秋月山(チュウォルサン)を目指すのは2度目。前回はどのバスに、
乗ればよいのか分からず。潭陽まで来ながら、あきらめてしまった。
今回は、潭陽郡のサイトで、市内バスの運行経路を調べておいた。
6時35分発カマゴル行きに乗車する。やはり乗客は我々二人だけ。
秋月山駐車場では下車せずに、2km程先のバス停で降ろして貰う。
7時前で真っ暗だが、とても寒いので登山口を目指して歩いて行く。
結局、登山口は見つからなかった。手元のガイド本にはコースが
記されているが、現在は登山コースとして整備されていないようだ。
おまけに積雪も多いので、あっさり撤退し、秋月山駐車場へ戻ろう。
積雪が道を隠すので、やはりメインコースを選ぶべきだったと反省。
ペンションが点在する田舎道を2km程、南へ歩いて駐車場に到着。
標高726mの低山だが、それなりに観光地。約1時間を無駄をした。
案内板を見ると、右側上端のスリ峰には、コースが記されていない。
なぜスリ峰を目指したかというと、同じ道を往復したくなかったから。
手元のガイド本は、内容が古くて現地に来て、唖然とすることも多い。
まだ明けやらぬ駐車場を出発する。食堂等に飼われている犬が、
やたらと吠えたてる。観光地でも早朝の人影は怪しげなのだろう。
第一登山路を目指す。正面に見えている巨大な岩の右側を登る。
雪は昨日の月出山に比べると多い。良く冷え込んでサラサラだ。
最初からアイゼンを付けて歩いているが、団子になることもない。
すでに2・3人の先行者の足跡がある。今日は土曜日だったかな。
しばらくで木製階段が現わる。この後も延々と階段が続いていく。
途中の展望所で一休み。今日も風はなく、天候は安定している。
眼下に潭陽湖を望む。対岸は、淳昌から登った剛泉山(584m)。
展望所から更に階段を登ると、菩提庵(ポリアム)を望む台地に。
此処にベンチがあったので、座って行動食のビスケットを食べる。
菩提庵へは寄らずに、登山道を直進すると、急に雪が深くなる。
階段には古い雪が凍り付き、その上に新雪が乗っているので、
まるで滑り台のようだ。アイゼンを効かせてないと滑ってしまう。
菩提岩(692m)頂上に到着。ここで主稜線の道と合流する。
菩提庵(ポリアム)と菩提岩(ポリアム)は、ハングル表記だと
全く同じなので、ややこしい。この山名碑でアム=岩と知った。
此処から山頂を往復することになる。左手奥のピークだろう。
だが今朝の先行者は、展望の良い此処までで引き返している。
稜線上のトレースは、新雪に埋もれて、無くなってしまった。
コースタイムでは40分だが、この雪ではもっとかかりそうだ。
頂上へ中程まで来た所で、後ろから賑やかな声が聞こえてきた。
どうやら後続のグループが来たようだが、此処までラッセルして、
最後に抜かれるのもシャクだ。できれば頂上へ登ってしまいたい。
家族のピッチが上がる。赤いヤッケが200m程後ろに見える。
持っていないが、サラサラの雪で靴の中が濡れることはない。
何とか追いつかれず頂上に到着する。本日の初登に違いない。
樹林に囲まれた秋月山頂上。夏ならほとんど展望は無いだろう。
直ぐ後に到着したアジョシが、「ラッセルしてくれてありがとう」て、
言ってくれたように思う(たぶん)。何処へ下るのかと聞かれるが、
上手く答えられない。後続グループが到着しそうなので、頂上下の
岩場に下って休憩する。西側に下る道にも、やはりトレースはない。
降りてからのバスの便も不明なので、こちらへ下る選択肢はない。
南に見える大きな山は、たぶん光州の無等山(ムドンサン)だろう。
頂上では、先のグループが行き先を議論しているようで賑やかだ。
我々にも、「先に行ってラッセルしてくれ。」(たぶん)と声が掛るが、
やはり答えられない。グループが立ち去ると、とても静かになった。
かと言え、長居するほどの場所ではない。来た道を戻ることにする。
アジョシ達のおかげで、帰り路はしっかりトレースがついて楽だった。
菩提岩頂上からは、第2登山路に入る。しばらく進むと三叉路がある。
此処から南側に下り、バスの便の多い秋城里に行きたかったのだが、
やはり、トレースが無いので、そのまま第2登山路を下ることにしよう。
第2登山路は南側から、菩提岩の基部をトラバースして駐車場に下る。
此方の方が登山者は多いようだ。階段の多い第1登山路よりも緩やか。
洞窟上に大きなツララが出来ている。この時は洞窟内を潜ったり、
ツララをのんびりと見上げたりしていたが、実は危険な場所だった。
ハングした岩の下を歩いていると、肩に強い衝撃を受け前のめりに
倒れてしまった。一瞬、何ごとか分から無かった。どうやらツララが、
気温が上がったので、音もなく落ちてきたようだ。頭でなく良かった。
出発点と同じ秋月山駐車場に下って来た。次のバスは1時間半位
しないと来ないだろう。風も無く、それほど寒くないので待つとしよう。