前までやって来た。茂朱郡のバスに比べ、車体も新しいし、

均一料金1300Wで運行している。地方のバスとしては好印象だ。

ところが翌朝、バスを乗り逃がしてしまう。6時20分発のバスだが、

同時刻に4本ある。最初に来たバスがそうだったのだが、行き先を

見過ごした。4番目の運転手が、ミョンドッ行きは、もう行ったと言う。

仕方なく次のバスを、永同駅の待合室で待つ。2時間後の8時10分。

時刻表ではミョンドッと2文字だったのが、行き先表示はミョンドッ里と

3文字だったので、禄に読まずに違うと思ったよう。二人して情けない。

今日は、釈迦誕生日で休日。寺では祭事があるので、乗客も多いかと

思いきや、寧國寺入口で下車したのは、登山姿の夫婦連れだけだった。

バスが停車したのは、広い駐車場の真ん中辺り。バス停の標識はない。

それほど、時間のかかる山ではないので、帰りのバスは気にしてない。

まあ、どうにかなるだろう。むしろ2時間遅れたことで、暑さが気になる。

二人で、500mlのペットボトルを、7本も持っているけど、足りるかな。

寧國寺への緩やかな参道を歩いて行く。道沿いに提灯が付いている。

20分ほど歩くと、寧國寺の山門に到着。此処には売票所があって、

入場料1000Wと表示されているが、売票所は無人で徴収されない。

寺までは車道が通じていて、お祭りなので沢山の車が駐車していた。

車道に出て、寺とは反対側の右手に進むと、Aコースの入口がある。

この山は寧國寺を起点に、A・C・Dの3コースがあって分かり易い。

Bコースは未整備のため、閉鎖されている。急なAコースを登って、

緩やかなDコースを、下る人が多いようだ。我々もその予定だった。

この山には100mごとに標識があった。頂上まで1200mである。

最初の内は、針葉樹と落葉樹の混じる、疎林を淡々と登って行く。

しばらくすると期待通り、岩場が出てきた。ロープはついているが

まだ斜度は緩くて、頼る必要はない。フリクションの良い花崗岩だ。

岩の上の眺めの良い所に出て、寧國寺(ヨングクサ)を見下ろす。

午前9時半だけど、30度以上はあるだろう。まだ5月というのに。

まだ体が、暑さになれていないので、余計につらく感じるのかも。

「危険 高齢者や子供は、左側に回って下さい」と書いてある看板。

この時は意味が分からないまま、矢印に従って、左側に入ったけど

ルンゼを登る道は面白そうでないので、再び右側の尾根筋に戻る。

岩尾根に沿って、ロープが付けられている。このロープは質が悪く、

摩耗に弱いものだ。その為、鋼製のワイヤーをビニールチューブに

通して沿わせて、数mおきに金具で留めてある。持つだけでも重い。

この岩の上部は、スッキリしたガリー沿いに、一直線に登って行く。

斜度もそれほどでもないし、スタンスも適度にあるので気持ち良く

登れた。だが慣れてないせいか、ロープを強く握りすぎてたようだ。

本番はこれからというのに、もう腕が疲れている。大丈夫だろうか。

前後のハイカーは、左のルンゼを登ってくる人が多かった。我々が、

登り着いたのは、上の写真の中央辺り。こっちの方が楽しかったよ。

さて此処からが、天台山のハイライト。岩壁登山路と安全登山路の

分岐点だ。安全登山路を行くと、100mほど頂上へ遠くなるようだ。

我々は此処をを登る為に、この山に来た訳なので迷わず取りつく。

後ろから来たアジョシの2人組は、家族が登るのを見て「ホー」とか

言っていたが、すぐに安全登山路のほうへ、進んでいってしまった。

全長75mのコースには、3本のロープが設置されている。1本目は

直上するが、2本目は左に斜上する。振られるようで、つい力が入る。

腕力の無いハムは、2本目を登った所で一休み。登ってきた岩場

を見下ろす。岩場の斜度は60度から、急な所でも70度くらいかな。

家族はスルスルと3本目を登りきった。スタンスの多いガリー沿いに

登って行くのだが、最後に左側のノッペリした所を越すのが嫌らしい。

そもそも迂回路があるのだから、このコースを登る必要も無い、

天台山のアトラクションといっても良いだろう。何とか登りきった。

ロープの終点からは右側に回り込んで、岩場の頂部に達するが、

此処はまだ山頂でない。展望は良いが日陰が無いので休まない。

頂上へは、まだ500mもある。此処から見ると樹林のようだが、

実際歩くと岩場が多い。暑さで100mごとに休んでは水を飲む。

もう岩場は十分だと思った頃に、主稜線に出て、C・Dコースと

合流する。頂上までは後200m。疲れ切ってフラフラしている。

この付近は樹林の美しい所だった。同じバスで来た夫婦連れが、

もう下って来られた。我々の足の遅さを思い知る。いや疲れてる。

頂上は樹林に囲まれ展望は無い。右手にはアイスキャンディを

売るアジョシ。よっぽど疲れた顔をしてたんだろうな。ハイカーの

若いアジュマが「アイスケーキ・マシッケチュセヨ!」と笑って言う。

頂上の日陰でしばらく休んだが、水分を摂りすぎた為か食欲がない。

昼食は食べずに下山に掛る。ヘリポートを通るが日陰が無く休んでる

人はいない。祝日だけにハイカーの姿は多い。どんどん追抜かれる。

Cコース下山路は事故多発区域。緩やかで自然の景色の美しい

Dコースを下山してください。という親切な看板。だがDコースは

30分ほど遠回りになるのと、日陰が無さそうな気がして止めた。

Cコースに入ると、いきなり急な下り。岩の上に砂礫が乗っていて

滑りやすい。足元に寧國寺の伽藍が見えてるので近道ではある。

北側にAコースの岩場が見えている。此処から見ると斜度は緩い。

Cコースは砂礫の道。ロープ頼りにズリ下がって行く。楽しく無い。

最後までロープが張ってある。下りきって100mも進むと寧國寺。

やっぱりDコースを下った方が楽しかったかなと思う。後の祭りだ。

寧國寺の境内では、釈迦誕生日の祭で、テントの下にテーブルが

設けられて食事が振る舞われていた。登山者の姿も多く見られる。

昼食を食べていないので、我々も、ありがたくいただくことにしよう。

ビビンパッとワカメスープとキムチ。デザートには優しい甘さのお餅。

駐車場まで下ると、朝のバスで一緒だった夫婦が、木陰のベンチで

バスを待っていた。一緒に待てば良かろう。1時間近く待っていると、

バスがやってきた。だがベンチから数十mも離れた駐車場入り口で

客を下ろしてUターンする。降りた客が、走ってくる我々に気づいて、

バスを止めてくれたので乗車できたが、韓国の市内バスって難しい。