摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

秋月山(726m)・・・・・・全羅南道・潭陽郡・・・2015年1月3日

秋月山(チュウォルサン)を目指すのは2度目。前回はどのバスに、

乗ればよいのか分からず。潭陽まで来ながら、あきらめてしまった。

今回は、潭陽郡のサイトで、市内バスの運行経路を調べておいた。

6時35分発カマゴル行きに乗車する。やはり乗客は我々二人だけ。

秋月山駐車場では下車せずに、2km程先のバス停で降ろして貰う。

7時前で真っ暗だが、とても寒いので登山口を目指して歩いて行く。

結局、登山口は見つからなかった。手元のガイド本にはコースが

記されているが、現在は登山コースとして整備されていないようだ。

おまけに積雪も多いので、あっさり撤退し、秋月山駐車場へ戻ろう。

積雪が道を隠すので、やはりメインコースを選ぶべきだったと反省。

ペンションが点在する田舎道を2km程、南へ歩いて駐車場に到着。

標高726mの低山だが、それなりに観光地。約1時間を無駄をした。

案内板を見ると、右側上端のスリ峰には、コースが記されていない。

なぜスリ峰を目指したかというと、同じ道を往復したくなかったから。

手元のガイド本は、内容が古くて現地に来て、唖然とすることも多い。

まだ明けやらぬ駐車場を出発する。食堂等に飼われている犬が、

やたらと吠えたてる。観光地でも早朝の人影は怪しげなのだろう。

第一登山路を目指す。正面に見えている巨大な岩の右側を登る。

雪は昨日の月出山に比べると多い。良く冷え込んでサラサラだ。

最初からアイゼンを付けて歩いているが、団子になることもない。

すでに2・3人の先行者の足跡がある。今日は土曜日だったかな。

しばらくで木製階段が現わる。この後も延々と階段が続いていく。

途中の展望所で一休み。今日も風はなく、天候は安定している。

眼下に潭陽湖を望む。対岸は、淳昌から登った剛泉山(584m)。

展望所から更に階段を登ると、菩提庵(ポリアム)を望む台地に。

此処にベンチがあったので、座って行動食のビスケットを食べる。

菩提庵へは寄らずに、登山道を直進すると、急に雪が深くなる。

階段には古い雪が凍り付き、その上に新雪が乗っているので、

まるで滑り台のようだ。アイゼンを効かせてないと滑ってしまう。

菩提岩(692m)頂上に到着。ここで主稜線の道と合流する。

菩提庵(ポリアム)と菩提岩(ポリアム)は、ハングル表記だと

全く同じなので、ややこしい。この山名碑でアム=岩と知った。

此処から山頂を往復することになる。左手奥のピークだろう。

だが今朝の先行者は、展望の良い此処までで引き返している。

稜線上のトレースは、新雪に埋もれて、無くなってしまった。

コースタイムでは40分だが、この雪ではもっとかかりそうだ。

頂上へ中程まで来た所で、後ろから賑やかな声が聞こえてきた。

どうやら後続のグループが来たようだが、此処までラッセルして、

最後に抜かれるのもシャクだ。できれば頂上へ登ってしまいたい。

家族のピッチが上がる。赤いヤッケが200m程後ろに見える。

膝辺りまでの新雪ラッセルしながら進んで行く。スパッツは

持っていないが、サラサラの雪で靴の中が濡れることはない。

何とか追いつかれず頂上に到着する。本日の初登に違いない。

樹林に囲まれた秋月山頂上。夏ならほとんど展望は無いだろう。

直ぐ後に到着したアジョシが、「ラッセルしてくれてありがとう」て、

言ってくれたように思う(たぶん)。何処へ下るのかと聞かれるが、

上手く答えられない。後続グループが到着しそうなので、頂上下の

岩場に下って休憩する。西側に下る道にも、やはりトレースはない。

降りてからのバスの便も不明なので、こちらへ下る選択肢はない。

南に見える大きな山は、たぶん光州の無等山(ムドンサン)だろう。

頂上では、先のグループが行き先を議論しているようで賑やかだ。

我々にも、「先に行ってラッセルしてくれ。」(たぶん)と声が掛るが、

やはり答えられない。グループが立ち去ると、とても静かになった。

かと言え、長居するほどの場所ではない。来た道を戻ることにする。

アジョシ達のおかげで、帰り路はしっかりトレースがついて楽だった。

菩提岩頂上からは、第2登山路に入る。しばらく進むと三叉路がある。

此処から南側に下り、バスの便の多い秋城里に行きたかったのだが、

やはり、トレースが無いので、そのまま第2登山路を下ることにしよう。

第2登山路は南側から、菩提岩の基部をトラバースして駐車場に下る。

此方の方が登山者は多いようだ。階段の多い第1登山路よりも緩やか。

洞窟上に大きなツララが出来ている。この時は洞窟内を潜ったり、

ツララをのんびりと見上げたりしていたが、実は危険な場所だった。

ハングした岩の下を歩いていると、肩に強い衝撃を受け前のめりに

倒れてしまった。一瞬、何ごとか分から無かった。どうやらツララが、

気温が上がったので、音もなく落ちてきたようだ。頭でなく良かった。

出発点と同じ秋月山駐車場に下って来た。次のバスは1時間半位

しないと来ないだろう。風も無く、それほど寒くないので待つとしよう。