摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

鷹峰山(426m)・雪屹山(481m)・・・・・慶尚南道・南海郡・・・2014年12月29日

南海(ナメ)には昨年の10月に、錦山(クムサン)に登りに来た。

その時の市外バスターミナル6階の宿が良くて、昨晩も泊った。

今回のような長旅で、知っている宿が一軒でもあると気が楽だ。

市内バスも、階下のターミナルから発着する。朝7時発加川行

きに乗車する。バスは西側周りで、南海島南端へ向かって行く。

朝日が、東の空を紅く染める頃に、加川(カチョン)に到着した。

加川村は、海に面した棚田が有名で、観光地として売り出し中。

バスの便も多く来易い場所。我々が乗って来たバスは折り返し、

南海に戻って行ったが、帰りは、東側回りのバスに乗りたいな。

バス道を少し戻ると、土産物屋を兼ねた観光案内所があった。

まだ朝早くて開いていないので、トイレだけお借りした。背後に

見える岩稜に、鷹峰山(ウンポンサン)への登山道があるはず。

階段状に家が並ぶ加川村。各戸から大海原が望める。その為、

古い家を改造して、別荘やペンションにも利用されているようだ。

水平線の薄雲の上に朝日が上ってきた。気温はさして低く無い。

バス道から農道に入り、しばらくで左手斜面を指す道標がある。

稜線目指してガラガラの道が、一直線についている。周囲の

木々が不自然に伐採されている。昔からあった道ではなくて、

登山客誘致のために、強引に新しく作った道のように思える。

稜線に出ると、登山道は険しい岩稜をさけて、西側を巻き

上がって行く。足元に見えるのも、ペンションか別荘だろう。

最近建てられた物が多く、不動産バブルが起きてるみたい。

岩場は全て西側を巻いて、主稜線に戻って来た。期待した

岩稜歩きは楽しめず少々残念。此の先も、樹林の道が続く。

頂上近くになって、岩場も出てくるが、それほどでも無い。

コース取りを誤ったと、悔やんでみるが、交通の便の良さ

を優先したのだから仕方がない。1時間程で山頂に到着。

鷹峰山(ウンポンサン)の頂上は、意外に展望が良く無い。

西側は藪が繁っている。大きなクーラーボックスがあって、

マッコルリを売る人が来るらしい。さすがに今は誰もいない。

マッコルリ売り用に作られた、ミニ卓子で行動食を食べる。

南海バスターミナル2階にはスーパーもある。何でも安くて

色々買いこんだ。ふなっしーグミは、日本から持って来た物。

これから向う雪屹山(ソルルサン)。名前の割に鈍重な山容で、

いま一つ気分が乗らない。でも此処まで来たら、進むしかない。

西側に垣間見えるカルバウイ(包丁)稜線。仙区(ソンク)村から

道がある。此方側を登って来た方が、面白かったかもしれない。

雪屹山へは良い道が続く。やはり周囲の木々が伐採されている。

観光客へのサービスのつもりだろうが、どうも不自然な感がする。

鷹峰山を振り返る。此処から見ると秀麗な山容だが、印象は薄い。

目指す雪屹山にも、大きな岩場があった。道は北側に回り込む。

北斜面の落葉樹林が美しい。こんな標高の低い所で、純林を見ら

れるのは韓国ならでは。人里に近いのに、この清らかさは得難い。

登山道は東側まで、回り込んで主稜線に出た。林相がまた変わる。

雪屹山の頂上には石積みの烽火台があり、絶好の展望が得られる。

枝についているのは、案内登山会(バスツアー)のマーキングテープ。

ソウル・釜山等から、棚田観光を兼ねて訪れるツアーが多いのだろう。

烽火台は円形で、正に360度の大展望なのだ。空が大きく広い。

鈍重な山容に似合わず、素晴らしく開放的な気分が味わえる頂上。

先の鷹峰山とは僅か50m程の比高差だが、ずいぶん低く見える。

此処から見ても、西方に伸びるカルバウイ(包丁)稜線が印象的だ。

西側に鶯江湾を挟んで、2か月前に登った錦山が見えている。

鷹峰山から見て退屈そうと思ったが、林相・展望とも良い山だ。

ゆっくりしたいところだが、11時45分発のバスに乗車したい。

南側に下って行く、やや細い道を下って行く。とても急な道だ。

この道も新しく開拓されたものか、不自然さが残る強引な道どり。

11時20分に、バス道まで下って来た。意外に楽しかった雪屹山。

少し前までは静かな村だったろうが、各所で工事が行われていて、

ダンプが走り回っている。ここにもペンションか何かできるのだろう。

バス停から棚田を見下ろす。あの東屋まで行ってみたいのだが、

慶尚南道の南海から、全羅南道へ向うバスは一日数本しかない。

次のバスを逃すと、かなり遅くなってしまう。この眺めで我慢しよう。

帰りのバスは東回りだった。学生らしき乗客が多い。ゼミ旅行かな。

南海バスターミナルの売店で揚げ物を買う。ハングルでピカチュウ

上下逆だがそういえばそんな形。午後2時の順天行きバスに乗車。